見出し画像

マーケティング指標の優先順位。多すぎる数字をどう整理するか

マーケティングの仕事をしていると、見る数字がどんどん増えていきます。

売上。
受注数。
商談数。
リード数。
CVR。
CPA。
クリック率。
表示回数。
メール開封率。
セミナー参加率。
ホワイトペーパーのダウンロード数。
サイトのアクセス数。
SNSの反応。

気づけば、レポートには数字がぎっしり並んでいる。

でも、その数字を見ながら、こんな気持ちになったことはないでしょうか。

「結局、どの数字を一番見ればいいんだろう」
「数字はたくさんあるのに、次に何をすればいいかわからない」
「会議で報告はしているけど、改善につながっている感じがしない」
「営業や経営と見ている数字が違って、話がかみ合わない」
「マーケティングの数字を見る順番がわからない」

私自身も、広告代理店でプランナーをしていた時、BtoC企業でマーケターをしていた時、そして今のように大手町の企業でBtoBマーケターとして働く中で、この悩みに何度もぶつかってきました。

数字は見ている。
レポートも作っている。
会議でも共有している。

それなのに、なぜか施策の改善が進まない。
何を優先すべきか決まらない。
「で、次どうするんだっけ」となってしまう。

この状態は、マーケティング担当者にとってかなり苦しいです。

なぜなら、数字を見ていないわけではないからです。
むしろ、真面目に見ています。
見ている数字が多すぎるからこそ、判断が難しくなっているのです。

結論から言うと、マーケティング指標は、すべてを同じ重要度で見る必要はありません。

大事なのは、数字をたくさん追うことではなく、成果につながる順番で数字を見ることです。

まずKGIから逆算する。
売上や受注に近い数字を確認する。
次に、商談数や案件化率を見る。
そのうえで、リード数、CVR、CPA、クリック率、表示回数などの施策指標を見る。
最後に、認知やエンゲージメントなど中長期で効く数字を整理する。

この順番を持つだけで、マーケティングの数字はかなり見やすくなります。

数字を見る目的は、報告することではありません。
きれいなレポートを作ることでもありません。
上司や経営に説明するためだけでもありません。

本来、マーケティング指標は、次の意思決定をするためにあります。

・どの施策を伸ばすべきか
・どの施策を止めるべきか
・どこで顧客が離れているのか
・営業に渡すリードの質はどうか
・広告費は成果につながっているか
・中長期で育てるべき接点はどこか

こうした判断ができて、初めて数字を見る意味があります。

この記事では、マーケティング指標の優先順位をどう決めるかを、できるだけわかりやすく整理していきます。

具体的には、次の流れで見ていきます。

・指標が多すぎると、なぜ判断が遅くなるのか
・マーケティング指標が増えすぎる原因
・KGIから逆算して数字を見る考え方
・BtoBマーケティングで優先順位が高い指標
・優先順位を下げてもよい指標
・営業や経営と数字を共有する時のポイント
・数字を減らしても成果を落とさない考え方

この記事を読むと、マーケティングの数字を見る順番が整理できます。

「全部見なきゃ」と焦るのではなく、
「まずここを見る」
「次にここを確認する」
「この数字は毎回見なくてもいい」
と判断できるようになります。

数字が多すぎて苦しくなっている人ほど、安心してほしいです。

必要なのは、もっと多くの指標を追うことではありません。
見るべき数字の優先順位を決めることです。

数字を減らすことは、手を抜くことではありません。
むしろ、成果に近づくために、迷いを減らすことです。

マーケティングの数字に振り回されるのではなく、数字を使って意思決定できる状態を作る。

そのための考え方を、ここから順番に整理していきます。


マーケティング指標の優先順位を決める前に知っておきたいこと

マーケティング指標の優先順位を決める前に、まず理解しておきたいことがあります。

それは、数字は多ければ多いほど良いわけではないということです。

もちろん、数字を見ることは大切です。
感覚だけで判断すると、施策の良し悪しを見誤ります。
ただ、数字が多すぎると、逆に判断が遅くなります。

私も昔は、レポートに数字をたくさん入れるほど、ちゃんと分析しているような気がしていました。
でも実際には、数字が多すぎると会議で見る場所が散らばります。
結局、「どこが問題なのか」が見えにくくなります。

指標が多すぎると、なぜ判断が遅くなるのか

指標が多すぎると、まず起こるのは迷いです。

見る数字が多いと、どれが本当に重要なのかわからなくなります。
クリック率は上がっている。
でもCVRは下がっている。
リード数は増えている。
でも商談化率は落ちている。
アクセス数は増えている。
でも問い合わせは増えていない。

こういう状態になると、会議で話が広がります。

「クリック率は良いですね」
「でも商談につながっていませんね」
「アクセスは増えていますよね」
「ただ、リードの質はどうなんでしょう」

どれも正しい話です。
でも、優先順位がないと、結論が出ません。
結果として、次に何を改善するのかが曖昧になります。

マーケティングの数字は、見るだけでは意味がありません。
数字を見たあとに、何を変えるかが大事です。
指標が多すぎると、この意思決定が遅くなります。

判断を早くするには、最初に見る数字を決めておくことです。

まず受注につながっているかを見る。
次に商談につながっているかを見る。
その次にリードやCVを見る。
最後にクリック率や表示回数を見る。

こうした順番があると、会議でも話が整理されます。

数字が多いことより、判断できる順番になっていることが大切です。

すべての数字を同じ重要度で見てはいけない理由

マーケティングでは、さまざまな数字を見ます。

でも、すべての数字が同じ重要度ではありません。

売上に直結する数字もあれば、施策の途中経過を見る数字もあります。
短期で改善できる数字もあれば、中長期で育てる数字もあります。
経営が見るべき数字もあれば、現場担当者が毎日見るべき数字もあります。

これらを同じ重要度で扱うと、判断がぼやけます。

たとえば、受注数とSNSのいいね数を同じ重さで見るのは危険です。
もちろん、SNSの反応が将来的な認知につながることはあります。
でも、今月の売上改善を考える会議で最初に見るべき数字かというと、そうではないことが多いです。

逆に、認知施策を評価する時に、すぐ受注だけを見るのも危険です。
まだ比較検討に入っていない人に向けた施策なのに、短期の受注だけで判断すると、必要な施策まで切ってしまう可能性があります。

つまり、数字には役割があります。

・最終成果を見る数字
・途中経過を見る数字
・施策改善に使う数字
・中長期の変化を見る数字
・現場の行動を確認する数字

この役割を分けることが大切です。

すべてを同じ重要度で見るのではなく、目的に合わせて見る。
これが、マーケティング指標の優先順位を決める第一歩です。

マーケティング指標は「見るため」ではなく「意思決定するため」にある

マーケティング指標は、見るためにあるのではありません。

意思決定するためにあります。

この考え方は、とても大事です。

レポートを作ることに慣れてくると、数字を並べることが目的になりがちです。
先月比。
前年比。
媒体別。
施策別。
日別。
週別。
グラフ。
表。

たくさん並べると、しっかり仕事をしているように見えます。
でも、その数字を見て何も決まらないなら、レポートの価値は低くなります。

私はマーケティングの数字を見る時、「この数字を見て、何を決めるのか」を考えるようにしています。

広告費を増やすのか。
止める施策を決めるのか。
LPを改善するのか。
営業への引き渡し条件を変えるのか。
ナーチャリングの内容を見直すのか。
セミナーのテーマを変えるのか。

数字の先に意思決定があると、見るべき指標は自然に絞られます。

逆に、意思決定に使われていない数字は、優先順位を下げてもよい可能性があります。

「念のため見ている」
「昔からレポートに入っている」
「誰かが見るかもしれない」

こういう数字が増えると、レポートは重くなります。

数字を見る目的は、安心することではなく、次の行動を決めることです。

この前提を持つだけで、マーケティング指標の整理はかなり進みます。

優先順位がないチームほど、施策の振り返りが曖昧になる

マーケティング指標に優先順位がないチームでは、施策の振り返りが曖昧になりやすいです。

たとえば、展示会を実施したとします。
来場者数は多かった。
名刺もたくさん取れた。
アンケート回答も集まった。
メール配信の開封率も悪くない。
でも、商談につながった件数は少ない。

この時、どの数字を重視するかが決まっていないと、評価が割れます。

「名刺は多かったから成功です」
「いや、商談が少ないから失敗です」
「認知目的なら良かったのでは」
「でも営業から見ると質が低いです」

こうなると、次の改善が決まりません。

施策の振り返りで大事なのは、目的に対してどうだったかを見ることです。
商談創出が目的なら、商談数や商談化率を重視する。
認知が目的なら、接触数や記憶に残ったかを見る。
既存顧客との関係強化が目的なら、参加企業や面談化を見る。

目的と指標が合っていれば、振り返りは具体的になります。

優先順位がないと、都合のよい数字だけを見てしまうこともあります。
良い数字を探して「まあ良かった」とまとめてしまう。
悪い数字を避けて、次の打ち手を決めない。
これでは改善が進みません。

施策の振り返りを強くするには、最初に見る数字を決めておくことです。

マーケティング指標が増えすぎる原因

マーケティング指標は、気づくと増えています。

最初はシンプルだったはずです。
売上を見る。
問い合わせを見る。
リード数を見る。

でも、施策が増えると数字も増えます。
広告、SEO、セミナー、ホワイトペーパー、メール、SNS、展示会、ウェビナー。
それぞれに見るべき数字があるからです。

増えること自体が悪いわけではありません。
問題は、増えた数字を整理しないまま見続けることです。

部門ごとに見たい数字が違う

マーケティング指標が増える原因のひとつは、部門ごとに見たい数字が違うことです。

経営は売上や利益を見たい。
営業は商談数や受注確度を見たい。
マーケティングはリード数やCVRを見たい。
広告担当はクリック率やCPAを見たい。
コンテンツ担当はアクセス数や滞在時間を見たい。

どれも必要な数字です。
ただ、全部を同じレポートに入れると、何を一番見るべきかがわかりにくくなります。

部門ごとに関心が違うのは自然です。
経営は事業全体を見ています。
営業は今月、来月の案件を見ています。
マーケティングは将来の商談につながる接点も見ています。

だからこそ、誰が何を判断するための数字なのかを分ける必要があります。

経営向けには、売上や受注につながる数字を中心にする。
営業との会議では、商談化率やリードの質を中心にする。
マーケティング内では、施策別の改善指標を見る。

このように分けると、数字の見方が整理されます。

全部をひとつにまとめると、全員にとって少しずつ見にくいレポートになります。

部門ごとに見たい数字が違うからこそ、見る場面ごとに指標を分けることが大切です。

施策ごとにKPIを追加し続けてしまう

新しい施策を始めると、新しいKPIが増えます。

広告を始めると、表示回数、クリック率、CPAを見る。
セミナーを始めると、申込数、参加率、アンケート回答を見る。
メールを始めると、開封率、クリック率、配信停止率を見る。
ホワイトペーパーを作ると、ダウンロード数やCVRを見る。

それぞれの施策には、確かに見るべき数字があります。

ただ、施策が増えるたびにKPIを追加し続けると、全体が見えにくくなります。
施策ごとの数字は詳しくなる。
でも、事業成果とのつながりが見えなくなる。

これは、マーケティングでよく起きます。

広告は良かった。
メールも悪くない。
セミナーも集客できた。
でも、結局どれが商談や受注につながったのかがわからない。

こうなると、施策ごとの改善はできても、全体最適ができません。

KPIを追加する時は、必ず上位の目的とつなげる必要があります。

この施策は何のためにやるのか。
どのファネルを改善するのか。
最終的にどのKGIにつながるのか。
そのために、どの数字を見ればいいのか。

ここを確認せずにKPIだけ増やすと、数字の管理が重くなります。

施策ごとのKPIは必要です。
ただし、増やしたら整理する。
これが大切です。

レポートの数字が多いほど仕事をしているように見えてしまう

少し耳が痛い話ですが、レポートの数字が多いほど、仕事をしているように見えることがあります。

表がたくさんある。
グラフがたくさんある。
細かい数字まで入っている。
前月比も前年比もある。
媒体別も施策別もある。

こういうレポートを見ると、しっかり分析しているように感じます。

私も以前は、数字を減らすことに不安がありました。
「この数字も入れておいた方が安心かな」
「聞かれた時に答えられるようにしておこう」
「少ないと手を抜いていると思われないかな」

そう思って、レポートがどんどん重くなっていきました。

でも、実際の会議では、数字が多いほど議論が散らばります。
大事な論点にたどり着く前に時間が過ぎます。
結局、次の打ち手が曖昧なまま終わることもあります。

レポートは、情報量の多さを競うものではありません。

大切なのは、見た人が判断できることです。

・今、何が良いのか
・何が悪いのか
・どこを改善するのか
・誰が何をやるのか

これがわかるレポートの方が強いです。

数字を減らすことは、手を抜くことではありません。
むしろ、重要な判断に集中するための編集です。

レポートは、数字を並べる資料ではなく、意思決定を進める資料です。

経営、営業、マーケティングで重視する指標がそろっていない

マーケティング指標が増えすぎる背景には、経営、営業、マーケティングで重視する指標がそろっていないこともあります。

経営は売上を見ている。
営業は商談数を見ている。
マーケティングはリード数を見ている。

それぞれが違う数字を見ていると、会話がずれます。

マーケティングは「リードが増えました」と言う。
営業は「でも商談になりません」と言う。
経営は「売上にどう効いているのか」と聞く。

この状態では、マーケティングの成果が伝わりにくくなります。

大事なのは、部門ごとの数字を否定することではありません。
それぞれの数字をつなげることです。

リード数が増えた。
そのうち何件がMQLになった。
何件がSQLになった。
何件が商談になった。
何件が受注につながった。

このように流れで見ると、会話がそろいやすくなります。

マーケティング指標の優先順位を決める時は、自分たちだけで完結させない方がいいです。
営業や経営と一緒に、どの数字を重視するのかを確認する必要があります。

数字の定義と優先順位がそろうと、部門間の会話はかなり楽になります。

マーケティング指標の優先順位を決める基本の考え方

マーケティング指標の優先順位を決める時に、最初から細かい指標に入ると迷います。

クリック率は大事か。
CVRは大事か。
開封率は大事か。
アクセス数は大事か。

もちろん、どれも大事です。
ただ、最初に考えるべきなのは、最終的に何を達成したいのかです。

つまり、KGIから逆算することです。

まずKGIから逆算して見るべき指標を決める

マーケティング指標の優先順位を決める時は、まずKGIから考えます。

KGIとは、最終的に達成したいゴールです。
売上、受注数、契約数、利益、継続率などが入ります。

マーケティングの数字を見る時、いきなりクリック率やCVRから入ると迷いやすいです。
なぜなら、それらは途中の数字だからです。

まず見るべきは、最終成果にどうつながっているかです。

たとえば、BtoBマーケティングなら、次のように逆算できます。

・受注を増やしたい
・そのために商談数を増やしたい
・そのために質の高いリードを増やしたい
・そのためにCV数を増やしたい
・そのためにサイト流入や広告クリックを改善したい

この流れで見ると、数字の上下関係が見えてきます。

クリック率が上がっても、CVにつながらなければ課題があります。
CVが増えても、商談にならなければ課題があります。
商談が増えても、受注しなければ別の課題があります。

KGIから逆算すると、数字を見る順番が決まります。

まず最終成果を見る。
次に、その手前の成果を見る。
さらに、その前の行動を見る。

この順番です。

マーケティングの数字を見る順番は、KGIから逆にたどると整理しやすくなります。

売上に近い指標と遠い指標を分ける

マーケティング指標は、売上に近い指標と遠い指標に分けると見やすくなります。

売上に近い指標には、受注数、商談数、案件化率、SQL数などがあります。
売上から少し遠い指標には、リード数、CVR、広告クリック数、サイト流入数などがあります。
さらに遠い指標には、認知、SNS反応、記事閲覧数、広告表示回数などがあります。

遠い指標が不要という意味ではありません。
むしろ、将来の成果を作るために必要です。

ただし、今すぐ売上を改善したい会議で、遠い指標ばかり見ていると判断が遅れます。

たとえば、受注が足りない時に、最初に見るべきなのはSNSのいいね数ではないかもしれません。
まずは商談数が足りないのか、商談化率が低いのか、受注率が低いのかを見る必要があります。

逆に、将来のリード不足を防ぎたいなら、認知や流入の数字を見る必要があります。

売上に近い数字は、短期の成果判断に使います。
売上から遠い数字は、中長期の育成や施策改善に使います。

この役割を分けると、数字の扱い方が変わります。

売上に近い数字ほど優先度は高くなりやすい。
ただし、売上から遠い数字も、将来の成果を作るために必要です。

このバランスを持つことが大切です。

成果指標と行動指標を混同しない

マーケティング指標には、成果指標と行動指標があります。

成果指標は、結果を示す数字です。
売上、受注数、商談数、CV数などが入ります。

行動指標は、成果を作るための活動量や途中経過を示す数字です。
広告配信数、メール送信数、記事公開数、架電数、セミナー開催数などが入ります。

この2つを混同すると、判断を間違えます。

たとえば、記事をたくさん公開している。
メールをたくさん配信している。
広告の表示回数が増えている。

これは行動としては増えています。
でも、それが成果につながっているかは別です。

逆に、成果だけを見て行動指標を見ないのも危険です。
商談数が減っている時、そもそもリードへのフォローが足りていないのかもしれません。
メールの配信数が減っているのかもしれません。
セミナー後の追客が遅れているのかもしれません。

成果指標は、結果を見るために使います。
行動指標は、何を変えれば結果が動くかを見るために使います。

マーケティングの数字を見る時は、両方を見る必要があります。
ただし、同じ意味で扱ってはいけません。

成果指標は結果。
行動指標は改善の入口。

この違いを意識すると、数字の見方が整理されます。

短期で見る指標と中長期で見る指標を分ける

マーケティングには、短期で見る指標と中長期で見る指標があります。

短期で見る指標は、すぐに改善判断に使う数字です。
広告のCPA、CVR、クリック率、LPのCV数、セミナー申込数などが入ります。

中長期で見る指標は、時間をかけて効いてくる数字です。
認知、検索流入、指名検索、メールリストの反応、ナーチャリングの進み具合などです。

この2つを混同すると、施策の評価を間違えます。

たとえば、認知施策を始めてすぐに受注だけで判断すると、効果が見えにくいです。
一方で、広告のように短期改善ができる施策を、中長期だからと言って放置するのも危険です。

指標には、見るタイミングがあります。

毎日見るべき数字。
週次で見るべき数字。
月次で見るべき数字。
四半期で見るべき数字。

これを分けるだけで、数字に振り回されにくくなります。

短期指標は、改善スピードを上げるために見ます。
中長期指標は、方向性が合っているかを見るために使います。

短期の数字だけを見ると、育てる施策が弱くなります。
中長期の数字だけを見ると、改善が遅くなります。

両方を分けて見ることが大切です。

最初に整理すべきマーケティング指標

マーケティング指標を整理する時は、最初に大きな流れを作るとわかりやすいです。

いきなり細かい数字を見るのではなく、成果に近いところから順番に見ます。

売上や受注。
商談数や案件化率。
リード獲得数やCVR。
広告費やCPA。
認知やエンゲージメント。

この順番で整理すると、数字の役割が見えます。

売上や受注につながる最重要指標

最初に見るべきなのは、売上や受注につながる最重要指標です。

マーケティングは、最終的には事業成果につながる必要があります。
BtoBであれば、受注数、受注金額、商談からの受注率、受注単価などが重要になります。

もちろん、マーケティングだけで受注が決まるわけではありません。
営業の力、商品力、価格、競合状況、導入タイミングも関係します。

それでも、マーケティングが売上や受注を見なくてよいということにはなりません。

むしろ、マーケティングが受注に近い数字を見ていないと、施策が自己満足になりやすいです。

リード数は増えた。
セミナー参加者も増えた。
広告クリックも増えた。
でも受注につながっていない。

この状態では、どこかにズレがあります。

売上や受注に近い数字を見ることで、マーケティング施策の本当の貢献が見えてきます。

まずは、最終成果につながっているかを見る。
そのうえで、足りない部分を分解する。

これが基本です。

商談数や案件化率など営業と共有すべき指標

次に重要なのが、営業と共有すべき指標です。

BtoBマーケティングでは、マーケティングだけで成果が完結することは少ないです。
リードを獲得し、営業につなぎ、商談になり、受注に進みます。

そのため、マーケティングと営業の間を見る指標が重要です。

たとえば、商談数、案件化率、商談化率、SQL数、営業が対応した件数などです。

リード数だけを見ると、マーケティングの成果は良く見えることがあります。
でも、営業が「このリードは追いにくい」と感じていれば、成果にはつながりません。

営業と共有する数字では、量と質の両方を見ることが大切です。

・リードは何件あるか
・そのうち営業が追うべきリードは何件か
・実際に商談になったのは何件か
・商談にならなかった理由は何か
・どの施策経由のリードが良いか

ここまで見ると、マーケティングと営業の会話が具体的になります。

「リードが多いか少ないか」だけではなく、
「どのリードを増やすべきか」
「どの条件なら営業に渡すべきか」
という話ができます。

BtoBでは、営業と共有できる指標ほど優先順位が高くなります。

リード獲得数やCVRなどマーケティング施策の指標

リード獲得数やCVRは、マーケティング施策を見るうえで重要な指標です。

どれだけの人が資料をダウンロードしたか。
問い合わせしたか。
セミナーに申し込んだか。
フォームを通過したか。

こうした数字を見ることで、施策の入口が機能しているかがわかります。

ただし、リード獲得数だけを見てはいけません。

リードが増えても、商談につながらなければ改善が必要です。
CVRが高くても、対象外の人ばかりなら注意が必要です。
逆にリード数が少なくても、質が高ければ価値があります。

リード獲得数やCVRは、マーケティングの途中成果です。
大事ですが、最終成果ではありません。

見る時は、必ず後ろの数字とセットで見ましょう。

・リード獲得数
・CVR
・MQL化率
・SQL化率
・商談化率
・受注率

この流れで見ると、リードの質がわかります。

広告やLPの改善では、CVRはとても重要です。
でもBtoBでは、CVRだけを上げるとリードの質が下がることもあります。

リード数とCVRは、商談化率とセットで見る。

これが大切です。

広告費やCPAなど投資対効果を見る指標

広告を使っているなら、広告費やCPAも重要です。

CPAは、1件のCVを獲得するのにかかった費用です。
広告費を使う以上、どれくらい効率よくリードを獲得できているかを見る必要があります。

ただ、CPAだけで判断するのは危険です。

CPAが安くても、商談につながらなければ意味が薄いです。
CPAが高くても、受注単価が高く、商談化率も高いなら十分に投資価値がある場合があります。

私も広告を見る時、CPAだけで良し悪しを決めないようにしています。
その後の商談化率や受注単価まで見ると、見え方が変わることがあるからです。

広告費を見る時は、次のように考えます。

・いくら使ったか
・何件CVしたか
・CPAはいくらか
・何件商談になったか
・商談単価はいくらか
・受注につながったか

ここまで見ると、広告の投資対効果が見えます。

CPAは大事です。
ただし、CPAは入口の効率です。
事業成果まで見るには、その後の質も必要です。

広告費は、安く獲得できたかではなく、成果につながる獲得だったかで見ることが大切です。

認知やエンゲージメントなど中長期で効く指標

認知やエンゲージメントの指標は、短期成果だけでは評価しにくいです。

SNSの反応。
記事の閲覧数。
指名検索。
メールの反応。
ウェビナー参加後の継続接触。
サイト再訪問。

こうした数字は、すぐ受注に直結しないこともあります。
でも、中長期では重要です。

BtoBでは、検討期間が長いことが多いです。
今日広告を見た人が、すぐ問い合わせるとは限りません。
数週間後、数カ月後に比較検討に入ることもあります。

そのため、認知や関係構築の数字をまったく見ないのは危険です。

ただし、認知指標を最重要指標のように扱うのも違います。

認知やエンゲージメントは、中長期の土台を見るための数字です。
短期の売上判断とは分けて見る必要があります。

見方としては、次のように整理できます。

・指名検索が増えているか
・継続的に接触できる人が増えているか
・メールやコンテンツへの反応があるか
・セミナー後に次の行動につながっているか
・将来の商談につながる接点が増えているか

中長期指標は、すぐに切り捨てるものではありません。
ただし、目的と期間を決めて見ることが大切です。

BtoBマーケティングで優先順位が高い指標

BtoBマーケティングでは、優先順位が高い指標が比較的はっきりしています。

それは、受注や商談に近い指標です。

BtoBでは、リードを獲得して終わりではありません。
営業につながり、商談になり、案件化し、受注して初めて成果になります。

だからこそ、リード数だけではなく、その後の流れを見る必要があります。

最終的に受注につながっているかを見る指標

BtoBマーケティングで最も大切なのは、最終的に受注につながっているかです。

どの施策が受注に貢献しているのか。
どのチャネルから来たリードが商談になりやすいのか。
どのコンテンツを見た人が案件化しやすいのか。

ここを見ることで、マーケティングの本当の貢献が見えてきます。

リード数だけを見ると、派手な施策が良く見えることがあります。
たくさん集客できるセミナー。
大量にDLされるホワイトペーパー。
クリックされやすい広告。

でも、受注につながらなければ、優先順位は見直す必要があります。

もちろん、すべての施策がすぐ受注につながるわけではありません。
認知施策やナーチャリング施策は、時間がかかります。

それでも、最終的に受注につながる道筋があるかは見ておくべきです。

受注につながる指標を見る時は、施策単体ではなく、流れで見るのが大切です。

・どの接点で初回流入したか
・どの資料を見たか
・どのタイミングでMQLになったか
・営業がいつ接触したか
・商談化したか
・受注したか

この流れを追うと、強い施策と弱い施策が見えてきます。

BtoBマーケティングでは、最終的な受注へのつながりを見ないと、優先順位を間違えやすくなります。

リード数よりも商談化率を重視すべき場面

リード数はわかりやすい数字です。

増えると嬉しいです。
会議でも報告しやすいです。
マーケティングが動いている感じも出ます。

でも、BtoBではリード数だけを追うと危険です。

リード数は増えているのに、営業が追ってくれない。
追っても商談にならない。
商談になっても受注しない。

こういう状態になることがあります。

この時に見るべきなのが商談化率です。

商談化率は、獲得したリードのうち、どれだけが商談になったかを示します。
この数字を見ると、リードの質がわかります。

たとえば、A施策は100件のリードを獲得して商談5件。
B施策は30件のリードを獲得して商談10件。
リード数だけならA施策が良く見えます。
でも、商談化率で見るとB施策の方が強いです。

BtoBでは、営業工数も限られています。
質の低いリードを大量に渡すと、営業の負担が増えます。
その結果、マーケティングへの信頼が落ちることもあります。

リード数を増やすことは大事です。
ただし、商談化率とセットで見ましょう。

量を増やす段階なのか。
質を上げる段階なのか。

ここを判断するために、商談化率は非常に重要です。

MQLやSQLを使って営業との接続を見える化する

BtoBマーケティングでは、MQLやSQLを使うと営業との接続が見えやすくなります。

MQLは、マーケティングが営業に渡す価値があると判断したリードです。
SQLは、営業が対応すべきと判断したリードです。

この2つを使うと、リード獲得から商談までの流れが整理できます。

ただし、言葉だけ導入しても意味はありません。
大事なのは、定義をそろえることです。

何をもってMQLとするのか。
どの条件ならSQLになるのか。
営業はどのタイミングで接触するのか。
対応しなかったリードはどう扱うのか。

ここが曖昧だと、MQLやSQLという言葉だけが増えます。

マーケティングは「MQLを渡しました」と言う。
営業は「これはまだ追えません」と言う。
結果として、部門間のズレが残ります。

MQLやSQLを使うなら、営業と一緒に基準を決める必要があります。

・役職
・企業規模
・課題の明確さ
・資料の種類
・セミナー参加状況
・サイト内行動
・問い合わせ内容

こうした条件を見ながら、どのリードを優先するかを決めます。

MQLやSQLは、数字を増やすための言葉ではなく、営業との接続をよくするための仕組みです。

ホワイトペーパーやセミナーの成果をどう評価するか

ホワイトペーパーやセミナーは、BtoBマーケティングでよく使われます。

ただ、評価が難しい施策でもあります。

ダウンロード数が多ければ成功なのか。
申込数が多ければ成功なのか。
参加率が高ければ成功なのか。
商談につながらなければ失敗なのか。

ここを曖昧にすると、振り返りが難しくなります。

ホワイトペーパーを見る時は、ダウンロード数だけでは不十分です。

・誰がダウンロードしたか
・どのテーマに反応したか
・その後メールに反応したか
・営業接触につながったか
・商談になったか

ここまで見ると、資料の価値が見えてきます。

セミナーも同じです。

申込数だけでなく、参加率、アンケート内容、参加後の行動、商談化率を見る必要があります。

特にBtoBでは、セミナー直後にすぐ商談になる人もいれば、数カ月後に動く人もいます。
そのため、短期の商談数だけで評価すると、見落とす部分があります。

目的によって評価指標を変えることが大切です。

・新規リード獲得が目的
・既存リードの育成が目的
・商談創出が目的
・顧客との関係強化が目的

目的が違えば、見る数字も違います。

ホワイトペーパーやセミナーは、単発のCV数ではなく、その後の流れで評価しましょう。

ナーチャリング施策で見るべき中間指標

ナーチャリング施策は、すぐに成果が見えにくいです。

メールを送る。
記事を読んでもらう。
セミナーに参加してもらう。
資料を見てもらう。
少しずつ関係を深める。

この流れは大切ですが、すぐ受注につながるとは限りません。

だからこそ、中間指標を見る必要があります。

たとえば、メール開封率、クリック率、再訪問率、追加資料のダウンロード、セミナー参加、スコアの上昇などです。

ただし、これらも見すぎると迷います。

大事なのは、次の行動につながっているかです。

メールを開封しただけでは弱い。
クリックして記事を読んだなら少し前進。
追加資料をダウンロードしたなら関心が高まっている。
セミナーに参加したなら、さらに温度感が上がっている。

このように、段階で見るとわかりやすいです。

ナーチャリングでは、いきなり受注だけを見るのではなく、関心が深まっているかを見ます。
ただし、いつまでも中間指標だけを見ていてもいけません。
最終的には商談や受注につながる道筋を確認する必要があります。

ナーチャリングの数字は、今すぐの成果ではなく、次に進む兆しを見るためのものです。

優先順位を下げてもよいマーケティング指標

マーケティング指標を整理する時は、何を重視するかだけでなく、何の優先順位を下げるかも大切です。

すべてを追い続けると、チームの時間も集中力も足りなくなります。

優先順位を下げる数字は、不要な数字とは限りません。
ただ、毎回見る必要がない数字です。
また、今の意思決定に使われていない数字です。

施策改善に使われていない数字

まず優先順位を下げてもよいのは、施策改善に使われていない数字です。

レポートには載っている。
でも、誰もその数字を見て改善していない。
会議でも話題にならない。
悪くなっても、何も変わらない。

こういう数字は、一度見直した方がいいです。

数字は、見るだけで価値が出るわけではありません。
その数字を見て、次の行動が変わるから価値があります。

たとえば、毎週細かいページ別アクセス数を見ているとします。
でも、その数字を見ても記事改善や導線改善に使っていない。
それなら、毎週見る必要はないかもしれません。

もちろん、分析のために必要な時はあります。
ただし、常に優先度高く見る必要はありません。

判断基準はシンプルです。

「この数字が悪くなったら、何を変えるのか」

答えられないなら、優先順位を下げる候補です。

改善に使われない数字は、レポートを重くするだけになることがあります。

見ても次の行動が変わらない数字

見ても次の行動が変わらない数字も、優先順位を下げてよい可能性があります。

たとえば、毎回確認しているけれど、良くても悪くても特に何もしない数字です。
数字としては存在している。
でも、意思決定には使っていない。

こういう数字は意外と多いです。

昔から見ているから残っている。
前任者が見ていたから残っている。
レポートテンプレートに入っているから残っている。
誰かに聞かれるかもしれないから残っている。

これらは、すべて悪いわけではありません。
ただ、優先順位は低いです。

マーケティングの現場では、時間が限られています。
すべての数字を深く見ることはできません。
だからこそ、行動が変わる数字に集中する必要があります。

たとえば、CPAが上がったら広告予算配分を変える。
商談化率が下がったらリードの条件を見直す。
CVRが下がったらLPやフォームを改善する。
メールクリック率が下がったら訴求や件名を見直す。

このように、数字と行動がつながっている指標は重要です。

逆に、見ても何も変わらない数字は、毎回の会議で扱う必要はありません。

数字を見る前に、その数字で何を決めるのかを決めましょう。

目的が曖昧なまま追っているアクセス数や表示回数

アクセス数や表示回数は、よく見られる数字です。

サイトに何人来たか。
広告が何回表示されたか。
記事が何回読まれたか。

これらは大切な数字です。
ただし、目的が曖昧なまま追うと、意味がぼやけます。

アクセス数が増えた。
でも問い合わせは増えていない。
表示回数は増えた。
でもクリックされていない。
記事は読まれた。
でも次の行動につながっていない。

この場合、アクセス数や表示回数だけを喜ぶのは危険です。

もちろん、認知目的なら表示回数は重要です。
SEOで上位表示を狙うならアクセス数も重要です。
ただ、目的がリード獲得や商談創出なら、その後の行動まで見る必要があります。

アクセス数を見る時は、必ず問いをセットにしましょう。

・どんな人が来ているのか
・どのページに来ているのか
・次にどこへ進んでいるのか
・CVにつながっているのか
・商談につながる可能性があるのか

表示回数も同じです。

見られた回数だけではなく、見られた後に何が起きたかを見る必要があります。

アクセス数や表示回数は入口の数字です。
入口だけで成果を判断しないことが大切です。

現場の意思決定につながっていない細かすぎる指標

細かすぎる指標も、優先順位を下げる候補です。

たとえば、毎週の会議で細かいページ別、媒体別、時間帯別、デバイス別、地域別の数字をすべて見るようなケースです。

分析として必要な場面はあります。
ただ、毎回すべてを見ると、話が細かくなりすぎます。

現場の意思決定に必要な粒度と、分析に必要な粒度は違います。

会議では、大きな判断をする必要があります。
どの施策を伸ばすか。
どこを改善するか。
どの予算を見直すか。
営業との連携をどう変えるか。

この判断に必要な数字を中心に見るべきです。

細かい指標は、問題が見つかった時に深掘りするために使えば十分な場合があります。

たとえば、CVRが下がった。
その原因を調べるために、デバイス別や流入別を見る。
広告CPAが上がった。
その原因を見るために、媒体別やクリエイティブ別を見る。

このように、細かい指標は常時見るものではなく、深掘りの時に使うものとして整理できます。

細かい数字を減らすのではなく、見るタイミングを決めることが大切です。

マーケティング指標を整理する具体的な手順

マーケティング指標を整理する時は、いきなり「何を消すか」から考えない方がいいです。

まず、今ある数字を全部見える状態にします。
そのうえで、何に使っているかを確認します。
KGIとのつながりを見ます。
重要度と確認頻度で分けます。

この順番で進めると、無理なく整理できます。

現在追っている指標をすべて洗い出す

最初にやることは、現在追っている指標をすべて洗い出すことです。

レポートに入っている数字。
会議で見ている数字。
広告管理画面で見ている数字。
MAやCRMで見ている数字。
営業と共有している数字。
経営に報告している数字。

まず全部出します。

この段階では、良い悪いを判断しなくて大丈夫です。
とにかく見える化することが大切です。

洗い出してみると、思った以上に数字が多いことに気づきます。

同じような意味の数字が重複していることもあります。
昔は必要だったけれど、今は使っていない数字もあります。
担当者ごとに別々の数字を見ていることもあります。

洗い出しをすることで、指標が増えすぎている原因が見えます。

おすすめは、表にして整理することです。

・指標名
・見ている部門
・確認頻度
・目的
・次の行動
・KGIとのつながり

このように書くと、数字の役割が見えます。

整理の第一歩は、減らすことではなく、全部見える状態にすることです。

それぞれの指標が何の判断に使われているか確認する

指標を洗い出したら、次に確認するのは、その数字が何の判断に使われているかです。

ここが一番大事です。

数字には、必ず役割があるべきです。
広告予算を変えるため。
LPを改善するため。
営業に渡す条件を見直すため。
セミナーのテーマを決めるため。
メールの内容を変えるため。
経営に進捗を報告するため。

何かの判断に使われているなら、その数字には意味があります。

逆に、何の判断にも使われていないなら、優先順位を下げる候補になります。

この確認をすると、意外なことに気づきます。

毎週見ているのに、誰も行動を変えていない数字があります。
レポートにあるけれど、会議で一度も話題にならない数字があります。
担当者だけが見ていて、チームの意思決定にはつながっていない数字があります。

こうした数字は、なくすというより、見る頻度や場所を変えるとよいです。

毎週見る必要はない。
月次でよい。
問題が起きた時だけ深掘りすればよい。
担当者の分析用に残せばよい。

このように整理できます。

指標の価値は、数字そのものではなく、何の判断に使われるかで決まります。

KGIとのつながりが弱い指標を見直す

次に、KGIとのつながりが弱い指標を見直します。

KGIとつながっていない数字がすべて不要という意味ではありません。
ただ、優先順位は下がります。

たとえば、サイトのアクセス数が増えているとします。
でも、そのアクセスがリード獲得にも商談にもつながっていないなら、最重要指標として扱うのは難しいです。

広告のクリック率が高い。
でもCVにも商談にもつながっていない。
この場合も、クリック率だけを追い続けるのは危険です。

KGIとのつながりを見る時は、ファネルで考えると整理しやすいです。

・認知
・流入
・CV
・MQL
・SQL
・商談
・受注

その指標が、どの段階を示しているのかを確認します。

売上から遠い指標は、目的と役割をはっきりさせる必要があります。

認知を広げるためなのか。
将来のリードを育てるためなのか。
比較検討に進ませるためなのか。
営業接触のきっかけにするためなのか。

目的が説明できるなら残す価値があります。
説明できないなら、見直すべきです。

KGIとのつながりを言葉にできない数字は、優先順位を下げる候補です。

重要度と確認頻度で指標を分類する

指標を整理する時は、重要度と確認頻度で分類するとわかりやすいです。

重要な数字でも、毎日見る必要があるとは限りません。
逆に、細かい数字でも、日々の運用には必要なものがあります。

たとえば、広告のクリック率やCPAは、運用担当者が頻繁に見る必要があります。
でも経営会議で毎回細かく見る必要はないかもしれません。

受注数や商談数は重要です。
ただ、毎日細かく見るより、週次や月次で見た方が判断しやすいこともあります。

分類する時は、次のように考えます。

・毎日見る数字
・週次で見る数字
・月次で見る数字
・四半期で見る数字
・問題が起きた時だけ見る数字

この分け方をすると、レポートも会議も軽くなります。

すべての数字を毎回見る必要はありません。
必要なタイミングで見ればいいのです。

重要度が高く、頻繁に見るべき数字は、チーム全員で共有します。
重要だけれど頻度が低い数字は、定例のタイミングで見ます。
細かい数字は、担当者が必要に応じて深掘りします。

指標は、重要度だけでなく確認頻度まで決めて初めて使いやすくなります。

チームで共通認識を持つ指標だけを残す

最後に、チームで共通認識を持つ指標を残します。

マーケティング指標は、ひとりで見ていても限界があります。
チームで同じ数字を見て、同じ理解を持つことが大切です。

たとえば、MQLという言葉を使っていても、人によって意味が違うことがあります。
ある人は資料ダウンロードした人をMQLと考えている。
別の人は、スコアが一定以上の人をMQLと考えている。
営業は、商談見込みがある人だけをMQLだと思っている。

これでは会話がずれます。

指標を残す時は、定義をそろえましょう。

・その指標は何を意味するのか
・どう計算するのか
・誰が見るのか
・どの頻度で見るのか
・悪化したら何をするのか

ここまで決めると、数字がチームの共通言語になります。

共通認識がない数字は、誤解を生みます。
同じ数字を見ているのに、違う解釈をするからです。

マーケティング指標を整理する目的は、数字を減らすことだけではありません。
チームで同じ方向を向くことです。

共通認識を持てる数字だけを中心に残すと、チームの会話がかなり具体的になります。

指標の優先順位を決める時に使える分類方法

指標の優先順位を決める時は、分類方法を持っておくと便利です。

数字をただ並べるのではなく、役割ごとに分ける。
見る人ごとに分ける。
見る頻度ごとに分ける。
改善できるかどうかで分ける。

分類できると、数字に振り回されにくくなります。

経営が見る指標と現場が見る指標を分ける

まず、経営が見る指標と現場が見る指標を分けます。

経営が知りたいのは、事業成果にどうつながっているかです。
売上、受注、利益、商談数、投資対効果などが中心になります。

一方、現場が見る指標は、もっと細かくなります。
広告のクリック率、CPA、LPのCVR、メール開封率、セミナー参加率などです。

どちらも大事です。
ただ、同じ場所で同じ深さで見る必要はありません。

経営会議で細かい広告クリック率の話ばかりしても、意思決定につながりにくいです。
逆に、現場が受注数だけ見ても、具体的な改善点が見えません。

見る人によって、必要な粒度は違います。

経営には、全体の成果と投資判断に必要な数字を出す。
現場では、施策改善に必要な数字を深く見る。

この分け方をすると、報告も改善も整理されます。

経営向けの数字と現場向けの数字を混ぜすぎないことが大切です。

毎日見る指標、週次で見る指標、月次で見る指標を分ける

次に、見る頻度で分けます。

マーケティングの数字には、毎日見るべきものと、月次で十分なものがあります。

広告運用の数字は、比較的短い頻度で見る必要があります。
配信が止まっていないか。
CPAが急に悪化していないか。
CVが取れているか。
こうした数字は日次や週次で見ます。

一方で、受注や商談化率は、ある程度まとまった期間で見た方がよい場合があります。
日々のブレが大きいからです。

認知や指名検索などは、さらに中長期で見ることが多いです。
毎日見ても、大きな判断はしにくいです。

見る頻度を分けると、数字への向き合い方が変わります。

・日次は異常検知
・週次は改善判断
・月次は成果確認
・四半期は方針見直し

このように役割を決めると、レポートもシンプルになります。

すべてを毎日見る必要はありません。
すべてを月次だけで見るのも遅すぎます。

指標は、動くスピードに合わせて見る頻度を決めることが大切です。

改善できる指標と結果として受け止める指標を分ける

指標には、自分たちが直接改善しやすいものと、結果として受け止めるものがあります。

たとえば、広告のキャッチコピーを変えればクリック率は改善できる可能性があります。
LPを改善すればCVRが変わる可能性があります。
フォーム項目を減らせば完了率が上がる可能性があります。

これらは改善できる指標です。

一方で、受注数や売上は、マーケティングだけで直接動かすことは難しいです。
営業、商品、価格、競合、タイミングなども関係します。

もちろん、受注数や売上は重要です。
ただ、悪かった時にマーケティングが何を変えられるのかまで分解する必要があります。

結果指標だけを見ていると、「売上が足りません」で終わります。
改善できる指標まで落とすと、「商談化率を上げるために、リード条件を見直そう」となります。

この違いは大きいです。

マーケティングの数字を見る時は、結果を確認したあとに、改善できる指標へ分解しましょう。

・売上が足りない
・受注数が足りない
・商談数が足りない
・MQLからSQLへの転換が弱い
・CV数が足りない
・広告のCVRが低い

このように分解すると、打ち手が見えます。

結果を見るだけで終わらず、自分たちが改善できる数字まで戻ることが大切です。

先行指標と遅行指標を分ける

先行指標と遅行指標を分けることも重要です。

遅行指標は、結果として後からわかる数字です。
売上、受注、商談数などが入ります。

先行指標は、その結果に先立って動く数字です。
リード数、MQL数、商談設定数、セミナー参加後の反応、サイト再訪問などが入ります。

遅行指標だけを見ていると、気づいた時には遅いことがあります。

売上が足りないとわかった時には、すでに今月の改善が難しい。
受注が少ないとわかった時には、前段階の商談数が足りていなかった。
商談数が少ないとわかった時には、その前のMQLが足りていなかった。

こういうことが起こります。

だから、先行指標を見ることが大事です。

たとえば、商談数を増やしたいなら、その前のSQL数を見る。
SQL数を増やしたいなら、MQL数を見る。
MQL数を増やしたいなら、CV数や資料DL後の行動を見る。

先行指標は、早めに異変に気づくための数字です。

ただし、先行指標だけを追ってもいけません。
最終的に遅行指標につながっているかを見る必要があります。

先行指標で早く気づき、遅行指標で成果を確認する。

この組み合わせが大切です。

施策別ではなくファネル別に整理する

指標を施策別だけで見ると、全体像が見えにくくなることがあります。

広告は広告。
SEOはSEO。
セミナーはセミナー。
メールはメール。
展示会は展示会。

このように施策別に見ると、各施策の良し悪しはわかります。
でも、顧客がどの段階で止まっているかは見えにくいです。

そこで、ファネル別に整理します。

・認知
・興味関心
・比較検討
・リード獲得
・MQL
・SQL
・商談
・受注

この流れで見ると、どこが詰まっているかがわかります。

たとえば、アクセスはあるのにCVが少ないなら、リード獲得の導線に課題があります。
リードは多いのに商談化しないなら、リードの質や営業連携に課題があります。
商談はあるのに受注しないなら、提案内容やターゲット設定に課題があるかもしれません。

施策別の数字は必要です。
ただし、最終的にはファネル全体で見る必要があります。

施策別に細かく見る前に、ファネルのどこが弱いのかを確認する。

これが、マーケティング指標を見る順番として重要です。

マーケティング指標を営業と共有する時のポイント

BtoBマーケティングでは、営業との連携がとても重要です。

マーケティングが数字を見ていても、営業と共有できていなければ成果につながりにくいです。

リードを渡した。
でも営業が追っていない。
営業は追った。
でも商談になっていない。
マーケティングは数を見ている。
営業は質を見ている。

こうしたズレを減らすには、共有する指標を絞ることが大切です。

営業が使いやすい指標に絞る

営業と共有する数字は、営業が使いやすいものに絞る必要があります。

マーケティング側が見たい数字を全部共有しても、営業にとって使いにくいことがあります。
クリック率やメール開封率を細かく共有しても、営業が次に何をすればいいかわからない場合があります。

営業が知りたいのは、行動につながる情報です。

・どのリードを優先すべきか
・どんな課題を持っていそうか
・どの資料を見ているか
・どのセミナーに参加したか
・どれくらい温度感が高いか
・いつ接触すべきか

こうした情報があると、営業は動きやすくなります。

つまり、営業と共有する指標は、営業活動に使える形にする必要があります。

リード数だけでは不十分です。
スコアだけでも不十分です。
具体的な行動履歴や関心テーマとセットで共有する方が使いやすいです。

私も営業と話す時は、「マーケティング的には良い数字です」だけでは伝わりにくいと感じます。
営業が知りたいのは、「誰に、何を話せばよいか」です。

営業と共有する指標は、報告用ではなく、営業が次の行動を決めるためのものにすることが大切です。

リード数だけでなくリードの質も共有する

営業と数字を共有する時は、リード数だけでなくリードの質も見る必要があります。

リードが100件あります。
これだけでは、営業は判断しにくいです。

その100件のうち、どれが優先なのか。
どの企業規模なのか。
どんな課題を持っていそうなのか。
どの資料に反応したのか。
過去に接点があるのか。

ここまで見えると、営業は動きやすくなります。

リードの質を見る時は、いくつかの観点があります。

・企業規模
・業種
・役職
・部署
・行動履歴
・課題の明確さ
・資料やセミナーのテーマ
・過去の商談履歴

リード数が多くても、対象外が多ければ営業の負担になります。
リード数が少なくても、質が高ければ価値があります。

マーケティングが「リード数は増えました」と言い、営業が「でも質が低いです」と言う。
このすれ違いは本当によくあります。

だから、最初から質を含めて共有することが大切です。

BtoBでは、リードの数よりも、営業が追う価値のあるリードかどうかが重要です。

商談化しなかった理由まで指標と合わせて見る

商談化率を見る時は、商談化しなかった理由まで見ることが大切です。

数字だけを見ると、商談化率が低いことはわかります。
でも、なぜ低いのかはわかりません。

予算がないのか。
時期が合わないのか。
対象外なのか。
課題が弱いのか。
営業の接触が遅いのか。
コンテンツの訴求がズレているのか。

理由によって、改善策は変わります。

たとえば、対象外リードが多いなら、広告やコンテンツのターゲットを見直す必要があります。
時期が合わないだけなら、ナーチャリングに回すべきです。
営業接触が遅いなら、引き渡しのルールを変える必要があります。

商談化しなかった理由は、マーケティング改善の宝の山です。

営業に聞くと、数字だけでは見えないことがわかります。

「この資料経由の人は情報収集だけが多いです」
「このセミナー参加者は課題感が強いです」
「この広告経由は企業規模が合っていません」

こうした声は、指標とセットで見ると強いです。

商談化率は、数字だけでなく理由まで見ることで改善につながります。

マーケティングと営業で定義をそろえる

マーケティングと営業で指標を共有する時に、一番大事なのが定義です。

同じ言葉を使っていても、意味が違うことがあります。

リードとは何か。
MQLとは何か。
SQLとは何か。
商談とは何か。
案件化とは何か。
受注見込みとは何か。

ここがズレていると、数字を見ても会話がかみ合いません。

マーケティングは「MQLを50件渡しました」と言う。
営業は「追うべきリードは10件しかありません」と言う。
このようなズレは、定義が違う時に起こります。

定義をそろえるには、営業と一緒に基準を決める必要があります。

・どの行動をしたらMQLとするのか
・どの条件を満たしたら営業に渡すのか
・営業は何日以内に接触するのか
・商談にならなかったリードはどう戻すのか
・ナーチャリングに回す条件は何か

ここまで決めると、数字が実務に使えるようになります。

定義が曖昧な数字は、レポート上ではきれいでも現場で使いにくいです。

営業とマーケティングで同じ言葉を同じ意味で使う。
これだけで、指標の価値は大きく変わります。

数字の報告ではなく次の打ち手まで話す

営業と数字を共有する時は、数字の報告で終わらせないことが大切です。

「リードが何件でした」
「商談化率が何パーセントでした」
「CPAがいくらでした」

これだけでは、次に進みにくいです。

大事なのは、その数字を見て何をするかです。

リードの質が低いなら、ターゲットや訴求を変える。
商談化率が低いなら、引き渡し条件を見直す。
営業接触が遅いなら、対応ルールを変える。
特定の資料経由の商談化率が高いなら、そのテーマを増やす。

数字のあとに打ち手まで話すと、会議の質が変わります。

マーケティングと営業の会議では、責任の押し付け合いにならないことも大事です。

マーケは「営業が追ってくれない」と言う。
営業は「マーケのリードが悪い」と言う。
これでは前に進みません。

共通の数字を見ながら、どこを改善すれば成果に近づくかを話す。
この姿勢が大切です。

数字は、報告するためではなく、次の打ち手を決めるために共有しましょう。

マーケティング指標の優先順位でよくある失敗

マーケティング指標の優先順位を決める時には、よくある失敗があります。

追う数字が多すぎる。
クリック率やCVRだけで判断する。
短期成果ばかり見る。
部門ごとに違う数字を見る。
レポート作成が目的になる。

どれも、現場では起こりやすいです。

追う数字が多すぎて改善点が見えなくなる

一番よくある失敗は、追う数字が多すぎることです。

数字が多いと安心します。
漏れなく見ている感じがします。
でも、改善点は見えにくくなります。

たとえば、会議で20個も30個も数字を見るとします。
それぞれに少しずつコメントする。
良かった数字も悪かった数字もある。
でも、最後に何を改善するのかが決まらない。

これでは、数字を見る意味が薄くなります。

数字が多すぎると、チームの集中力も分散します。
どこが一番のボトルネックなのか。
どの施策を優先するのか。
何を止めるのか。
何に投資するのか。

こうした判断が遅れます。

改善点を見つけるには、まず重要な数字に絞る必要があります。

・今のKGIは何か
・その達成に一番影響する指標は何か
・今一番弱いファネルはどこか
・次に改善すべき数字は何か

この問いで絞ると、見るべき数字が減ります。

数字を増やすほど分析が深くなるわけではありません。
重要な数字に集中するほど、改善点は見えやすくなります。

クリック率やCVRだけを見て成果を判断してしまう

クリック率やCVRは重要です。

広告やLPの改善では、必ず見るべき数字です。
ただ、それだけで成果を判断すると危険です。

クリック率が高い広告でも、CVにつながらないことがあります。
CVRが高いLPでも、商談につながらないことがあります。
CV数が多くても、営業が追えないリードばかりのこともあります。

BtoBでは、特に後ろの数字を見る必要があります。

クリック率は入口です。
CVRも途中です。
その後、MQLになったか、SQLになったか、商談になったか、受注したかを見る必要があります。

クリック率を上げるために強い言葉を使うと、対象外の人が増えることがあります。
CVRを上げるためにフォームを軽くしすぎると、リードの質が下がることもあります。

もちろん、入口を改善することは大切です。
ただし、入口だけで評価してはいけません。

クリック率やCVRは、成果の一部です。
最終成果につながっているかまで見て判断しましょう。

短期成果ばかり見て中長期の育成指標を捨ててしまう

短期成果ばかり見ると、中長期の育成指標を捨ててしまうことがあります。

今月のリード数。
今月の商談数。
今月の受注数。

これらはもちろん重要です。
ただ、BtoBマーケティングでは、今すぐ成果になる人ばかりではありません。

まだ情報収集の人。
課題を感じ始めたばかりの人。
上司に相談する前の人。
来期に検討する人。

こうした人たちとの関係を育てることも大切です。

中長期の指標には、メール反応、再訪問、資料追加DL、セミナー参加、指名検索などがあります。
これらはすぐ受注にはならないかもしれません。
でも、将来の商談につながる可能性があります。

短期成果だけを見ると、こうした施策が弱くなります。
その結果、将来のパイプラインが細くなります。

大事なのは、短期と中長期を分けて見ることです。

短期成果は短期成果として見る。
中長期指標は中長期指標として見る。
同じ基準で評価しない。

今すぐの成果と、将来の成果を作る数字は分けて管理することが大切です。

部門ごとに違う数字を見て会話がかみ合わない

部門ごとに違う数字を見ていると、会話がかみ合いません。

経営は売上を見る。
営業は商談を見る。
マーケティングはリードを見る。
広告担当はCPAを見る。

それぞれは正しいです。
でも、つながっていないと議論がずれます。

マーケティングは「リード数は増えています」と言う。
営業は「でも商談になりません」と言う。
経営は「売上にどう効いているのか」と聞く。

この状態では、マーケティングの価値が伝わりにくくなります。

解決するには、数字をつなげて見ることです。

リード数。
MQL数。
SQL数。
商談数。
案件化率。
受注数。
売上。

この流れを共通で見ると、会話が整理されます。

部門ごとの数字をなくす必要はありません。
ただし、共通で見る数字を決めることが必要です。

部門別の数字だけでなく、全体の流れを示す共通指標を持つことが大切です。

レポート作成が目的になってしまう

マーケティング指標で最後によくある失敗は、レポート作成が目的になってしまうことです。

毎週レポートを作る。
毎月数字をまとめる。
グラフを更新する。
コメントを書く。

この作業は大切です。
ただ、レポートを作ること自体が目的になると、改善が進みません。

レポートは、意思決定のためにあります。
数字を見て、何を変えるかを決めるためにあります。

もしレポートを作っても、会議で読まれない。
読まれても、次の打ち手が決まらない。
毎回同じコメントで終わる。

この状態なら、レポートの作り方を見直す必要があります。

レポートには、数字だけでなく解釈と打ち手が必要です。

・何が良かったのか
・何が悪かったのか
・なぜそうなったのか
・次に何を試すのか
・誰がいつまでにやるのか

ここまで入ると、レポートは意思決定に使えるものになります。

レポートは完成させるものではなく、次の改善を決めるためのものです。

指標を減らしても成果を落とさないための考え方

指標を減らすと聞くと、不安になる人もいると思います。

「見なくなった数字に問題が出たらどうしよう」
「情報が少なくなって判断を間違えないかな」
「上司に聞かれた時に答えられないと困る」

この不安は自然です。

でも、指標を減らす目的は、情報を捨てることではありません。
迷いを減らすことです。

減らすべきは数字ではなく迷いである

指標を減らす時に大事なのは、数字そのものを否定しないことです。

どの数字にも意味があります。
ただ、毎回同じ重要度で見る必要はありません。

減らすべきなのは、数字ではなく迷いです。

会議でどの数字を見ればいいかわからない。
改善すべき場所がわからない。
良い数字と悪い数字が混ざって結論が出ない。
誰が何を判断するのかわからない。

こうした迷いを減らすために、指標の優先順位を決めます。

必要な数字は残す。
ただし、見る頻度や見る場面を変える。
重要な数字はチームで共有する。
細かい数字は深掘り用にする。

この考え方なら、数字を捨てる不安は減ります。

指標整理の目的は、情報を少なくすることではなく、判断をしやすくすることです。

重要な指標に集中するほど改善スピードが上がる

重要な指標に集中すると、改善スピードが上がります。

理由はシンプルです。
見る場所が決まるからです。

毎回いろいろな数字を見るのではなく、今一番改善すべき指標を見る。
その数字を動かすために、施策を考える。
結果を確認する。
次にまた改善する。

この流れが作れます。

たとえば、今の課題が商談化率なら、リード数を増やす前にリードの質や営業連携を見直すべきです。
今の課題がCVRなら、LPやフォーム、CTAを改善すべきです。
今の課題が認知不足なら、流入や接触数を増やす施策が必要です。

重要な指標が決まると、打ち手も決まりやすくなります。

逆に、全部の数字を少しずつ見ていると、全部を少しずつ直そうとしてしまいます。
その結果、改善のインパクトが弱くなります。

集中する数字を決めることは、集中する改善テーマを決めることです。

指標を減らすことでチームの会話が具体的になる

指標を減らすと、チームの会話が具体的になります。

見る数字が多すぎると、会話が広がります。
でも、重要な数字が決まっていると、会話が深まります。

たとえば、今月は商談化率を重点的に見ると決めている場合です。

会議では、商談化率が上がったか下がったかを見る。
どの施策経由が良かったかを見る。
どのリードが商談にならなかったかを見る。
営業の接触状況を見る。
次に何を変えるかを話す。

このように、議論が具体的になります。

数字が少ないから浅くなるわけではありません。
むしろ、見る数字を絞ることで深く話せます。

チームで同じ数字を見ていると、共通言語もできます。

「今はリード数より商談化率ですね」
「この施策はCVは少ないけど質が良いですね」
「次はMQLからSQLへの転換を見ましょう」

こうした会話ができるようになります。

指標を絞ることは、チームの会話を成果に近づけることです。

定期的に指標の優先順位を見直す

指標の優先順位は、一度決めたら終わりではありません。

事業の状況によって変わります。
施策の成熟度によっても変わります。
市場環境や営業体制によっても変わります。

立ち上げ初期は、認知やリード獲得が重要かもしれません。
成長期には、商談化率や受注率が重要になるかもしれません。
効率化の段階では、CPAや投資対効果が重要になるかもしれません。

だから、定期的に見直すことが大切です。

毎月細かく変える必要はありません。
ただ、四半期ごとや半期ごとに、今見るべき数字が合っているか確認するとよいです。

見直す時は、次の問いが使えます。

・今のKGIに合っているか
・この数字を見て意思決定しているか
・チームで共通認識があるか
・営業や経営との会話に使えているか
・見る頻度は適切か
・不要に重くなっていないか

指標は、事業と一緒に変わります。

今のフェーズに合った数字を選び直すことも、マーケティングの大事な仕事です。

まとめ:マーケティング指標の優先順位は、成果につながる判断軸で決める

マーケティングの数字は、放っておくとどんどん増えていきます。

広告をやれば広告の数字が増える。
SEOをやればSEOの数字が増える。
セミナーをやればセミナーの数字が増える。
メールをやればメールの数字が増える。
営業連携を始めれば、MQLやSQLや商談化率も見るようになる。

数字が増えること自体は悪くありません。

でも、優先順位がないまま数字を追い続けると、判断が遅くなります。
会議が長くなります。
レポートが重くなります。
次の打ち手が曖昧になります。

だからこそ、マーケティング指標は、成果につながる判断軸で整理する必要があります。

すべての数字を追う必要はない

まず大切なのは、すべての数字を同じ熱量で追う必要はないということです。

見るべき数字はあります。
ただ、毎回すべてを見る必要はありません。

経営が見る数字。
営業と共有する数字。
マーケティング現場が見る数字。
担当者が深掘りする数字。

それぞれ役割が違います。

大事なのは、数字を捨てることではありません。
優先順位をつけることです。

毎日見る数字。
週次で見る数字。
月次で見る数字。
問題が起きた時だけ見る数字。

このように分けるだけで、数字はかなり扱いやすくなります。

「全部見なきゃ」と思うほど、判断は苦しくなります。
「まずここを見る」と決めるほど、改善は進めやすくなります。

マーケティング指標の整理は、数字を減らす作業ではなく、迷いを減らす作業です。

KGIから逆算して重要な指標を絞り込む

マーケティングの数字を見る順番で迷ったら、KGIから逆算してください。

最終的に達成したいのは何か。
売上なのか。
受注なのか。
商談数なのか。
リード獲得なのか。
認知拡大なのか。

そこから逆にたどると、見るべき数字が決まります。

受注を増やしたいなら、商談数や受注率を見る。
商談数を増やしたいなら、SQL数や商談化率を見る。
SQLを増やしたいなら、MQLやリードの質を見る。
リードを増やしたいなら、CVRや流入を見る。

この流れで見ると、数字がつながります。

逆に、KGIとつながらない数字ばかり見ていると、施策は改善しているように見えても、成果に近づいていないことがあります。

KGIから逆算することで、数字はただの報告ではなく、成果に向かう道筋になります。

営業や経営と共有できる指標を優先する

BtoBマーケティングでは、営業や経営と共有できる指標を優先することが大切です。

マーケティングだけが見ている数字では、事業全体の会話につながりにくいことがあります。

リード数だけでは、営業の動きにつながりません。
クリック率だけでは、経営に成果が伝わりません。
アクセス数だけでは、受注への貢献が見えません。

だから、営業や経営と会話できる数字が必要です。

・受注数
・商談数
・商談化率
・MQL数
・SQL数
・施策別の商談貢献
・受注につながったチャネル
・リードの質

こうした数字を共有できると、マーケティングの価値が伝わりやすくなります。

もちろん、現場の細かい数字も必要です。
ただ、最終的には営業や経営と同じ方向を向ける数字が重要です。

マーケティング指標は、部門内で完結させず、事業全体の共通言語にすることが大切です。

数字を見るだけでなく、次の改善につなげることが大切

最後に一番大事なことを言うと、数字は見るだけでは意味がありません。

数字を見て、次に何をするか。
ここまで決めて、初めてマーケティング指標は役に立ちます。

クリック率が低いなら、訴求やクリエイティブを見直す。
CVRが低いなら、LPやフォームを見直す。
リード数は多いのに商談化しないなら、ターゲットや営業連携を見直す。
商談化率は高いのにリードが少ないなら、流入やCV数を増やす。
受注につながる施策が見えたなら、そこに投資を寄せる。

数字は、次の改善につながってこそ価値があります。

マーケティングの数字が多すぎて悩んでいるなら、まずはすべてを完璧に見ようとしなくて大丈夫です。

最初にKGIを見る。
次に売上や受注に近い数字を見る。
その次に商談やリードの質を見る。
さらにその前段階として、CVRやCPA、流入を見る。
中長期の指標は、目的と期間を決めて見る。

この順番を持つだけで、数字の見え方はかなり変わります。

マーケティングの数字を見る順番を決めることは、施策の優先順位を決めることです。

全部を追わなくていいです。
全部を同じ重さで見なくていいです。
大事なのは、成果につながる判断ができることです。

数字に振り回されるのではなく、数字を使って次の一手を決める。

その状態を作れれば、マーケティングの会議も、レポートも、営業との会話も、かなり前向きになります。

まずは、今見ている数字を一度洗い出してみてください。
そして、それぞれの数字に対して、こう問いかけてみてください。

・この数字は何の判断に使っているか
・KGIとどうつながっているか
・誰が見るべき数字か
・どの頻度で見るべきか
・悪化したら何を変えるか

この問いに答えられる数字は、残す価値があります。
答えられない数字は、優先順位を下げてもよいかもしれません。

マーケティング指標の整理は、地味な作業です。
でも、ここを整えると、チームの判断は驚くほど速くなります。

数字を増やすより、見る順番を決める。
レポートを厚くするより、次の打ち手が決まる状態にする。
それが、成果につながるマーケティング指標の使い方です。

今日からまずは、レポートの一番上に置く数字を見直してみてください。

そこに、チームが本当に優先すべき数字が置かれているか。
その数字を見て、次の改善が決まるか。

そこから変えるだけでも、マーケティングの数字は、ただの報告ではなく、成果を動かすための武器になります。

#マーケティング指標 #KPI設計 #マーケティングKPI #指標管理 #優先順位 #BtoBマーケティング #マーケティング戦略 #営業支援 #営業マーケ連携 #リード獲得 #商談化率 #CVR改善 #広告運用 #デジタルマーケティング #Webマーケティング #マーケター #中間管理職 #マネジメント #事業成長 #データ分析

いいなと思ったら応援しよう!