くも膜下出血を「見落とした」のは誰か〜地方救急が抱える構造の話〜
和歌山県の那智勝浦町立温泉病院で、救急搬送された45歳男性のくも膜下出血がCTで分からず、翌々日に別の病院で緊急手術を受けた。男性は意識が戻り、5月26日に退院している。助かった。だから、こうして落ち着いて書ける。
2024年4月から医師の働き方改革で時間外労働に上限が入り、勤務間インターバルの確保も求められるようになった。ただし宿日直許可を得た当直は、労働時間に算入されない。地方では連休中の救急を医師1人で受けるのが、今も常態だ。この事案も、大型連休のさなかに起きている。
報道の見出しだけ追えば「見落とし」の三文字で終わる話だ。診断した医師は電話で「私ではよく診られなかった」と謝罪したという。病院側は外部読影に頼るため「CT検査から診断までにタイムラグがある」と釈明した。記事末に付いた専門家コメントも、放射線科医の不在と読影の遅れを地方医療の課題として整理している。
筋は通っている。ただ、現場で起きたことはもう少し複雑だ。
時間が消す血液
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