宥坐之器
夏の散歩道、汲みすぎると、ひっくり返る桶と出会った。
はじめは、空っぽで傾いている。
柄杓で水をひと汲み、スカスカ。
ふた汲み、半分もいかない。
さん汲み、よん汲み、ご汲み、ろっ汲み。
何度、柄杓で水を汲んだか。
一杯の柄杓では、中々桶を満たせない。
ある程度、汲むとようやっとバランスを保った。
そして、まもなく、くるんと桶は回った。
満ち足りて驕り高ぶると必ず失敗する。
汲める、まだ汲めると汲むとひっくり返って、何も残らない。
ただ、柄杓は桶に比べ、小さかった。
満ち足りる道すら一苦労、満たせない。
教えとは違うけど、、、私はそうも思った。
夜の道、とんかつ定食を選んだ。
キャベツとご飯と味噌汁がおかわりできるお店。
食べ始めて、すぐにおかわり。
気をよくして、また3度目のおかわり。
すると、ご飯もキャベツもすべて山盛り。
キャベツが皿からこぼれている。
人生を汲む柄杓が大きいこともある。
そこも教えておいて、ほしかった。
