突然の再会
ここにはいくつもの剥製が展示されている。
どれも今にも動き出しそうなほど迫力があって、見ていると時間の感覚が少しずつ薄れていく。
ふと目に留まったのは、ヤギの剥製だった。
なぜだろう。
初めて見るはずなのに、どこか懐かしい。
「気になりますか?」
突然、背後から声がした。
「ひっ!」
見入ってたから思わず変な声が出た。
振り返ると、一人の男性が立っていた。
「あ、すみません。驚かせてしまいましたか?」
彼は悪びれる様子もなく、微笑していた。
どうやらこの大学の大学院生らしい。
夏休みのあいだだけ博物館を手伝っていて、来館者に展示物の由来や歴史を説明しているのだという。
今年の夏は比較的子供の来場者も多くて、賑わってるという。
そんなことを話していた。
たぶん。
ずっと忘れていなかった。
この顔を。
見間違えるはずがない。
「ねえ……あなた、もしかして」
「え?」
目の前で話していたのは、
17年間、忘れることのなかった人だった。
