逃げていたのは、コミュニケーションだった― 怖さの正体に気づいた日 ―
私はずっと、コミュニケーションには自信があると思っていた
人の気持ちを察すること
場の空気を読むこと
言葉を選ぶこと
それが自分の強みだと思っていた
でも復職してから
職場が怖くなった。
ミスが増えた
頭が前みたいに回らない
確認したはずなのに抜けている
そのたびに
「どう思われただろう」と考えてしまう。
同僚の表情が
少し曇ったように見える。
後輩の声のトーンが
冷たく感じる。
でも、それを確かめる勇気がなかった。
もし本当に
「頼りない」「前よりできない」と思われていたら。
その現実を、受け止める自信がなかった。
だから私は
深く見ないことにした。
必要最低限だけ話す
余計なことは聞かない
相手の表情も、長く見ない
気づかないふりをすれば
傷つかなくて済むから。
講座で「非言語を読み取る」という話を聞いたとき
胸がざわっとした。
私は最近
相手をちゃんと見ていただろうか。
それとも
“見ないようにしていた”のか。
読めなくなったんじゃない
読むのをやめていた。
だって、怖かったから
でも本当に怖かったのは
相手の評価じゃない。
「できないかもしれない自分」を
自分で認めることだった。
強みだと思っていたコミュニケーションを
失ったように感じることが怖かった。
逃げていたのは、
コミュニケーションじゃない。
“自信を失いかけている自分”だった。
そう気づいたとき
少しだけ息がしやすくなった。
怖さは消えていない。
でも
正体がわかった。
それだけで
前より少しだけ向き合える気がした。
