何を考えているの? 男/女の違い⑥
「ごめん」にすべてを託す男性
「ごめん」までの道のりが気になる女性
男性は「ごめん」というひと言で最上級の謝罪の意を示したつもりでしょうが、女性には響きません。
「ごめん」に至るその気持ちをきちんと説明することが大切なのです。
逆に男性から「ごめん」が出ないのは、「自分から折れることができない」というメッセージ。
夫がそんな態度なら、食い下がるのは時間の無駄です。
男性は折れてくれた相手を好意的に見る傾向があるので、不本意でも、一旦折れておくほうが長い目で見ればいい結果になります。
一方、もしも自分に明らかに非がある場合は、素直に「ごめん」を口にしましょう。この言葉さえ聞ければ、多くの男性はあっさり納得します。
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仕事から帰ってきた夜。
夕飯の後、妻の美咲は、ずっと胸に引っかかっていたことを切り出しました。
夫の健太はスマホを見ながら、生返事をしています。
――そこから、いつものすれ違いが始まりました。
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美咲
「今日さ、私が話してる時、ずっとスマホ見てたよね」
健太
「え? ああ…ごめん」
美咲
「……」
健太
「いや、本当に悪かったって」
美咲
「そういうことじゃないの」
健太
「え?」
美咲
「なんでそうなったのかを聞きたいの」
健太
「いや、だから謝ってるじゃん」
美咲
「私は“ごめん”だけ聞きたいわけじゃないの!」
少し強くなった声に、健太の眉が動きました。
健太
「じゃあ、どうしろって言うの?」
美咲
「私が話してる時間、どう思ってたの?」
健太
「……別に、軽く見てたわけじゃない」
美咲
「でも態度はそうだったよ」
健太
「仕事の連絡が来てて…気になって…」
美咲
「それなら最初からそう言ってよ」
健太
「いや、でも途中で遮ったら悪いと思って」
美咲
「私は無視された感じがして悲しかったの」
健太
「……」
健太は黙りました。
頭の中では、
“謝ったのに、なんで終わらないんだ”
という感覚が渦巻いていました。
一方の美咲は、
“この人は私の気持ちをわかろうとしてない”
と感じています。
同じ「ごめん」でも、受け取り方がまったく違うのです。
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しばらく沈黙が流れました。
そのあと、美咲が小さく言いました。
美咲
「私はね、“ごめん”の前にある気持ちを知りたいの」
健太
「前にある気持ち…?」
美咲
「なんでそうなったのかとか、どう思ってたのかとか…。そこが見えないと、“とりあえず謝っとけばいい”って感じるの」
健太
「そんなつもりじゃない」
美咲
「うん。たぶん、そうなんだと思う」
健太
「俺は…“ごめん”って言うの、結構しんどいんだよ」
美咲
「え…?」
健太
「なんか、自分が全部悪かったって認める感じがして」
美咲
「……」
健太
「だから俺の中では、“ごめん”ってかなり本気なんだ」
その言葉を聞いて、美咲の表情が少し緩みました。
美咲
「それ、初めて聞いた」
健太
「言わなかったからな…」
美咲
「私は逆だった。“ごめん”だけだと、逃げてる感じがしてた」
健太
「逃げてるつもりはなかった」
美咲
「うん。でも、私は“向き合ってくれてる感じ”が欲しかったんだと思う」
健太
「……難しいな」
美咲
「難しいね」
二人は少し笑いました。
⸻
その夜の最後。
健太は食器を片づけながら、小さく言いました。
健太
「今日のは、本当に悪かった。仕事の連絡に気を取られてた。でも、美咲の話を適当に聞いてたわけじゃない」
美咲
「うん」
健太
「嫌な気持ちにさせたなら、ごめん」
美咲
「……ありがとう。今のはちゃんと伝わった」
