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2026年夏 読書感想文の提出

お久しぶりです。
読書室 極夜の店主です。

8月は夏休みの為営業停止していました。
頭がごちゃごちゃしてメンタルも低迷し、イライラもやもやせかせかしていた夏休み前。

今こそこの本を読む時だ!とミヒャエル・エンデのモモを読みました。
今回はその読書感想文になります。


時間泥棒にご用心


ミヒャエル・エンデの作品は「魔法のカクテル」「はてしない物語」を子供の頃に読みました。
モモは少し読みましたがいまいちピンと来なくて途中で断念。
読むべき時が来たら読もうと思っていました。

時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う,エンデの名作

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モモは聞き上手の女の子。
何かを意見するでも、アドバイスするでもなくただじっと相手の話を聞く。
そんな彼女に話を聞いてもらいたくて、大人も子供もモモに会いにやってきます。

空想好きな友人、自分の仕事に誇りを持つ友人、みんな自分の大切にしているものがありそれを信じて疑わず、他とは違う自分を誇りに生きていました。

しかし、ある時から時間を盗む組織が現れ人々から時間を奪ってしまいます。
時間を奪われた人々は「無駄」を極限まで削ぎ、昼夜問わず働きます。
成功するため、お金をたくさん得るため、いい家いい車いい食べ物を手に入れるため、、それらを手に入れる事こそが正しくてそうなれないなら負け犬なのだと。
いつの頃からか伝染病のようにその思想は蔓延し世界を覆います。

世界は灰色になり、みんなイライラ、せかせかしています。
街には罵声や怒号が飛び交い、モモに会いに来る人はいなくなります。
ただ話をする時間など無駄であり、そもそもそんな時間はないのだと。

そんな世界になってしまった原因「時間泥棒」から時間を取り返すまでの物語が本作。


時間泥棒は誰?



大人になり、子供だった平成中期から世界は目まぐるしく変化していきました。
世界は「コスパ」「タイパ」「勝ち組」を正義とし、人々は一秒たりとも時間を無駄にしては罪だとばかりに疾走しています。
利益を生まない行為は悪で、SNSでは日々誰かが「有益な情報」をまき散らしています。

私自身、コロナ前後からこの思想に憑りつかれ色々なことを切り捨ててきました。
子供の頃から好きだった魔法、心霊の類の本は無意味だと判断し読むのを辞め、ビジネス書や投資、マネーリテラシーの本を読むようになりました。
映画も無駄だと観なくなり、好きだったハロウィンやクリスマスも無視。
本当は可愛いと心ときめいていても今後に繋がらないと判断した物は買わず、室内は殺風景で事務所のような空間になりました。

それに加え、コロナの真っ只中には体にとって「毒」になるという食べ物や薬の情報が錯綜し、これにも翻弄されてオーガニックな食べ物を求めて町を彷徨いました。

巷では、政府は守ってくれない!と言って副業や投資を推し進める風潮が広がり、毎日大量の情報が垂れ流されました。
お金をたくさん稼ぐためにスキルを身に着ける!とみんな躍起になっていました。

世界は灰色で、みんなイライラせかせか、SNSでは罵声や怒号、批判が飛び交っています。
これは今の世界の話。

お互い監視しあい、「正しい」線の上をそろそろと歩き、少しでも線からはみ出せば猛攻撃。「線に戻れ!」「この悪党め!」

正しいかそうでないかが本当は重要なのではなく、自分の信じたこの世界が間違えている可能性を少しでも信じたくないとでもいうように。

「私がこんなに我慢して時間を節約して満たされていないというのに、お前だけ満たされようとするなんて許さない」

文化人こそ無駄を愛せよ


読書室を始めてから、やるからには利益に繋げたい、この活動を元にあれもこれもやりたい、、といっきに風呂敷を広げてしまい後悔しました。
本を出したい、認知されたいというのは結局その先に「利益」があります。
こうなると途端につまらない。

前章で記載したコロナ期間の間に損切りした色々な物は、私を私たらしめる要素でありこれらを排除した結果つまらなく何も持っていない残りかすのような自分がいました。

ここ数年、無駄と切り捨てたものを再度拾い集める作業をしています。
美術展を巡り、映画を観て、魔法や心霊などの不可思議なジャンルの本を読む。ハロウィンやクリスマスの時期には関連グッズを買い求め町を歩く。

自分の好きな物や事柄、大切にしている事を明言するようにしたら誰かがそれを覚えていてくれて思わぬプレゼントをくれる事も増えました。
プレゼントというのは、形のあるものから無いもの色々です。
それらは私にとって大切な宝物で、その人との関係も宝物です。

モモを読んで、自分の軌道修正は間違えていなかったなあと思いました。
私のしていることは利益にならないかもしれません。
誰かにとっては取るに足らないことかもしれません。
それでも、少なくとも私にとっては大切な事で、私の人生を豊かにし世界を鮮明に見せてくれます。

我々はジャングルやサバンナで生きる動物ではありません。
幸いなことに食うか食われるかの戦いからは物理的に離脱出来ています。
現代を生きる我々には生存競争から離脱したぶん余暇を楽しむ時間がある。

人間として生まれてきたというのに、無駄を楽しむことができないでどうします。

現代の風潮に疑問を抱き、立ち止まって考えたい方。
モモはいつでもあなたが会いにきてくれつのを待っていますよ。

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