人類はウイルスから始まった?〜ウシクウイルスと進化の謎〜
牛久沼から新種の巨大ウイルスが見つかりました。「ウシクウイルス」。東京理科大の武村政春教授らが発見し、命名したものです。ヒトには無害。
僕がひっかかったのは、このウイルスの性質でした。宿主の細胞核の中で増殖する。その事実が、ある壮大な仮説とつながっています。
巨大ウイルスという存在
「巨大ウイルス」。聞き慣れない言葉だと思います。この分野自体、歴史が浅い。
きっかけは2003年でした。フランスの研究者が「ミミウイルス」を報告します。もとはイギリスの病院の冷却水から見つかったもので、当初は細菌だと思われていた。調べてみるとウイルスだった。光学顕微鏡でも見えるほど大きく、遺伝子の数も通常のウイルスとは桁が違う。ウイルスの常識を揺さぶる存在でした。
現在、生物は真核生物・細菌・古細菌の3つのグループ(ドメイン)に分けられています。ウイルスはどこにも属さない。生物ではないとされてきたからです。でも巨大ウイルスの発見以降、これを「第4のドメイン」として生物に含めるべきではないかという議論が出てきました。生物と非生物の境界が、にわかに曖昧になった。
この分野が動き始めてまだ20年ほど。馴染みがなくて当然の世界です。
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