漱石の 『夢十夜』 の 『第一夜』
私は漱石の『夢十夜』が大好きである。
ベタだが特に『第一夜』がいい。
しかし、むか~し 「『夢十夜』の『第一夜』は、作者が漱石じゃなかったらとんでもない駄作と評価されていた (だろう)」 という内容の記事というかブログをネットで見たような気がしたのだが、ソースを見付けられなかったのでこの批判については話半分で聞いていただきたい。
話が単調でありきたり、とかそういうところが低評価を受けることがあるらしい (AI が教えてくれた)。
しかし、この話の美しさは 「モチーフの美しさ」 にあると私は思っている。
未読の方はすぐに読み終るため、ご興味があれば ↓ を。
そして青空文庫関係者の皆様には感謝感謝である🙏🙏
まず、女性の美しさだ。
どうやら 「うりざね顔」 といのは美しいらしい。
というか漱石が美人を描写するときによく遣っている (気がする) ので、きっと漱石の好みなのだろう。
この女性は下記のものを持っているらしい。
現代でも十分 「美しい」 と言われる要素だろう。100 年どころか 150 年経っても変らない美しさである。
長い髪
面長 (うりざね顔)
色白
血色の良い頬
赤いくちびる
ウルウルした大きな瞳
長いまつ毛
透き通るほど深くて (吸い込まれそうな?) 黒い瞳
囁くような声
笑顔!(ニッコリ☺️)
ロマンチスト (真珠貝・星の破片・100 年待ってて🥺)
死ぬ時に涙を流す
なんだろう、私が配役を充てるなら、20 ~ 30 代の仲間由紀恵という気がする。
涼しくて儚げ、けれど芯はあり美しい。色気もある感じ。
そして美しい声。
今調べたら 「瓜実顔」 自体が美人やイケメンをさすらしい!
「墓のそばで 100 年待ってろ!😬」 なんてそらぁとんでもない美人しか発言が許されない上に待っててもくれないだろう……。
橋本環奈ちゃんが 「1,000 年に 1 度の……」 とか言われていたので、環奈ちゃんレベルに出会うには 1,000 年待たないといけないなら、やはり 100 年待つだけの価値はある女性なのだろう。
そしてこの女性がまたミステリアスすぎるではないか。
まったく死にそうに見えないくらい血色がいいにもかかわらず、突然 「もう死にます」 と言い出した。
え、どの辺が?😳 と困惑する漱石 (?)。
なのにまた 「もう死にます」 とか言う。
そしたら漱石 (?) も次には 「確かにこれは死ぬな」 と思っている!😳
そして死ぬ死なないの問答を繰り返していると、
「でも、死ぬんですもの、仕方がないわ」
と、妙に達観した感じで言い出した。
でもその後には漱石のセリフにどこか可笑しさを感じたのか、笑って 「見えるに決まってるじゃん😁」 みたいなことを言い出す。
ほいでロマンチックなモチーフを交えながら、「墓のそばで 100 年待ってろ」 という無理ゲーを漱石に遺して (約束させて) 死んだ🥺🥺
これ ↑ 誰かを思い出さないだろうか?
私が思い出したのは『三四郎』の美禰子である。
度胸の据わった、イタズラ好き & 男性の心を弄び、自分で自分をも持て余していそうな美禰子。
これが漱石の理想の女性像なのではないかと思う。
そしてそんな女性に魅力を感じるのも分る気がするのだ。
なにしろつかみどころがない。
「ストレイシープ」 などと謎発言をしてはどっかに行ってしまう。
さて、そんな超絶美人で儚げなくせに S っ気の強い女性が美しい亡くなり方をしたのだ。
言われたとおり、真珠貝で墓を掘る。
墓を掘るため土をすくうたびに真珠貝が月光を反射してキラキラするのだ。きっと七色に光ったのだろう。
そうして土をかけて埋めるときも、真珠貝はキラキラの月光を反射した。
美人を埋めるための墓すら終始美しくあるのだ。
そうして、墓標 (はかじるし) に、落ちてきた星のカケラを載せた。
気の遠くなるような長い距離と時間をかけて、この星のカケラの角は取れて丸くなったらしい。
そうして女の言うとおり (知らなかったわけでは無論ないだろうが)、東から西に日が昇って落ちた。
一つ。
と漱石は勘定する。
二日目も同様に日が昇り落ちて、同様に勘定した。
そして次のページでは、どうやらかなりの年月が経っているらしい。
月日が分らなくなるくらい勘定しているはずなのに、毎日毎日同じように日が昇っては落ちていく。
昨日と同じ日がまた今日も来る。
昨日も数えたはずなのにまた今日も勘定しなくてはならない。
いつまでも終りが来ない。100 年が来ない。
ただただ日だけが昇っては落ちてゆく。
ここのリズムが個人的に凄くいいと思っているので抜粋してみよう。
"自分はこう云う風に
一つ二つと勘定していくうちに、
赤い日をいくつ見たか分らない。
勘定しても、勘定しても、
しつくせないほど、
赤い日が頭の上を通り越して行った。
それでも百年がまだ来ない。"
漱石の文章の美しさは、読みやすさのリズムと言葉選び抜きには語れない (自論)。
「それでも百年がまだ来ない。」
何かで遣いたい言い回しだ。
そうしてついに漱石は、あまりの 100 年の終らなさに (もしくはとっくに経ったと思っているのに女が現れないので)、「もしや女に騙されたのでは……🥺🥺」 と思うようになる (にしては待ちすぎな気もするが)。
そこへ真っ白な百合が、漱石の方に向けて急激に成長していく。まるで人間が歩いてくるようなスピードだ。
そして漱石の鼻の先で満開になり、芳香を 200% 放出した。
"真白な百合が鼻の先で
骨に徹えるほど匂った。"
信じられない。
「骨に徹えるほど匂った」 だと!?🤯🤯
どうしたらそんな表現を生み出せるのか。
私には一生かかったって無理である。
鼻先から吸い込んで、それが骨身に染みる (この一般的な表現は遣わず、「骨に徹えるほど」!) ほど香るなんて、渇望感がよく現れているし、神経どころか骨まで貫通してしまっているのだ。
そこまで香ってたら抗いがたいくらいで、そらぁ花弁に接吻くらいしてしまうよなぁって感じもする。
「百年後に会う (合う)」 = 「百合」 ということで百合の花が出てくるようだが、正直漱石が女と会えたかどうかは微妙なところで、それをきちんと 「百年はもう来ていたんだな」 と表現している。
女そのものが出てきたなら、暁の星を見るまでもなく 100 年後が到来したことに気付いただろうが、百合の花と暁の星の瞬きを見て初めて気が付いたのだ。
もしかしたら、100 年待っていた今までは、本当に暗い夜に星一つなく、日が出ていない間は真っ暗で、ただ太陽がのっと出て外周をゆっくり周って消えて闇が来る、というような世界だったのかもしれない。
そこの描写はないので分らないが、夜明け前にひとつだけ瞬く星が 100 年の終りを告げるひとつのサインであったのは確かなのだろう。
というわけで、話の構成云々というより、モチーフとしての美しさ、ほぼ 100 年待ったのに 「騙されたのか!?」 と思う切なさ、女の気まぐれさ (そしてちょっとウソやん😁)、本当の本当はよく分らない感じが夢っぽくていいのではないだろうか。
この上なく美しい物質で構成した、この上なく美しい (女の) 物語だ。
とりあえず私の解釈はこれである。
そんな感じで私の 1 つのバケットリストが消化された😁😁



今後も何版か (個人的) 改訂を加えながら重版していこうと思っている。
備忘録に使った紙を書いていく。
最近 TAKEO で買ったものに関しては色名まで判明しているが、昔に買って保有しているものは 「これかな~?」 とネットで調べたものを記載している (インターネット様様)。
グムンドカラー マット No. 59
アートドリープ 紫雲
フレンチマーブル ローズ
羊皮紙
クロマティコ 黒
フリッター
シープスキン 白
里紙 あじさい
星物語
テーラー 朱
グッピーラップ
キュリアス IR?
ハンマートーン GA 極・焦茶
ウーペ ヴェルート
ダイヤボード HA2024 & タント
スタードリーム & レザック 80 ツムギ
新だん紙 濃鼠
タントセレクト H-64
ファーストヴィンテージ ターコイズ
キュリアスメタル?
やわらがみ 鳥の子 金振り
やわらがみ 花いろいろ 白
エルマーメイド
グムンドカラー マット No. 59 (表紙と同じ)
結構廃盤の紙もあって残念だなぁ。
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いただきましたサポート費は、面白い素材の購入費に充てさせていただければと思います。
ご支援誠にありがとうございます (^^)