近ごろのディラン (20251231付)

年を経るごとに、親族、ご近所さん、深く関わった方、袖触れ合った方、全く縁はなかったけど当方が一方的に関心があった方に至るまで、多くの訃報に遭遇するのを痛感します。
まあ、筆者もそれなりの年齢ですので、仕方のない話ではあるのですが。

もちろんミュージシャン(当方が一方的に関心があった方々の大半)の訃報も同様です。しょっちゅう書いているような気がしますが、今年は特に多いような。。。

ネットニュースなどで紹介されていることと思いますので、あまり多くのことは書きませんが、やはりスティーヴ・クロッパーの訃報は筆者にとっても「巨星墜つ」感が強いでしょうか。御冥福をお祈りします。
レコ・コレ誌の連載も終わったところだったので(インタビューはリアルタイムではないと思いますが)、唐突感がハンパなかったな、というのが正直な気持ちです。
昨日(12月30日)、京都へ麗蘭を見に行ったのですが、開演前のSE、本編(「今夜R&Bを」におけるミュージシャン名の連呼がメチャ限定版に!)、退場のBGMに至るまで、ほぼ彼の追悼を兼ねたMG's のトリビュート公演みたいな感じになっていました。
いつぞやも書いたかもしれませんが、スティーヴ・クロッパーとディランとは1992年の30周年記念コンサート(いわゆる「ボブ・フェスト」)で関わりがあります。ついでながら、この時のドラマーの一人であるアントン・フィグが、2025年のディランのバンドでドラムスをやっています。

あと、スティーヴ・クロッパーの少し前に亡くなった、フィル・アップチャーチというギタリストについても少し触れたいと思います。
ソロ・アルバムなども出してはいるのですが、主な仕事がセッション・ギタリストということもあって、これが彼の音だと分かる曲は限られてきます。そうだと言われていたが実際は違っていた、もしくはその逆、という可能性もあるでしょう。
彼の有名な仕事の一つとしては、ダニー・ハサウェイ『ライヴ』のハリウッド・サイド(つまり前半の4曲)でリード・ギターを弾いていることでしょうか。あと、正確なところは分かりませんが、カーティス・メイフィールドの「Move On Up」で9分近くに渡ってひたすら「チャカチャカチャカチャカ」と16分のリズムを刻むギター(途中のドラムス・ブレイクのところで少し休憩?がありますが)も彼ではないかと。
もちろん、ここでとりあげるからには、ディランとも無関係ではありません。クリスマスはとっくに過ぎちゃいましたが、彼が参加したアルバム『クリスマス・イン・ザ・ハート』を聞いて偲びたいと思います。御冥福をお祈りします。

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私が更新をサボっている間に、ヨーロッパ・ツアーが始まって、無事終わって、来年の春ツアーの日程が発表されました。

ヨーロッパ公演のほとんどは3月~4月のアメリカ・ツアーとまったく同じセットリストでしたので、ニュー・アルバムの曲をフィーチャーしたツアーに戻った、ということなんだろうと思います。元は「ワールド・ワイド・ツアー2021-2024」となってたはずなので、1年延長したということでしょうか。
ちなみに、9月に加わっていたキーボード弾きはゲストでの参加だったようで、編成も5人に戻りました。

セットリストも固定だったのですが、私の把握しているところでは、ツアー最終地のアイルランドでの5公演のうち、3公演の大ラスで各1曲サプライズの追加がありました。ベルファストではヴァン・モリソンの「Going Down To Bangor」(これは筆者の知らない曲!)、キラーニーでは ポール・ブレイディが広めた(元はトラディショナル)「The Lakes Of Pontchartrain」を、ダブリンではポーグスの「A Rainy Night In Soho」を演ったようです。

そして、来春のツアーですが、またドサまわり比較的馴染みが薄い土地をまわるようです。ということは、2021-2026? さらにもう1年延長、ということ? セトリもヨーロッパ・ツアーと同じ?

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前回の「近ごろのディラン2」で

こんな文を書きました。

これで51年以上前の録音はほぼ発表した感があります。(行方不明のテープが発見されれば別ですが。)

そんなはずはないですね。何を考えてたんだろう?
申し訳ありません。まだまだいろいろとあると思います。

多くのオフィスで過去の書類をスキャンしては廃棄する、いわゆる「断捨離」が行われていますが、録音スタジオでも似たようなことをやっているのだろうというのは想像に難くありません。
ファースト・アルバムの録音セッション全曲のアナログ・マスター・テープが数年前にオークションにかけられまして(デジタル化が完了したんでしょう)、なんだかんだで私も流出した音を聞く機会がありました。

録音は1961年11月20日と22日の2回に分けて行われているのですが、個人的にずっと聞いてみたかったのが、20日の「Man Of Constant Sorrow」です。

上記サイトの該当箇所を見ると、こうなっています。

確かザ・バンドの時に語った記憶がありますが、CO687XXというのは通称「マスター・ナンバー」と呼ばれてまして、録音順に振られる通し番号のことです。アーティストによっては録音時になっても曲タイトルが決まっていなかったり、適当なことをいうヤツもいます(「Phantom Engineer」とか「Bank Account Blues」とか)ので、取り違いを避けるためというのも通し番号を付ける理由の1つだと思います。

話を本題に戻すと、以前から筆者が気になっていたのは
22.  Man of Constant Sorrow
です。なぜこの曲だけ付け忘れたみたいな後付け番号が振られているんでしょう?(CO68732とCO68733の間にCO68745が挿入されています。)
ありがたいことに、前述のオークション・サイトの下の方に、この曲の演奏の一部と、その後のジョン・ハモンド(ファースト・アルバムのプロデューサー)とディランの会話がサンプルとして聞けるだけでなく、会話を書き起こしてくれています。
このテイクがリハーサル目的だったのか不明ですが(『ブートレッグ・シリーズ第18集』ではリハーサルとクレジットしています)、録音中の予定外のタイミングでディランが「こんな曲もあるんだけど...」と言い出して、ジョン・ハモンドに歌って聞かせたのは間違いないと思います。
余談ながら、3番の出だしを「Your mother says that I'm a stranger」と歌っているのは22日録音の最終テイク、つまりアルバム収録ヴァージョンだけで、後は「Your friends say ~」と歌っているようですね。スーズ・ロトロがセッションに同席していたのは、残された写真などから間違いないのですが、「お前の母さんは俺のことをよそ者と言うんだ」をリアルで聞いたのかは分かりません。

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いやあ、今年は(今年も)全然更新できませんでした。
まあ、こんなものでしょう。

♪ ずっとヘンなことが起きてる、かつてないくらい
♪ 俺の彼女も「出てくわね」って言ったんだ
♪ もういい人にはなれないよ、前みたいにさ
♪ いい人にはなれないよ、ベイビー
♪ だって、世界はおかしくなっちゃったんだから

「World Gone Wrong」より(筆者の雑訳)

そんなわけで、こんな世の中ですが、みなさま、良いお年をお迎えください。
(^o^)ノ バィバィ 2025


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