【AI画像生成】同じプロンプトなのに、ここまで違う。AIに「本物のジオラマ写真」を作らせてみた
AI画像生成を使っていると、たまに「これ、本当に模型を撮影した写真じゃないの?」と思うような画像が出てくる。
今回、私が挑戦したのは単純な「ジオラマ風画像」ではない。
目標にしたのは、「プロのカメラマンが、精巧なミニチュアジオラマを実際のカメラで撮影した写真」に見える画像。そして、そこから少しずつ条件を変えながら、どこまでリアルな世界を作れるのか試してみた。
まずは「ジオラマ」を写真として成立させる
今回特に意識したのは、単に建物を小さくすることではない。
模型そのものの質感に加えて、
雨に濡れた路面
水たまりへの光の反射
店舗から漏れる暖色系の照明
夜の街のボケ
小さな人物
建物の細かな造形
ミニチュア素材らしい質感
実際のカメラで撮影したような被写界深度
まで組み合わせた。
つまり、「ジオラマを描く」のではなく、「ジオラマを撮影する」
という考え方だ。ここが今回の画像生成で一番重要だった部分だと思う。
完成した画像がこちら

写真好きだから、カメラの設定まで指定してみる
AI画像生成では「高画質」「リアル」とだけ書くこともできる。
でも今回は、できるだけ実際の撮影を意識した。
例えば、
Canon EOS R6 Mark II
RF85mm F1.2L
f/1.8
ISO100
1/320 sec
RAW photo
Kodak Portra
shallow depth of field
cinematic lighting
といった具合。
もちろん、AIが本当にEOS R6 Mark IIの光学特性を完全にシミュレーションしているわけではない。
それでも、「どんなカメラで、どんな条件で撮影した写真なのか」
を具体的に指定すると、画像全体の方向性を作る手助けになる。
特に重要なのが被写界深度。
ジオラマをマクロ的に撮影すると、手前の建物と奥の街でピントの合い方が大きく変わる。
この「写真らしいボケ」が、ジオラマを本物の写真に見せる重要な要素だと感じた。
「雨の街」にするだけでは雨にならない
ここも面白かった。
最初は単純に「雨の夜」と指定すればいいと思っていた。
ところがAI画像では、雨が降っているだけで、路面が濡れていない
ということがある。
そこで、
wet pavement
rain-soaked streets
puddles
water reflections
wet surface reflections
raindrops
など、雨によって周囲の環境がどう変化するのかまで指定する。
すると、「雨が降っている街」から、「雨によって街全体が濡れている写真」に近づいていった。
これは実際の写真撮影でも同じで、雨そのものよりも、濡れた路面に映り込む光のほうが「雨らしさ」を感じさせることがある。
そして、ちょっと変な実験を始めた
ここからが今回一番面白かったところ。
せっかくなので、
「巨大な飲料缶や牛の形をした店舗の中に、小さな街が存在する」
という、現実にはありそうで存在しないジオラマを作ってみることにした。
例えば、コカ・コーラの缶そのものを建物にして、その内部で小さな街が営業している。
外から見ると一本の巨大な飲料缶。
しかし内部には、
小さな店舗
道路
街灯
人々
建物
看板
夜の照明
が存在している。
「商品の中に街がある」
という発想だ。
ChatGPTに作らせてみると……

ここまで来ると、単なる「AIイラスト」という感じではなくなってくる。
巨大な缶を建物として成立させながら、その内部に小さな街を作る。
さらに夜景、照明、雨、人物、店舗まで入れる。
AIならではの、現実には作るのがものすごく大変な模型を一瞬で作れるのが面白いところだ。
では、Stable Diffusionなら再現できるのか?
ここで私は、同じような画像をローカル環境のStable Diffusionでも作ってみることにした。
使用したのは、Stable Diffusion WebUI Forge
そして、せっかくなので自分のPCに搭載したGPUを使ってローカル生成する。
最初は、「同じプロンプトを入れれば、同じような画像になるんじゃないか?」
と思っていた。
ところが、そう簡単ではなかった。
同じ文章でも、結果は別物
Stable Diffusionでは、プロンプトの内容をかなり細かく指定している。
例えば、
photorealistic
miniature diorama
handcrafted physical miniature
real miniature wood
real miniature tiles
real miniature paper
real miniature fabric
museum-quality handcrafted miniature
など。
それでも、複雑なシーンになるほど、
「言葉として指定したものを、AIがどのように解釈するか」
で結果が大きく変わる。
特に難しかったのが、店舗や企業ブランドを含むジオラマだった。
「吉野家」を作ってみる
今回、かなり無茶な注文をしてみた。
牛そのものを巨大な建物にして、その中で吉野家が営業しているジオラマ。

これを見たとき、
「これはさすがにStable Diffusionでもいけるんじゃないか?」
と思った。
ところが……

ジオラマ感はかなり出てきた。
しかし、今度は看板や店舗の意味が崩れてしまう。
「牛」「和風の店舗」「夜の街」
といった視覚的な要素は再現できても、
「これは吉野家である」
という複雑な意味を、狙った形で維持するのは難しかった。
ここでちょっと面白いことに気づいた
AI画像生成では、
「物体を描く」ことと「意味を持った世界を構築する」ことは別問題
なのではないか。
例えば、
「牛」
なら比較的簡単。
「牛の形をした建物」
もできる。
「牛の形をした建物の内部に飲食店」
もできる。
しかし、
「牛の形をした巨大店舗で、特定の日本企業の店舗として営業していて、その内部に客がいて、看板や内装もその店舗らしく、しかも周囲は雨の夜の繁華街」
となると、一気に難しくなる。
要素が増えるほど、それぞれの意味を維持するのが難しくなるのだ。
ChatGPTとStable Diffusion、どちらが凄い?
今回の実験だけで優劣を決めるつもりはない。
ただ、私が実際に試して感じた違いはあった。
ただし、これはあくまで今回私が試した環境・モデル・設定での感想だ。
Stable DiffusionはモデルやLoRA、Sampler、解像度、設定によって結果が大きく変わる。
だから、「Stable Diffusionでは無理」
という結論ではない。
むしろ、
「まだ私の設定や使い方が、目的に追いついていない」
という可能性のほうが大きいと思っている。
それでもStable Diffusionには大きな魅力がある
ここは強調しておきたい。
Stable Diffusionの魅力は、自分のPCで何度でも試せること。
モデルを変える。
LoRAを追加する。
Samplerを変える。
Stepsを変える。
解像度を変える。
画像を参照する。
そしてまた生成する。
この試行錯誤そのものが楽しい。
特にPCを組んだり設定を弄ったりするのが好きな人間にとっては、
「画像生成機」そのものを自分で作っていく感覚がある。
画像生成は「絵を描く」のとは少し違う
今回やってみて、一番面白かったのはここだった。
AIに、「リアルな街を描いて」とお願いするだけでは、自分が思い描いた世界にはならない。
むしろ、カメラマン、照明スタッフ、模型職人、プロンプトエンジニア
を全部一人でやっているような感覚に近い。
「どこから光を当てるのか」
「どこにピントを置くのか」
「何をボケさせるのか」
「模型は何の素材でできているのか」
「雨が降ったことで何が濡れるのか」
「街のどこに人を配置するのか」
そこまで考えると、画像生成の面白さが一気に増してくる。
最終的に目指したいもの
私が作りたいのは、
「AIで作ったように見える画像」ではない。
見た人が、「これ、どこで撮った写真?」
と思うような画像。
さらに、「え?これ全部模型なの?」と二度見するような写真。
そのためには、単に解像度を上げるだけでは足りない。
光、レンズ、被写界深度、素材、遠近感、反射、空気感。
写真として成立する要素を一つずつ詰めていく必要がある。
次は何を作ろうか
今回やってみて、ジオラマというテーマはかなり面白いことが分かった。
次はさらに、「現実には絶対に存在しないけれど、写真としては本当に存在しているように見える世界」を作ってみたい。
例えば、
自動販売機の内部で営業する小さな居酒屋
古いカメラの内部にある写真店
巨大な猫の形をした建物の中にある商店街
ビール瓶の中にある昭和の歓楽街
レコードプレーヤーの内部にある小さなライブハウス
など。
AIだからこそ作れる、「存在しないのに、写真として存在している世界」をこれからも追求してみたい。
おわりに
今回、実際にいろいろな条件で生成してみて思った。
AI画像生成は、単に「綺麗な絵を作る技術」ではない。
写真を撮るときと同じように、
「何を見せたいのか」
「どこに光を当てるのか」
「どこをボケさせるのか」
を考える。
ただし、最後にシャッターを押すのはカメラではなくAI。
その違いが、なんとも面白い。
次はもっと「写真にしか見えない、ありえない世界」を作ってみようと思う。
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