Bluesky「Attie」が問う主導権――フィードを取り戻す側と、光を売る側
Blueskyが自然言語でカスタムフィードを作れるAIアプリ「Attie」を招待制で公開した。AIをプラットフォームの支配装置ではなく、個人の主導権を取り戻す道具にする――CIOグレーバー氏の宣言は、SNSの権力構造への明確な挑戦だ。一方、その裏側ではAIの爆発的な計算需要がデータセンターの配線を書き換えている。米ビッグテックに「指名買い」されるフジクラの光ファイバーが照らすのは、AIの思想と物理が同時に動いている現実だ。
ホメロス、ゴリアテ、ラゴス、グレイグ——ドラクエ11由来の4人だが、もはや原型をとどめていない連中が、今日もニュースを斬る。
ホメロス 今日は珍しく、希望の話から始められそうだ。……胸焼けしなければいいが。
ゴリアテ 希望! アタシの大好物じゃない。何があったの?
ラゴス いやいや、希望かどうかはまだわからないって。俺は疑ってかかるタイプなんで。
グレイグ ……聞けばわかる。始めろ。
Bluesky「Attie」——AIにフィードを"返してもらう"という逆説
分散型SNS・Blueskyが、AIとの対話でカスタムフィードを構築できるアプリ「Attie」を招待制で発表した。AT Protocolを基盤とし、プログラミング知識なしで自分だけのタイムラインを作れる。注目すべきは、CIOのローズ・グレーバー氏が「AIはプラットフォームの道具ではなく、個人の主導権を取り戻すための道具だ」と明確に位置づけている点だ。
出典: ITmedia AI+
リンク: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2603/30/news080.html
ラゴス ここ、面白いんだよね。普通、SNSにAIを載せるって言ったら「おすすめアルゴリズムの強化」でしょ。ユーザーの滞在時間を伸ばすための道具。でもBlueskyはまったく逆のことを言ってる。
ホメロス 「アルゴリズムの決定権をユーザーに渡す」か。……聞こえはいい。だが、オレの見立てでは、これは技術の話ではなく政治の話だ。
ゴリアテ 政治?
ホメロス X(旧Twitter)のアルゴリズムが何を見せ、何を隠すかで世論が動く時代だ。フィードの編集権は、もはや権力そのものだろう。Blueskyはそれを「個人に返す」と言っている。これは思想の表明だ。
ラゴス しかもAT Protocolっていうオープンな基盤の上でやるわけだ。プラットフォームが閉じた庭を作るんじゃなくて、ユーザーが自分の庭を設計できる。舞台で言えば、観客が自分で演目を選べる劇場を作ったようなものだよ。
ゴリアテ やばいわよこれ! だってさ、今までSNSって「見せられる」ものだったじゃない。広告も、炎上も、バズも、全部アルゴリズムが決めてた。それを自然言語で「こういうのが見たい」って言うだけで自分のフィードが作れるなら——
グレイグ ……主語が変わる。「プラットフォームが見せる」から「個人が選ぶ」へ。
ホメロス だが、ここで一つ引っかかることがある。「AIに頼んでフィードを作る」という行為は、結局AIの解釈に依存している。自然言語の指示をAIがどう咀嚼するか、そのブラックボックスは残るだろう。
ラゴス あー、それは鋭い。「おすすめアルゴリズム」が「自分が指示したAIアルゴリズム」に変わっただけじゃないか、ってことだろ。
ホメロス そうだ。主導権が「本当に」ユーザーに移ったのか、それとも「移ったような気分」を提供しているだけなのか。そこは注視すべきだ。
ゴリアテ でもさ、少なくとも「自分で指示を出せる」ってだけで全然違わない? 今までは中身が完全にブラックボックスだったんだから。指示を出す自由があるだけで、一歩前進でしょ。
グレイグ ……一歩ではある。だが、どこに向かっての一歩かは、まだ見えない。
フジクラが米ビッグテックに「指名買い」される理由——AIの裏側で光が走る
もう一つ、AIの別の断面を見ておきたい。生成AIの普及が加速するなか、恩恵を受けているのはソフトウェア企業や半導体メーカーだけではない。光ファイバー大手フジクラが、米ビッグテックから「指名買い」されている。AIの計算需要が爆発的に増えるほど、データセンター内の配線——つまり光の通り道——がボトルネックになるからだ。
出典: ITmedia AI+
リンク: https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/30/news055.html
ラゴス 実はね、俺が引っかかってるのはこっちなんだよ。Blueskyの話が「AIの思想」だとしたら、フジクラの話は「AIの物理」だ。
ホメロス なるほどな。AIが何を語るかではなく、AIが何を食うか、の話だ。
ゴリアテ 光ファイバーって、アタシの読みでは地味な話に聞こえるけど——
ラゴス いや、全然地味じゃない。生成AIのモデルがデカくなればなるほど、GPU同士のデータ転送量が爆発する。そのデータが走る道が光ファイバーだ。道が細ければ、どれだけGPUを積んでも渋滞する。
グレイグ ……つまり、AIの性能を決めるのは頭脳だけではなく、神経だということだ。
ホメロス フジクラの岡田社長への取材記事だが、ビッグテックが「どこの光ファイバーでもいい」とは言わないらしい。技術的な要求水準が高く、対応できるメーカーが限られている。
ゴリアテ えっ、じゃあ日本の会社が世界のAIインフラの"血管"を握ってるってこと?
ラゴス そういうことだ。AIの話をすると、みんなOpenAIとかAnthropicとかGoogleとか、ソフトウェアの名前を出すだろ。でもその裏で、日本のフジクラが物理的に支えてる。これは構造変化だよ。
ホメロス 半導体でNVIDIAが覇権を握ったように、光配線でフジクラが不可欠な存在になっている。……面白いのは、この構図がAIブームの「結果」ではなく、AIブームの「前提条件」だという点だ。光がなければ、AIは動かない。
グレイグ ……一点だけ言う。BlueskyのAttieが「AIで個人にフィードを返す」話で、フジクラが「AIに光を売る」話だ。同じ日に、AIの入口と出口が両方見えた。それが今日の意味だ。
今日のまとめ
2026年3月30日、AIをめぐる2つの異なる断面が同時に表面化した。Blueskyの「Attie」は、AIを個人の主導権回復の道具として位置づけ、SNSのフィード編集権をユーザーに開放しようとしている。AT Protocolというオープン基盤の上で、自然言語でカスタムフィードを作れるこのアプリは、プラットフォーム支配への明確なカウンターだ。一方、フジクラの光ファイバーが米ビッグテックに「指名買い」されている事実は、AIの思想がどれだけ先進的でも、それを支える物理インフラなしには成立しないことを示している。フィードを取り戻す側と、光を売る側。AIが動かしているのは、データだけではない。
グレイグ ……今日は、入口と出口の話だった。
ラゴス フィードを自分で選べる時代と、そのフィードを支える光ファイバーを日本企業が握ってる時代。どっちも同じ「今」に起きてるんだよな。
ゴリアテ アタシはAttieを使ってみたい。招待制なのが焦れるけどね!
ホメロス ……ふん。自分でフィードを選べるようになったとして、貴様らが何を選ぶかは、また別の問題だがな。
ゴリアテ それ、アタシへの挑発?
ホメロス 全員への問いかけだ。
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