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30代〜40代女性特有の『何か始めないと』という焦り

三十代から四十代にかけて、『何か始めないと』という声が内側から聞こえてくる時期があります

これは焦りというより、けっこう真っ当な問い直しだと思うんです

仕事の伸び方がだいたい見えてくる
体力が正直になる
子どものことや親のことで、時間の使い方が変わる

条件が動けば、人は自然に『この配置のままでいいのかな』と考えます
問いが出てくること自体は、健康な証拠です

厄介なのは、この手の問いが、答えの出るまでに数年かかるタイプだということ

試して、外して、また試す
その往復のなかでしか答えは出てきません
しかも途中経過は、はたから見るとだいたい迷走に見えます

啓発セミナーが差し出すのは、その数年の短縮です
少なくとも、そう見えるものです

でも実際に売られているのは、答えではないと思うんですよね

売られているのは、問いを預けられる安心のほう
『あなたにはブロックがあります』『本来の自分を生きていません』
モヤモヤに名前がつくと、それだけでちょっとだけ気持ちが軽くなる

ただ、名前をつけた側が、その外し方も独占している
気づいたときには、自分の問いが他人の管理下に置かれているわけです

もうひとつ、この年代ならではの事情もあります

新しく深い関係をつくる機会が、めっきり減っていること
そこへ、初対面で本音を話して肯定し合う場が現れる
内容を吟味するより先に『ここには分かってくれる人がいる』という体験が来てしまいます
人間、居場所を疑うのは本当に苦手な生き物です

費用のほうは『自己投資』という便利な言葉で回収されます
効果が出ないのは本気度が足りないから、という説明までセットでついてくるので、疑うこと自体が『まだ変われていない証拠』に見えてくる

出口が内側から塞がる仕組みです
よくできていますよね
感心している場合ではないのですが

抜け道があるとすれば、問いを手放さないことでしょうか

『何か始めないと』という感覚は、消すべき症状ではなく、自分で握っておく手がかりです

答えが出るのが遅いのは、たぶん欠陥ではなく、大切なプロセスなのだと思います


 




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