見出し画像

中学2年生 日常を忘れて青春18きっぷ旅 サンライズ編

キハがエンジンをガラガラならしてたむろしているちょうどすぐそばで、夕食のかしわうどんをすする。

ガラガラという音、うるさいようで心地良い


足でリュックを挟んで、汗をかきながらうどんをすする。旅慣れた人の仲間入りができたようで嬉しい。
同行の祖父もうまそうにすすっている。西の日の入りは遅く、18時ごろでもまだ夕日のオレンジ色の空になっていない。
新幹線のホームに上がって、そろそろと近づく新幹線を待つ。
乗り込むと、すぐに、本州に戻って新下関を通過した。所々見える在来線の線路が見えると、思い出が蘇ってくる。
岩国も、広島も、すぐに通り過ぎて、すっかり暗くなった岡山に着いた。肌にまとわりつくような暑さで熱帯夜である。
すぐにコインロッカーに向かい、荷物を預ける。祖父は『コインロッカーなんかに800円も出せない』とブツブツ文句を言っている。しかししょうがない。足早にタクシーに乗り込む。タクシーを捕まえたのは、銭湯に行くためだ。
飲み屋街から少し路地に入ると、煌々とひかる看板が目立つ銭湯があった。

いい風情だ


いらっしゃいと言われて中に入って、すぐに湯船に浸かる。いま流している汗は下関でかいた汗、行橋でかいた汗、小倉でかいた汗もあると思うと少し感慨深い。
岡山駅に戻ってもまだ、サンライズの発車まで時間がある。ここで僕の先輩がLINEで東京の電車の写真を送ってきた。
お返しに小倉の車両基地のりんかい線の電車や、501系の動画を送っておいた。いずれこの人と長野に行こうと思う。
飲み物を祖父と啜って、時間がきたから荷物を引き取る。
岡山の在来線のりばで東京という単語を聞くのはなかなか面白い。
すぐにクリーム色とえんじ色のサンライズが這入ってきて、僕の目の前に停車した。

何度見てもかっこいいし、ドキドキする。


今回で4回目の乗車だが、いつまでたってもサンライズに入るときの第一歩はドキドキする。
蚕棚のようなのびのび座席に落ち着く。この旅でお世話になった紫色のリュックをおろす。
僕と祖父の間の寝台には客がいておやすみなさいを言ってしまって、歯磨きをする。がたんごとんという音を聞きながら走る歯磨きというのはいつもとは違う感覚がして、自然に歯磨きの手の動きが早くなる。
わざわざ小さいテーブルにあるコップにお茶を注いで飲みながら横になる。いい気分である。
一眠りして、列車が停まったと思ったら、大阪だった。ここで僕の先輩がLINEで琵琶湖線止まっているらしいよ、と送ってきた。僕は車内の情報よりも先に先輩から運転見合わせの報を知ったのだった。人身事故だという。
とにかく、長いこと大阪に停まった。やっと出発して眠たくなってきた。寝ぼけ眼で外をみるとオレンジ色の帯の列車がいる。こんなに明るいのにまだ東海管内である。約1時間遅れで走っているようである。
直に熱海をすぎて、休みボケのサンライズは空気を読まずにラッシュの東海道線に突っ込んでいく。

学割の切符とサンライズの指定券


こんな時間に走るのは珍しいから、みんなスマホのカメラを構えている。並走している通勤電車のお客さんと目があってとても気まずい。
眠気を帯びたサンライズは、冷ややかな通勤列車に道を譲ってさらに遅れていく。
腹が減りはじめると、東京駅に着いた。ドアが開くと暑い空気が一気に体を覆う。
東京駅の無機質なホームに一歩、足を踏み出した。憂鬱なようで、少し恋しくなった、日常の始まりである。

後日撮影

追記 もう旅から1ヶ月経ってしまったが連載は終わりになる。毎回見ていただいた方、ありがとうございました。マガジンにこの旅の全ての記事を収録しているのでご覧ください。
https://note.com/webview/note/nc67672f044a9?via=via&modal_content=modalContent




いいなと思ったら応援しよう!