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Webサイト公開の「事前の段取り」ドメイン切り替えとリリースの自衛策

期待と不安が入り交じる「リリース日」の朝

Webサイト制作の最終工程である「公開(リリース)」。 発注者である皆様にとって、この日は「無事に表示されるだろうか」「不具合が起きないだろうか」と、期待と不安が入り交じる緊張の瞬間かと思います。

しかし、「とりあえず公開ボタンを押せばすべて終わる」という誤解を持ったまま進めてしまうと、最後の最後で思わぬトラブルに巻き込まれる懸念があります。

この記事でわかること

  • 既存サイトの状況に応じた公開パターンの違い

  • SEO評価を引き継ぐ301リダイレクトと「URLを変えない」戦略

  • 公開時のトラブルを防ぐ「切り戻し」の備え

  • リリース前後の具体的なチェックリスト


1. 基礎概念:「家づくり」で考えるWebサイト公開の仕組み

専門的なIT用語が並ぶ公開作業ですが、「家づくり」に例えると構造が見えてきます。

Webサイトにおいて、ドメイン(URL)は「住所」、サーバーは「土地」に相当します。 つまり、Webサイトを新しく公開するということは、新しい家に引っ越して「住所(ドメイン)の向き先」を変え、新しい表札をかける作業に他なりません。どこに家を建てるのか、住所はどうするのかなどによって、必要な手続き(段取り)が変わってくるのです。

2. 【状況別の手順】Webサイト公開・ドメイン切り替えの3つのパターン

発注者が自社の状況を把握できるよう、3つのパターンに分けて解説します。

【サーバー・ドメインの状況別対応の比較】

■新規サイト作成の場合(まっさらな土地に家を建てる)

  • 必要な作業: 新規ドメインの取得、新規サーバーの設定をゼロから行う。

  • 影響範囲: 既存のWeb環境への影響はなく、最も安全に公開作業を進められる。

■既存サイトのリニューアル(同じ土地での建て替え/サーバー・ドメインそのまま)

  • 必要な作業: 旧サイトのデータを削除し、新サイトのデータを同一サーバーにアップロードする。

  • 影響範囲: 作業中は一時的に「メンテナンス中」の画面を表示させるなどの配慮が必要。

■既存サイトのリニューアル(新しい土地への引っ越し/サーバーやドメインを変更)

  • 必要な作業: ドメインの向き先を新しいサーバーへ切り替える「DNS切り替え」を行う。

  • 影響範囲: 切り替えがインターネット全体に浸透する(DNS浸透)まで数時間〜最大48時間程度かかり、その間表示が不安定になる可能性がある。

3. 【SEO評価を守る】『301リダイレクト』の役割と主要URLの維持

リニューアルに伴い、ページのURLが変わる場合は「301リダイレクト」という設定が不可欠です。これは、旧居から新居への「郵便物の転送届」のようなものです。 これを行わないと、検索エンジンからの評価がリセットされ、公開直後からアクセス数が激減するリスクがあります。

しかし、プロの視点からお伝えすると、リスク回避の最適解は、「オーガニック流入が多いページや主要ページのURLを変えない」ことです。

過去の連載でお伝えした通り、ビジネスに貢献していない低品質なページは断捨離して整理すべきです。一方で、現在検索エンジンから高く評価され、集客の柱となっている主要ページのURLまで変えてしまうことは、ビジネス上の大きな損失になりかねません。どうしてもシステム上の理由でURL構造を変える必要がある場合を除き、主要な資産(URL)は維持するよう制作会社と調整することをおすすめします。

4. 実践チェックリスト:Webサイト公開準備と関係各所への段取り

公開前後に現場担当者が身を守るためのアクションをまとめました。

■万が一に備える「切り戻し」の合意

トラブルが発生した際、焦ってその場で原因究明と修正を試みるのは危険です。「〇時間以内に正常に表示できなければ、一旦元の状態(旧サーバー)に戻す」という逃げ道(切り戻し)を、事前に制作会社と合意しておくのがよいでしょう。

■社内部署への事前周知

公開日時と、「数時間はアクセスが不安定になる可能性があること」を社内にアナウンスしておきます。これにより、公開直後の「サイトが見られないぞ」という社内からのクレームを和らげることができます。

■制作会社との連絡体制の構築

公開作業中、誰が・どのツールで・どう連絡を取り合うのかを明確にしておきます。緊急時の電話番号も聞いておくべきです。

■公開日時の選定

トラブル対応が難しい「金曜日の夕方」や「休日前」の公開は避けるのがセオリーです。平日午前中など、関係者がすぐ動ける時間帯を推奨します。どうしても休日に公開が必要な場合は、制作会社の体制を整えてもらう必要があります。

5. 安全なリリースが「運用フェーズ」の基盤を作る

公開はゴールではなく、Webサイトを事業の資産として育てるためのスタートラインです。 事前の段取りを徹底し、安全にリリースを完了させることが、公開後の円滑な運用フェーズへと繋がる強固な基盤となります。

6. よくある質問(FAQ):Webサイトの公開・ドメイン切り替えについて

Q. ドメインの切り替え(DNS浸透)にはどれくらい時間がかかりますか?
A. 環境によりますが、数時間から、長い場合は24〜48時間程度かかることがあります。この期間は旧サイトと新サイトが入り交じって表示されることがあるため、事前のアナウンスが重要です。

Q. 301リダイレクトはいつまで設定しておくべきですか?
A. 検索エンジンが新しいURLを完全に認識するまで、半年間は維持することが推奨されます。

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