(二十五)正太郎の一日 その三
これで中華そばの仕込みは大体終わったので、次は餃子の準備だ、うちの餃子は少しだけ小ぶりにしてある。何故かというと、他の店より少し安い。六個で百二十円。大抵はビールのあてに頼む。しかし、味には手を抜いていない。包む皮も手作りだ。薄力粉と強力粉をステンレスのボールに同じ分量で入れて、塩を少々。それから、お湯を少しづつ足しながら箸で丁寧に混ぜる。ボロボロになったら、俎板の上に取り出して両手で練る。上から体重をかけて練る。二十センチ位になるように丸く整形しておく。これを一日分、四個作っておく。これをステンレスのバットに並べて布巾を上からかける。それを冷蔵庫に入れる。一日寝かせる為だ。そうすると発酵してモチモチになる。代わりに昨日、仕込んでおいたモチモチになったのを取り出す。
これを細長くなるように俎板の上で伸ばしていく。勿論、俎板の上には薄力粉が軽く振ってある。そして、端から一センチ位に切っていく。十個から十五個ぐらいになったら、包丁は置いて、これらうぃ両手で丸めていく。これは単純だがやってると結構楽しい。小さな小麦粉の団子が出来たら、餃子用の短い麺棒を使って平らに伸ばしていく。出来上がったらどんどん重ねていく。
さあ、次は餃子の餡の仕込みだ。俎板はざっと水洗いする。ステンレス製の大き目のザルを用意しておく。
キャベツを四等分して芯を取る。そしてみじん切りにしていく。包丁は黄華楼の大将に最初に堺で買ってもらった菜切包丁だ。ニラ、青ネギを細かくみじん切りにしてキャベツの山に加える。ショウガ、ニンニクもみじん切りにするが別の皿に取っておく。
さて、肉だ。正太郎は豚のひき肉を使う。関西は牛肉文化だから牛肉と豚肉の合挽という手もあるが、肉の旨味と脂ののりは豚肉に軍配が上がる。
ステンレスのボールに入れて野菜類を入れて練り始める。練れば練るほど味がしみこむ。
