「日本のアイス、ほとんど食べました」——なぜ留学生は“コンプリート”したくなる?“I Tried Them All!” — A Student’s Japanese Ice Cream Adventure
授業で、コロンビアの学生とアイスクリームの話になりました。
その学生が言うには、
「日本のアイスクリームはおいしい」
とのこと。
ここまでは、よくある話です。
ところが、話を聞いているうちに、
「え? そんなに食べたの?」
となりました。
コンビニのアイスクリームも、31アイスクリームも、いろいろなフレーバーを片っ端から食べたというのです。
そこで聞いてみました。
「じゃあ、一番おすすめは?」
学生の第1位は、
セブン‐イレブンのティラミスのアイスクリーム。
しかも学生によると、
「これはあまり見かけない」
のだそうです。
「そうなの?」
私はそんなに意識して見たことがなかったので、ちょっと気になりました。
本当に販売している店舗が少ないのか、時期によるものなのかは分かりません。
でも、コンビニのアイスを片っ端から食べてきた学生が、
「これが一番!」
と言うと、急に私まで探してみたくなります。
第2位は、
スイカのアイスクリーム。
学生の話では、これはどこのコンビニでも同じくらい好きなのだそうです。
そして第3位は、
「もなかのアイスクリーム」
でした。
「へえ、なんだろう……井村屋?」
すると学生が、
「そうそうそう、それ!」
商品名を思い出すだけでも、学生と一緒に「あれかな?」「これかな?」と話が続いていきます。
アイスクリームのランキングだけなのに、そこからどんどん会話が広がっていく。
こういう何気ないやり取りも、日本語の授業のおもしろさです。
それにしても、私は別のことが気になりました。
なぜ、そんなに全部食べようと思うんだろう?
私は日本人ですが、
「よし。コンビニのアイスを片っ端から食べてみよう!」
と思ったことはありません。
そういえば以前、ブラジルの学生にも似た話がありました。
その学生は、あるパン屋さんの商品を、
全部食べた
と話していました。
また「全部」!
どうしてなんでしょう。
海外にいる限られた時間だから、
「いる間に、できるだけいろいろ試してみたい」
と思うのでしょうか。
それとも、学生だからこそできる楽しみ方なのでしょうか。
あるいは、単にこの学生たちが、とても好奇心旺盛だっただけなのかもしれません。
もちろん、二人の学生の話だけで、
「外国の人は全部制覇、コンプリートしたがる」
とは言えません。
でも、私の周りの日本人で、
「コンビニのアイスを全部食べた」
「このお店の商品を全部食べた」
という人は、あまり聞いたことがありません。
だからこそ、
「全部試してみよう!」
という発想そのものが、私にはとてもおもしろく感じられました。
私にとっては、いつでも買えるコンビニのアイスクリーム。
でも、日本に来た学生にとっては、
「今日はこれ」
「次はこれ」
「これはまだ食べていない」
と一つずつ試していくこと自体が、日本での楽しみになっているのかもしれません。
留学生と話していると、私たち日本人が普段何気なく見ているものを、とても楽しそうに話してくれることがあります。
すると今度はこちらが、
「そんなにおいしいの?」
「そんな楽しみ方があるの?」
と、日本の日常をもう一度見直すことになります。
日本語を教えているのに、学生から日本のおもしろさを教えてもらう。
そんなことが、日本語の教室ではよくあります。
それにしても——
コンビニも、31も、片っ端から。
その行動力には、ちょっと負けました。
みなさんは、旅行先や留学先で「いる間に全部試してみたい!」と思って、何かを“制覇”したことがありますか?
