35歳で人生に絶望していた私が、51歳の今「幸せ」と言えるまで|第0話
はじめまして。ゆうです。
今、51歳です。
6歳年下の夫と、小学生の娘と暮らしています。
小さな会社を経営しながら、賃貸経営と結婚相談所の仕事をしています。
そして今の私は、自分でもちょっと恥ずかしくなるくらい、
「幸せだなあ」
と思いながら毎日を生きています。
でも、35歳の私はまったく違いました。
むしろ、
「人生って、修行なんだろうな」
くらいに思っていました。
人生って、もっと楽しいものだと思っていたんですけどね…
ちゃんと生きれば、幸せになれると思っていた
私は、厳しい父と、そんな父をいつも気遣っていた母のもとで育ちました。
父はよく、
「それなりの人と結婚するためには、女性もそれなりでなければならない」
と言っていました。
勉強はできて当たり前。
テストは100点でなければ意味がない。
子どもの頃の私は、親に怒られないように、期待を裏切らないように、一生懸命「ちゃんとした子」でいようとしていました。
ところが大学に入ると、突然、親から何も言われなくなりました。
やったー、自由だ!
……とは、なりませんでした。
自由になったはずなのに、何をしたらいいのかわからない。
大学にもほとんど行かなくなり、好きだった人に振られたことをきっかけに、過食症にもなりました。
それでも就職してからは、また頑張ることができました。
システムエンジニアとして9年。
その後、外資系の保険会社へ転職して、セキュリティや個人情報保護、経営企画などの仕事をしました。
仕事は楽しかったし、評価もされました。年収も1000万円を超えました。
たぶん、世間から見れば順調だったと思います。
ところが30代半ばになった頃、私は突然わからなくなりました。
この先、何を楽しみに生きていけばいいんだろう…
仕事に行って、帰って、寝る。
週末は録画したドラマを見て、図書館で借りた本を読む。
恋人はいない。
結婚したいとも思わない。
欲しいものも特にない。
仕事を頑張って昇進した先にあるのは、さらに上の役職。
でも、別にそこへ行きたいわけでもない。
生活には困っていない。
仕事も順調。
なのに、
生きていて楽しくない。
35歳になる頃の私は、そんな場所にいました。
クリスマスに、占い師のところへ行った
2008年12月25日。
34歳のクリスマスの日。
私は、60代くらいの男性占い師の前に座っていました。
システムエンジニアをやり、セキュリティの仕事までしていたお堅い私が、です。
今考えると、よっぽど困っていたんでしょう。
「仕事は順調なんです。でも、生きていて楽しくありません。この先もずっとこうなんでしょうか」
クリスマスに占い師を前にして、なかなか重たい相談です。
そこで言われたことの中に、こんな話がありました。
これから人生が大きく変わる。
ライフワークになるものを見つける。
そして、そのライフワークに関係するパートナーと出会う。
その人とは、
「恋愛ではなく、愛情で結ばれる」
ということ。
もちろん、半信半疑でした。
でも一つだけ、
「もしかしたら、この先の人生は今のままじゃないのかも?」
と思えました。
それだけで、少し救われたんだと思います。
そこで私は、ちょっとだけ行動を変えてみることにしました。
人から誘われたら、とりあえず行ってみる。
興味を持ったら、とりあえずやってみる。
そんな小さなことからです。
そして翌年。
私は、一匹の犬に出会いました。
ここから、本当に人生がおかしな方向……ではなく、思ってもいなかった方向へ動き始めます。
「この仔を幸せにするために生きよう」と思った
※このnoteでは、家族のプライバシーのため愛犬の名前は仮名にしています。
花子を迎えた日、私は初めて、
「この仔の一生は、私にかかっている!」
と思いました。
それまでの私は、自分の人生をどうしたいのかがわかりませんでした。
自分を幸せにする方法もわからない。
でも、
花子を幸せにすることなら考えられる!
朝晩散歩をする。
仕事を早く終わらせて帰る。
休日には一緒に遊ぶ。
それまで会社の飲み会には「仕事の一部だから」とほとんど参加していた私が、
「犬が待っているので!」
と言って、颯爽と帰るようになりました。
会社員としてはどうだったのかわかりませんが、私にとっては大きな変化でした。
気づけば、会社にいる時間より、家に帰ってからの時間の方が大切になっていました。
朝の散歩で、日の出の時間が少しずつ変わっていくことに気づく。
冬の空気の冷たさや、春の匂いを感じる。
それまで会社と家を往復しているだけだった私が、
「ああ、私、生きてる」
と思うようになりました。
そして、いつしか本気で思っていました。
「私は、この仔を幸せにするために生きよう!」
自分のためには生きられなかった私が、
一匹の犬のためなら、生きたいと思えたのです。
その犬が、夫まで連れてきた
花子のトレーニングを始めたことで、私はある男性と知り合いました。
6歳年下。
高卒。
家族経営の小さな会社で働いていました。
のちに知ったことですが、その会社は経営がかなり厳しく、彼には実質的にお給料も出ていませんでした。
私がそれまで頭の中に描いていた「結婚相手の条件」とは、見事なくらい正反対でした。
しかも、初めて会ったときには恋愛対象ですらありませんでした。
それどころか。
彼と一緒に来ていたお姉さんを彼女だと勘違いした私は、
「カップルで犬のしつけ教室に来てイチャつくんじゃねー!」
と、心の中で悪態をついていました。
その男性が、今の夫です。
人生、わかりません。
私たちは付き合っていたわけでもないのに、毎週末一緒に犬の散歩をするようになりました。
気づけば、そんな時間が4年ほど続いていました。
でも私はずっと、
「この人とは結婚できない」
と(勝手に)思っていました。
学歴。
仕事。
収入。
家族の経済状況。
父が望んでいた「それなりの人」とは、違いすぎたからです。
そして一度、彼との関係を終わらせました。
付き合ってもいないのに、です。
でも、彼がいなくなって初めて気づきました。
私は、この人といるとき、幸せだったんだ。
私はずっと、「正解」を探して生きていた
もちろん、夫と出会ったからといって、突然「自分らしく生きられる私」に変身したわけではありません。
そんなに簡単ではありませんでした。
その後、私は自分自身とかなり長く向き合うことになります。
なぜ、親に頼まれてもいないのに「いい娘」でいようとしてしまうんだろう…
なぜ、人から評価されることばかり気にするんだろう…
なぜ、「あなたは何をしたい?」と聞かれると、何も出てこないんだろう…
心理学の本を読み、自分の気持ちをノートに書き、カウンセリングも受けました。
そして少しずつ気づきました。
私はずっと、
「誰かが求める正解」を探して生きてきたのかもしれない…
親が喜ぶ自分。
先生に評価される自分。
会社に評価される自分。
世間から「ちゃんとしている」と思われる自分。
「正解」を見つけるのは、かなり得意でした。
でも、
「あなたは何がしたいの?」
と聞かれると、さっぱりわからない。
そんな私が40歳になって、ようやく、
「もう、私は私のやりたいようにやる!」
と決めました。
すると、昔ほんの少しだけ思い描いた夢を思い出しました。
花子との暮らしから生まれた、
「いつか、ペットと暮らせる賃貸を自分でつくれたら楽しそう」
という夢でした。
そこからアパート経営の勉強を始めました。
そして私は、夫にこう言いました。
「結婚して一緒にアパートやらない?」
プロポーズというより、ほぼ事業提案です。
父が望む人生ではなく、私が幸せになれる人生を選んだ
当然、父は反対しました。
父から見れば、夫は娘の結婚相手として心配になる条件ばかりだったと思います。
昔の私なら、父に反対された時点で、
「やっぱりそうだよね…」
と諦めていたかもしれません。
でも、そのときの私は違いました。
「これは決定事項だから。お父さんの許可はいらない」
40歳で、初めて父に反抗しました。
40歳です。
ずいぶん時間がかかりました。
そして後日、父に長いメールを送りました。
私はずっと、お父さんに認めてもらえる自分であろうと頑張ってきた。
でも、仕事や経済力だけを持っていても、私は幸せにはなれない。
彼がいてくれるから、私は幸せでいられる。
だから、
「私は今幸せだし、これからも幸せになれる自信があります。私を信じてください」
と。
父は最後まで、反対の姿勢を崩しませんでした。
夫が結婚の挨拶に来た日も、強張った顔で夫の目を見ないまま、
「賛成はできないけど、娘が決めたことだから。娘をよろしくお願いします」
と言いました。
重い空気です。
その直後、母が、
「さ、お昼にしましょう!」
と、見事に空気をぶった切りました。
みんなで特上のお寿司を食べ、ビールで乾杯。
その日の写真を見ると、父も夫も笑っています。
35歳の私には、何ひとつ想像できなかった
その後、私は41歳で結婚しました。
44歳で娘を出産しました。
会社員も辞めました。
今は小さな会社を経営しています。
そして、51歳になりました。
34歳のクリスマスに、
「この先もずっと、こんな人生なんでしょうか」
と占い師に聞いていた私は、今、
「生きるって楽しい!」
と思っています。
もちろん、ずっと順調だったわけではありません。
今だって悩むことはあります。
夫にイラッとすることだって、もちろんあります。
でも、35歳の私が想像していた51歳と、実際の51歳はまったく違う場所でした。
だから、このnoteを書いてみようと思いました。
婚活のノウハウを書きたいわけでもありません。
成功する方法を教えたいわけでもありません。
私の人生が「正解」だったとも思っていません。
ただ、今が苦しくて、
「この先もずっとこうなのかな…」
と思っている人がいたら、一つだけ伝えたいことがあります。
「今」を見て、この先の人生まで決めないで!
人生は、思っているよりずっと変わります。
そして、その始まりは、ものすごく大きな決断ではないのかもしれません。
私の場合は、
一匹の犬でした。
35歳の私へ。
あなたは今、
この先の人生には、もう大したことは起きないと思っているよね。
仕事をして、一人で歳を取って、いつか人生が終わる。
そんな人生、早く終わればいいと思っている。
でもね。
もうすぐあなたは、一匹の犬に出会います。
その仔を幸せにしたいと思ったことから、あなたの人生は少しずつ動き始めます。
その仔が、あなたが結婚するなんて思ってもいない人に出会わせてくれます。
家族ができます。
母になります。
仕事も変わります。
そして51歳のあなたは、
35歳のあなたが信じられないくらい、
よく笑っています。
だから、もう少しだけ待っていて。
今見えている人生が、あなたの人生のすべてじゃないよ!
私は今、
生きていることが、とても楽しいです。
