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「“絶対に雨の日は出かけないでください”と伝えた夜──占い師の私が視た未来の断片」

占い師をしていると、時折「見えてしまう未来」に遭遇します。
それは希望に満ちたものばかりではありません。
ときに、人の命に関わる、重たく、静かで、消し去りたくなるような“警告”のような未来です。

この物語は、ある雨の夜、私が「視えてしまった未来」と「たしかにそこにいたのに記録が残らなかった女性」の話です。
最後まで読んでいただければ、“あなたの直感が教えてくれること”の意味が、少し見えてくるかもしれません。

【第一章:予約のない来訪者】

その日は、朝から空気が妙にざわついていました。
曇り空でもなく、晴れでもない。気圧は落ち着いているのに、心の奥にだけ小さな不安が渦巻いていたのを、私は今でも覚えています。

夜7時過ぎ、閉店準備を始めたそのとき・・・
風鈴が「カラン」と鳴って、女性がひとり、静かに扉を開けて入りました。

彼女は50代くらい。濡れてもいないのに、どこか“雨のにおい”をまとっていました。
予約はなかったはずです。でも私はなぜか、「どうぞ」と席に招いていました。

その時点で、すでに私は“視えない何か”に誘われていたのです。

【第二章:カードに浮かんだ“終わりの景色”】

相談内容は、ごく普通のものでした。健康、家族、仕事…。
けれど鑑定を開始した瞬間、私の中に“別の映像”が突き刺さるように飛び込んできたのです。

雨。
夜。
ヘッドライトの光。
そして・・・白い傘が、空中でゆっくり回転する様子。

私の心臓はその場で一瞬止まりました。
はっきりと視えていたのです。彼女が数日後、交通事故に巻き込まれる未来を。

けれど、それは“まだ決まっていない未来”。
私は、占い師としての葛藤と向き合うことになりました。

【第三章:「雨の日は出かけないでください」】

私は彼女に、直接「事故に遭う」とは言えませんでした。
代わりにこう伝えました。

「今週、特に雨の日は、できるだけ外出を控えてください。
特に夜の時間帯、傘をさして出歩くのは避けてください。」

彼女は一瞬、驚いたような表情を浮かべたものの、静かに頷いて帰っていきました。

私はその夜、妙な違和感とともに眠りにつきました。
・・・本当に、彼女は存在していたのか?

【第四章:記録のない鑑定】

翌日、私はふと気になって、鑑定の予約台帳を見直しました。
けれど、昨夜の女性の記録はどこにも残っていなかったのです。

名前も、連絡先も、記録用紙も空白。
鑑定料も受け取ったはずなのに、レジにはズレがない。

さらに、店内の防犯カメラには・・・
私が「ひとりごとを話している姿」だけが映っていたのです。

私は、戦慄を覚えながらも、なぜか不思議と怖くはありませんでした。
ただ、何か“必要な出会い”だったと、心のどこかで確信していたのです。

【最終章:一通の手紙】

一週間後。
差出人不明の、淡い香りのする封筒が届きました。

先生の言葉に従って、雨の日に外出を控えました。
その夜、近所で大きな交通事故がありました。
傘をさして歩いていた女性が……
あのまま私が外に出ていたら、きっと私でした。

便箋に名前はなく、差出人の住所も記されていませんでした。
ただ、文字の隅に、小さな水滴のような染みがありました。

それは、雨だったのか、それとも……彼女の涙だったのか。

未来は「変えられるもの」

未来とは、ひとつではありません。
占いで視える未来は、「可能性の断片」であり、あなたがどの道を選ぶかで、運命は大きく変わります。

そして、時としてこの世の存在ではない誰かが、“未来を変えるため”に会いにくることもあるのです。

あなたの直感がピンときたときは、きっとそれは“守られている証”。
見えない存在たちは、いつもあなたの傍にいます。

もしあなたが、未来に不安を感じたり、自分の進む道に迷ったときは──
どうか、独りで抱えず周囲に助けを求めてみてください。
その道の先を、そっと照らす光になれるよう、今日も祈っています。

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