見出し画像

昭和の探検隊長|川口浩

本編

あとがき

 過酷な秘境に身を投じ、日本中に未知への興奮を届けた川口浩。 
 1987年に51歳の若さでこの世を去りましたが、そのドラマチックで重厚な物語が、本編から少しばかり伝わると良いなと思います。

 1970年代後半から80年代にかけて、テレビ朝日系『水曜スペシャル』内の探検シリーズは、毎回のように視聴率20%以上を記録。 ネットのない時代、日本中の子供から大人までを「次は一体何が出るのか」とテレビの前に釘付けにしました。

 ドキュメンタリーとエンターテインメントを融合させた独特の演出スタイル(衝撃的なナレーション、テロップ、BGM)は、後の『藤岡弘、探検シリーズ』や『世界の果てまでイッテQ!』など、現代の冒険・秘境番組の全ての源流となっています。

 父は作家の川口松太郎、母は女優の三益愛子。エリート二枚目俳優としての地位を捨て、あえて泥まみれになり、毒蛇や未知の生物に立ち向かう姿を見せることで、「隊長」という唯一無二の国民的キャラクターを確立しました。

 伝説の「巨大怪蛇ゴーグ」回では、結局シルエットしか映りませんでしたが、その「見えそうで見えない」演出が視聴者の想像力を最大化させました。 これは現代の特撮や映画にも通じる、高度な映像演出の先駆けでもありました。 見えない恐怖を煽る映像技術と言って良いでしょう。

 番組の演出として「お約束」もありましたが、川口さん本人は非常に責任感が強く、危険な場所には必ず自ら先頭を切って飛び込みました。ロケ中に毒蛇に噛まれたり、複雑骨折をしたりしても、「日本に帰るまで手術はしない」と強行して撮影を続けたという逸話も残っています。

 リアルタイム世代ではありませんが、「ヤラセ」という言葉では片付けられない、隊長の命懸けの覚悟と生々しいアクシデントが記録された「探検シリーズ」は、今見ても面白いのではないでしょうか。

おすすめ

探検シリーズ
『巨大怪蛇ゴーグ』
『原始猿人バーゴン』
『ピラニア軍団 恐怖の猛襲!』

いいなと思ったら応援しよう!