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「もしも明日、いつもの薬がもらえなくなったら?」命をつなぐ「おくすりの防災」

※画像はAIで生成したものを使用しています。

「もしも今、大災害が起きたら?」

防災と聞くと、水や食料、非常用トイレなどの備えを想像されるかもしれません。これらは非常に重要な備えです。
しかし、「毎日飲んでいる薬」の備えについてはどうでしょうか。

私は自称「防災マニアな医師」であり、趣味で防災士資格も取得したのですが、そもそもの本業は小さな内科クリニックを営む院長です。日頃から様々な防災グッズを試したり、自宅の備蓄を見直したりしている中で、どうしても皆さんに強くお伝えしたい「医療的な備え」があります。

それは決して、防災に特化したグッズを新しく買うことではありません。ほんの少しの習慣を変えるだけで、いざという時にあなたや家族の命をつなぐ、心強いライフラインになるお話です。

命をつなぐ「1週間分の薬ストック」

大規模な災害が発生すると、当然ながら医療機関や薬局も被災します。建物の倒壊や停電、スタッフの被災、物流のストップにより、一時的に地域の医療インフラは完全にマヒしてしまう可能性があります。つまり、「いつものクリニックや病院に行けば、いつもの薬がもらえる」という当たり前の日常が崩れ去るのです。

そのため、持病でお薬を飲んでいる方に強くおすすめしたいのが、「常に1週間分の薬を手元にストックしておくこと」です。
特に、心臓病のお薬や糖尿病のインスリンなどは、数日切らすだけでも命に関わる危険性があります。「命に関わるものから優先的に備える」ことは、防災の基本です。

私自身、日々の診療の中で患者さんには「薬がギリギリになってから受診するのではなく、万が一の災害時に備えて、常に1週間程度の余裕を持っておいてくださいね」とお話ししています。
水や食料のローリングストック(古いものから消費し、使った分を買い足す)と同じ要領で、薬の残数に常に少しの余裕を持たせるサイクルを作ってみてください。

アナログとデジタルの二刀流!「お薬手帳」を常に持ち歩く

薬のストックに加えて必須なのが、「お薬手帳」です。

被災生活が長引いた場合や、運良く開いている医療機関を見つけた場合でも、「自分が何の薬を飲んでいるか」を正確に伝えられなければ、医師も安全に薬を処方することができません。

私も患者さんに何の薬を飲んでいるかお尋ねすることが度々ありますが、よくあるのが「白くて丸いやつです」というお返事です。
残念ながら、世の中の薬はだいたい「白くて丸い」んです。
薬の正確な名前、そして用量が分からなければ、私たち医師は処方することができません。

お薬手帳があれば、被災時の特例として臨時でいつもの薬を処方してもらえたり、全く同じ薬がなくても「同じ効果を持つ別の薬(代替薬)」を安全に選んでもらえたりする確率が格段に上がります。まずは、紙のお薬手帳を常にカバンに入れて持ち歩くようにしてください。

しかし、かさばるのが嫌だったり、忘れてしまうのが心配な場合は、「スマートフォンのお薬手帳アプリ」をぜひ活用してください。常に持ち歩くスマホにデータを入れておけば、いざという時の強力な武器になります。

アプリを使わなくても、薬のパッケージや、薬局でもらう薬の説明書・シールをスマホのカメラで撮って保存しておくだけで、手軽で非常に有効なバックアップになります。

日常のピンチも救う「フェーズフリー」な備え

これら「薬のストック」「お薬手帳の携帯」は、実は大災害の時にしか役立たないものではありません。

例えば、「出先で急病になった」「夜間に救急病院へ駆け込んだ」「救急車で運ばれた」といった日常的なトラブルの際にも、極めて重要な役割を果たします。いつもかかっている所とは別の医療機関で、初対面の医師に自分の正確な医療情報を伝える手段として、これ以上に確実なものはありません。

このように、日常と非日常という2つのフェーズ(局面)の垣根をなくし、どちらにも役立つ備えを「フェーズフリー」と呼びます。お薬の備えは、まさに究極のフェーズフリーなのです。

平時の市販薬(OTC医薬品)も立派な防災

最後に、持病がない方にもできる備えがあります。それは、総合感冒薬(風邪薬)、解熱鎮痛剤(痛み止め)、胃腸薬、抗アレルギー薬、消毒薬、絆創膏などの一般的な市販薬を、平時に薬局で購入し、自宅に備えておくことです。

災害時はストレスや環境の悪化から、体調を崩しやすくなります。しかし、非常時は医療機関そのものが麻痺したり大混乱に陥ったりしており、受診することが非常に困難です。
自分のちょっとした不調は自分でケアできる(セルフメディケーション)準備をしておくことも、立派な防災活動の一つと言えます。

今日からできる「おくすり防災」。あなたと大切な人の命を守るために、ぜひ一度、お薬の引き出しとスマホの設定を見直してみてください。

「ソナエル」を習慣化し
防災リテラシーを高めて今日もご安全に!

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