マッチングの病院見学はいつから始めるべき?|個別指導講師が見てきた“定番パターン”と勉強との両立
医学生向け個別指導講師のすとろーです。
今回は、「マッチングの病院見学はいつから始めるべきですか?」
という質問について書いてみます。
このテーマは、医学生にとってかなり悩ましいものだと思います。
早く動いたほうがいいのか。でも、早すぎても何を見ればいいのかわからないのではないか。一方で、のんびりしていると出遅れるのではないか。
こうした不安は、多くの学生が一度は感じるものです。
実際、個別指導をしていても、マッチングの時期が近づくとこの相談はよく出てきます。そして見ていると、見学を始める時期にはある程度“定番のパターン”があります。
なお今回は、いくつかの参考記事も読んだ上で、
実際に個別指導の現場で多くの医学生を見てきた、すとろーの個人的な感想として書いていきます。
参考記事
c-mechttps://c-mec.jp/square/hospital_tour_guide01/
CES医師国家試験予備校https://ishi-yobikou.com/igakubu-matching-taisaku-guide/
レジナビhttps://www.residentnavi.com/special/hospital-tour-timing
1 病院見学に行く前に揃えておきたい条件
個人的には、病院見学はマッチングに向けて避けては通れない道だと思っています。おそらく多くの医学生が、どこかのタイミングでこの壁にぶつかるはずです。
ただ、見学は「とにかく早く行けばいい」というものでもないと思っています。もちろん早めにいけば採用担当者にアピールする回数が増えるということはありえますが……それが本当にマッチングに役に立つかは断定できません。
すとろー個人としては、見学に行く前に最低限そろっていてほしい条件が2つあると考えています。
① ある程度、全体的な知識がついていること
病院見学に行ったとしても、医学用語がほとんどわからない状態だと、どうしても得られるものが少なくなります。
医師と研修医が話している内容がわからない。
検査や手技を見ても「何が起こっているのか」がつかめない。
これでは、せっかく時間を使って見学に行っても、もったいない部分が大きいです。
もちろん、最初から全部理解できる必要はありません。
ただ、少なくとも「一通り勉強してきた」「最低限の土台はある」という状態のほうが、見学の意味はかなり変わってきます。
そう考えると、CBTやOSCEを終えていることは、一つの大きな目安になるのではないかと個人的には思っています。
病棟実習に出るための切符を持っている、というのはやはり大きいです。
② 病棟に少しでも出た経験があること
もう一つ大事なのは、病棟に入った経験です。
病棟には、思っている以上に気をつけるべきものがあります。
触ってはいけないもの、ぶつからないよう注意すべきもの、立ち位置や動き方の暗黙のルールなど、実際に入ってみないとわからないことが多いです。
そのため、病棟経験がほとんどないまま、いきなり外の病院見学に行くのは個人的にはあまりおすすめしません。
まずは自大学の病院で、
「病棟とはどういう場所か」
「どう歩けばいいのか」
「どう振る舞えばいいのか」
を少しでも学んでから見学に行くほうが、落ち着いて見られると思います。
2 見学を始めるのは早くていつ頃か
では、その条件がそろうのはいつ頃なのか。
ここを考えると、自然と見学開始の時期も見えてきます。
以前は、5年生から本格的な臨床実習に入る大学も多かったと思います。
しかし近年は、CBTやOSCEの時期が前倒しになり、4年生の後半には実習に入っている大学も珍しくありません。
そうすると、4年生の終わり(4年生の春休み)から5年生にかけては、ある程度
知識の土台ができている
実習経験も少しある
という状態になっている学生が多いはずです。
この段階であれば、病院見学を考え始めてもよいのではないか。
私はそのように感じています。
3 個別指導でよく見る“定番パターン”
ここからは、実際に個別指導で見てきた中での話です。
あくまで私の周囲で見てきた範囲にはなりますが、多くの学生は
4年生の春〜5年生のGWにかけて見学を始めることが多い印象です。
特に、4年生・5年生の春休みや、GWの時期は動きやすいようです。
大学によってはGWの合間に平日休みが入ることもあり、見学の予定を入れやすいのだと思います。
また、4年生・5年生の3月後半は、大きな試験が少ないため、この時期に見学に行く人も少なくありません。
そして、自分が知っている範囲では、遅くとも5年生の夏までには、どこか1つ以上見学に行っている人が多いです。
もちろん全員が同じではありません。ただ、あまりに遅くなると、今度は見学先を比較する余裕や、自分の志望を考え直す余裕が減ってしまう印象があります。
4 最初に見学に行く病院はどこがいいか
初めての病院見学は、思っている以上に疲れます。
見学そのものも緊張しますし、終わった後のお礼メール、交通の段取り、持ち物、服装など、慣れないことが多いです。
そのため、個人的にはいきなり第一志望の病院に行かなくてもよいのではないかと思っています。
最初の見学では、
思ったよりうまく話せなかった
質問が出てこなかった
帰ってからお礼メールを慌てて送った
かなり疲れてしまった
ということがよくあります。
だからこそ、まずは第一志望ではない病院で一度経験してみる。その上で、見学の流れや自分の動き方に慣れてから、本命に行くほうが安心です。
さらに言えば、最初はそこまで興味が強くなかった病院を見た結果、視野が広がって志望先そのものが変わることもあります。
5 見学と勉強の両立はどう考えるか
ここは意外と見落とされがちですが、忘れてはいけない大事なことです。
病院見学に行きやすい時期というのは、春休み、GW、夏休みなど、比較的時間が取れる時期でもあります。そして同時に、その期間は勉強を進めやすい時期でもあります。
つまり、見学に動きやすい時期ほど、勉強の面では貴重な時期でもあるわけです。
そのため、個人的には
病院見学だけに全振りするのはあまりおすすめしていません。
見学に行く前に、レジナビ、マイナビ、m3、C-MECなどである程度情報を集めて、病院を絞る。
そのうえで、必要なところに効率よく見学に行く。
そして、見学とは別に、きちんと勉強だけを進める日も確保する。
この形が、比較的うまくいきやすいように思います。
というのも、病院見学は1日で終わるように見えて、実際にはその前後まで含めて結構疲れます。
移動や緊張もありますし、帰宅後は思った以上に何もできないことが多いです。
個別指導で見ていても、1回見学に行くだけでかなり消耗して、勉強のペースが崩れる学生は少なくありません。
感覚としては、
1回の見学で少なくとも2〜3日は勉強が乱れうる
くらいに考えておいたほうがよいのではないかと思います。
なので、見学の日と勉強の日をあらかじめ分けて確保しておくことをオススメしています。
6 すとろーの個人的な感想
ここまで書いてきたことをまとめると、すとろー個人としては、
病院見学は「早ければいい」というものではなく、ある程度準備が整った段階で始めるのが大事だと思っています。
参考記事にも「早めの情報収集」「余裕を持った行動」の重要性は書かれていますが、実際に個別指導で学生を見ていると、
ただ早く動けばうまくいくわけではない、というのを強く感じます。
知識がほとんどない。
病棟経験がない。
見学のたびに疲れ果てて勉強が止まる。
この状態では、せっかく行っても実りが少なくなってしまいます。
一方で、CBTやOSCEを終え、少し病棟にも慣れ、病院情報もある程度調べた上で見学に行く学生は、見学から得るものが大きい印象です。
だからこそ、
4年後半〜5年春あたりを一つの目安にしつつ、準備が整ったところから動いていくというのが、現実的で失敗しにくい形ではないかと感じています。
今回は、
「マッチングの病院見学はいつから始めるべきか」
というテーマで、参考記事も踏まえつつ、すとろーの個人的な感想を書いてみました。
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