ビタミンEは体にいい」は、半分正解で、半分誤解だった。
これまで、ビタミンCについてお話ししてきました。
「風邪にビタミンC」の本当のところ。サプリの選び方。
今日から、次の栄養素に進みます。
ビタミンA・C・E、いわゆる「ビタミンACE」。
でも今回は、あえてA→C→Eの順ではなく、C→E→Aの順で見ていきます。
Cを知ると、抗酸化とは何かが分かる。
そこでEを知ると、性質の違いが見えてくる。
そして最後にAまで見たとき、「なるほど、だからACEなんだ」とつながる。
そんな順番にしたいと思っています。
⸻
■ 結論
ビタミンEは、体を酸化から守る、大事な栄養素です。
ただ、「抗酸化だから、多く摂れば摂るほどいい」というのは誤解です。
そして、ビタミンEには、単独では語れない、ある「相棒」がいます。
⸻
■ 根拠
① 「多く摂れば健康にいい」を覆した、大規模な研究
35,000人以上の男性を対象にした、SELECTという大規模な研究があります。
高用量のビタミンE(1日400IU)を摂り続けた人たちは、何も摂らなかった人たちと比べて、前立腺がんのリスクが17%高くなりました。
さらに、もともと体内のセレンという栄養素が少なかった人では、リスクが63%も上昇したというデータもあります。
「抗酸化サプリ=体にいいもの」というイメージを、根底から覆す結果です。
② ビタミンEには、「相棒」が必要
ここからは、分子栄養学的な視点でお伝えしたいことです。
ビタミンEは、体の中で活性酸素を無害化する働きをします。
でも、この働きをすると、ビタミンE自身が酸化して「錆びた」状態になってしまいます。
ここで登場するのが、ビタミンCです。
錆びたビタミンEに、ビタミンCが働きかけると、ビタミンEは元の元気な状態に戻ります(還元されます)。
この「抗酸化ネットワーク」があるおかげで、少量のビタミンEでも、効率よく働き続けることができるんです。
つまり、ビタミンEだけを単独で大量に摂ることより、ビタミンCと一緒に摂ることの方が、理にかなっているということです。
③ 「天然」か「合成」かで、中身が違う
ビタミンEのサプリを選ぶときは、パッケージの表示に注目してください。
天然由来のものは「d-α-トコフェロール」、合成のものは「dl-α-トコフェロール」と表記されます。
「d-」と「dl-」、一文字違いですが、体への働き方が異なります。
天然由来の「d-α」、それも「ミックストコフェロール」(複数種類のトコフェロールを含むもの)と表記されたものを選ぶのがおすすめです。
⸻
■ アクションプラン
👉 パッケージの表示で「d-α」「ミックストコフェロール」を確認する
「dl-」から始まるものは合成タイプです。まずはここを見る習慣をつけてください。
👉 ビタミンE単体で高用量を摂り続けない
特に、血液を固まりにくくする薬を使っている方や、持病がある方、手術の予定がある方は、自己判断で追加せず、医師や薬剤師に相談してください。
👉 ビタミンEを摂るなら、ビタミンCとセットで考える
抗酸化ネットワークを活かすなら、単独より組み合わせです。
ビタミンCは体外に出やすいので、タイムリリース型や、脂溶性タイプ(パルミチン酸アスコルビルなど)と組み合わせると、血中濃度を維持しやすくなります。
⸻
ビタミンEは、ナッツ類、種実類、植物油、アボカド、魚介類などの食事からも摂れます。
私が栄養を見るときに大切にしていること
私は、
「何を足すか」だけではなく、「今の食事で何が足りているか」
を見ることを大切にしています。
ビタミンCもそう。
ビタミンEもそう。
鉄も、マグネシウムも、B群も同じです。
「○○が良いらしい」
という情報を見つけると、すぐに買いたくなりますよね。
でも、その前に一度、
「私は本当に必要なのかな?」
と立ち止まる。
そして、
食事・生活習慣・体調などをまとめて考える。
この視点があると、サプリ選びで迷いにくくなります。
「足りないかも」とすぐサプリに頼る前に、まず普段の食事を振り返ってみることも、大事な視点です。
⸻
「抗酸化だから、たくさん摂れば健康になる」
これも、半分正解で、半分誤解でした。
大事なのは、量ではなく、質と組み合わせ。
これも、結局は「本当のところを知る」ということにつながっています。
次回は、ビタミンAについて見ていきます。
最後にAまでたどり着いたとき、「ACEって、こういうことだったのか」と思ってもらえたら嬉しいです☺️
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! 