#158.「まだ大丈夫」が一番危ない。医師・2児の母が、夏の終わりにもう一度伝えたい熱中症対策

8月も終わりに近づいてきました。
「もうすぐ9月だから、暑さも少しずつ落ち着くかな」と思いたくなりますが、まだまだ暑い日が続いています。
医師として日々診療していると、この時期にも熱中症で受診される方を何人も目にします。
そして、熱中症は「真夏の屋外で起こるもの」とは限りません。
室内でも起こりますし、「これくらいなら大丈夫」と無理をした結果、症状が悪化してしまうこともあります。
今回は、医師であり、2児の母でもある私が、改めて意識している熱中症対策をまとめます。
①「のどが渇いてから」ではなく、こまめに水分を
熱中症対策の基本は水分補給。
ポイントは、のどが渇く前から、こまめに飲むことです。
大量に一気に飲むより、少しずつこまめに。
汗をたくさんかいたときには、水分だけでなく塩分などの電解質も失われます。
状況に応じて、経口補水液やスポーツドリンクなどを活用することもあります。
ただし、持病などで水分・塩分制限がある方は、個別の指示を優先してください。
②「暑いけど我慢」はしない。エアコンを使う
「まだ耐えられる」「電気代が気になるから……」と、暑さを我慢してしまうことがあります。
でも、熱中症対策では涼しい環境で過ごすことそのものが予防になります。
特に子どもや高齢者など、熱中症になりやすい人がいる家庭では、室温や体調をこまめに確認したいところです。
③ 外出するなら「時間」と「場所」を選ぶ
できるだけ暑い時間帯を避け、日陰を選ぶ。
そして、「まだ歩けるから」と頑張り続けず、こまめに休憩する。
帽子や日傘、通気性のよい服などを活用するのも大切です。
我が家でも、子どもと外出するときは「予定をこなすこと」より「無理をしないこと」を優先しています。
④ 「気温」だけでなくWBGTも確認する
最近よく耳にする「暑さ指数(WBGT)」。
これは気温だけではなく、湿度や日射なども考慮して暑さの危険度を示す指標です。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、全国のWBGTの実況・予測や熱中症警戒アラートを確認できます。
「今日は何℃かな?」だけでなく、「今日は暑さ指数がどうかな?」と確認する習慣もおすすめです。
⑤ 一番大切なのは「まだ大丈夫」をやめること
熱中症対策で、私が一番伝えたいこと。
それは、「まだ大丈夫」と思わないことです。
頭痛、めまい、吐き気、だるさ、筋肉のこむら返りなど、いつもと違う症状が出たら、無理をせず涼しい場所へ移動して休みましょう。
熱中症は、予防できる病気です。
だからこそ、「もう少しだけ」「これくらいなら」と頑張る前に、休む。
子どもに「水分とろうね」と声をかけるだけでなく、私たち大人自身も休む。
夏の終わりだからこそ、もう一度。
「無理をしないことも、立派な熱中症対策」
そう心に留めて、残りの暑い季節を安全に過ごしたいと思います。
※この記事は一般的な熱中症予防についての情報です。症状が強い場合や意識がおかしい場合などは、ためらわず医療機関への相談・救急要請を検討してください。環境省も、熱中症は重症化すると命に関わる可能性があるとして、予防行動を呼びかけています。
