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ダンジョン第119階層【実録】『深淵の呪縛を砕く魂の対話!絶望の過去を切り裂く泥臭き希望の刃』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:ロスト・レプリケーション〈属人化の限界の整理〉


アンダーグラウンド・マイン(忘却の地下修練場)の片隅。
薄暗い照明の下で、俺はそれぞれの立場の現状認識を確認した上で、新たな魔導設計書(企画書)を立てるため、現状の理の歪(課題)を静かに整理していた。

俺が東都校で死闘を繰り広げ、不在にしていた間の西都校。

魔導指導(教務)を管理していただいた魔導指導団の団長(山本)。 魔導師(講師)の立場で変化後の対応を進めていた魔女(佐藤)。 実際に信徒(生徒)を教えていた魔導女師(女性講師)たち。 そして、経営の立場から黙認していた大魔女(梅木)。

当初、奉納の招陣(営業)と魔導指導(教務)の一体化の推進は、俺という個人の能力に完全に依存するところが大きかった。


実際には、他の魔導師(講師)たちが宝物庫(売上)に実績を残した形跡は一切ない。 つまり、固有魂の同調(属人化)による一時的な教務の売上に過ぎなかったのだ。

致命的…!

ましてや。その本人が西都校にいないのだからこの新たなシステムが組織に浸透などするはずがない。 ごく当たり前の冷酷な結果である。 まずは俺以外の人間がこれを確実に再現できるという「証明」をしなければならないのだ。


02:サイレント・トラウマ・アナライズ〈静寂の呪縛の解析〉


俺は、水谷さんと斉藤さんが口にした「過去の呪縛(トラウマ)」という言葉に、強烈な違和感を感じていた。

俺には、彼女たちのようなトラウマは存在していない。 したがって、信徒(生徒)たちに将来のために新たな修練会(講座)が必要だと思える「真っ直ぐな気持ち」が確実に存在する。

しかし、彼女たちにとっては違う。
自分たちが、しょうがなく半端に騙されたような状態で申し込みをさせられ、その上で続け、高額な供物(授業料)を払ってきたという「血の流れる過去」があるのだ。

絶望的…!

それを魔導師(講師)になった今。

自分たちも奉納の招陣(勧誘)をする当事者になることへの強い抵抗。 それが心のどこかに重く引っかかっているのだろう。 この心の引っかかりを完全に解消(マインドセット)しなければ、本当の意味で信徒(生徒)の背中を押すことはできない。

ここで俺は極度の思考の沼にハマり、焦燥感をごまかそうと痛々しいルーティンに走った。

己の額に直接「第三の目」を油性マジックで書き込み、強引に思考の開眼の儀式を試みたのだ。

しかし、震える手が激しく滑り、ペンの先が本物の右目にモロに直撃。

「ぐあぁッ!」と奇声を上げ、白目を剥いて床を激しく転げ回った。

『おい、おっさん!』

『油性マジックで第三の目を開眼しようとするとか、ただの邪教の儀式だ ワン!』

『一人で勝手に眼球を突き刺して、密室の空気を完全にオカルトホラーに変えてる ワン!』

魔犬ツンの容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が俺の心臓を物理的に抉る!

痛恨的…!

俺は痛む右目を押さえながら這い上がり、二人を呼び出す決意を固めた。


03:ディープ・ヒアリング・クエスト〈深淵なる過去の聴取〉


俺は早速、水谷さんと斉藤さんを呼び出した。 前回話してもらったトラウマの呪縛を解き放たなければならない。 プリズン・ブレイクルーム(暗黒の休憩室)の椅子に座る二人に対し、俺は静かに口を開いた。

「わざわざ、忙しいところ時間を取ってくれてありがとう」

「今日は先日ヒアリングさせてもらった魔導師(講師)の奉納の招陣(営業活動)について、話を深めたいんだ」

「そのために、君たちには過去の話を聞かなければならない。もしかしたら、君たちにとっては話したくないことも含まれているかもしれないが、協力してほしい」

二人は少し身を固くしたが、静かに頷いた。

「まずは水谷さん。君はなぜこの学校の修練会(講座)を申し込んだのかね?」

水谷さんは伏し目がちに、過去の記憶を辿るように話し始めた。

「それはみんな同じかもしれないけれど……ギルド(会社)に突然念話(電話)がかかってきて」

「軌跡の転写(トレース)という影の錬金術(副業)や在宅で有利になる技能が身につくという話に、半ば強引に勧誘されて……断りきれずに申し込みをしました」

「内務の書記官(事務職)をしていた私は、職場では雑用みたいなもので、何のスキルもなかったんです」

「その思いから、何か身につくならと思い、最終的には申し込みをしてました」

俺はあえて、彼女の辛い過去についてもさらに質問を重ねる。

「そうだったんだね。自分では納得してるのかい?」

「興味があったわけではないけれど、誰でもできるという話から観念したと言った方が、正確かもしれません」

「やり始めてからはどうだった?」

「地味な私にとっては、こんな一面もあったのかと……むしろ向いていたのかもしれません」

「確かに高額だったけれど、最終的には今、魔導女師(女性講師)をしていますから、ジョブ(仕事)には着けたとも言えます」

「金貨(お金)と魔力(時間)をかけたが、割に合ってないと思ってないかい?」

「確かに根気がいる。それはそうだと思います。ただし、雑用とお茶汲みだった私は、そのジョブを早く辞めたかった」

「そういう意味では、今の方が自分のスキルを活かして、ジョブ(仕事)をしています」

俺は、この話の奥底に「呪縛を解く究極のヒント」が隠されていると感じた。

「立ち入った話をしてしまって、ごめんなさい。でも、改めて信徒(生徒)の立場になった意見が聞けて良かったよ」


04:ソウル・リビルド〈魂の再構築〉


ここで、静かに聞いていた斉藤さんが疑問を抱く。

「これまでもこのような信徒(生徒)の話は、異次元おじさんは聞いてきたと思います」

「この話と先ほどの奉納の招陣(営業)の話は、どんな結びつきがあるんですか」

「君たちが疑問に思うのも無理ないね」

俺は二人の目を真っ直ぐに見据えた。

「なぜ君たちが、本当の意味での修練会(講座)のおすすめができないのか。その原因がそこに詰まっているからだよ」

「はっきり言おう。罪悪感が君たちにはあるんだよ」

衝撃的…!

「でも、今の水谷さんの話を冷静に聞くとそんなに悪い話に私には聞こえない」

「だってそうだろ。ここに来た信徒(生徒)は、確かに断れなかった気の優しい真面目な人が多いのは事実だ」

「だけど、そんな信徒だからこそ、悩みに悩んで人に背中を押してもらって、自分が変われるかもと思ったんじゃないかね」

二人はハッとした表情を見せる。

「この魔導指導学校(資格学校)にも問題はある。しかし、それと信徒の決断は別の話だ」

「その後の修練(講座終了)までの残った信徒たちは、何かを勝ち取ったのではないか。変われたのではないか」

「欲を言えば、それが異世界転生(転職)につながれば言うことはないのだろう」

「魔境(世間)は、初心者を受けるほど甘くはないのも事実だ」

俺はあえて、最も重い言葉を投げかけた。

「あえて言う。君たちは初めから奉納の招陣(営業すること)を悪いことだと思っていないか」

水谷さんがしばらく考えながら答えた。

「人に無理強いしたくないという気持ちは、あるかもしれません」

俺は諭すように、ゆっくりと話す。

周囲の空間が重く歪み、パチパチと青白い紫電が散る。丹田の奥底でドロドロに煮えたぎる漆黒の魔力を声に乗せ、全身の血脈を沸騰させて絶叫した!

「放て……!」

ソウル・リビルド〈魂の再構築(罪悪感の払拭)〉ッ!!

「その気持ちは正直な気持ちだね」

「でも、水谷さんの人生は、あのギルドにかかってきた1本の念話(電話)がなければ、今も雑用とお茶汲みをしていたかもしれないよね」

覚醒的…!

「だから思うんだ。決めるのは本人だけど、良い情報を伝えたり、教えたりすることは決して悪いことではない」

「そして、迷っている人の相談に乗って、背中を押すのも魔導師(講師)のジョブ(仕事)だと私は思うよ」

その話を聞いた二人は、心の奥底にあった冷たい氷が溶けていくように、何かを思うところがあったのか、深く頷いていた。

そして俺は、確かな自信を持って伝える。

「私は君たちに、自分のジョブをもっと自信を持って欲しいんだ」

「私たちは、人の人生の希望を背負っているんだ」

「そのために、その人たちそれぞれの人生にあったアドバイスをするのは、当たり前じゃないか」

その言葉を聞いた二人の顔には、いつしか清々しい笑みが広がっていた。 呪縛が完全に解き放たれた瞬間だった。

「だから、是非。私が今からすることに、協力してほしい」

俺たちの本当の意味での「チーム」が、今ここに誕生したのだ。


【次回予告:ダンジョン第120階層】


ついに魔導女師たちの心の呪縛を解き放った異次元おじさん! 過去のトラウマを乗り越え、真のチームとして覚醒した水谷と斉藤が、ついに反撃の翼を広げる! 属人化の限界を砕くための新たなシステム構築が本格始動する中、二人に指導の一歩となる課題が与えられる。現実に直面する二人に異次元おじさんはそっと手を差し伸べていく。 次なる死闘が今、幕を開ける! 次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。


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