ブルーイ(インコグニート/シトラス・サン)と友人西田さんの「ワン・ラヴ」「ワン・ハート」の輝き~音楽のもとにひとつのネーション
↑トップ写真は、ブルーイと西田さん、2020年ブルーノート・ミラノで撮影したもの
ブルーイ(インコグニート/シトラス・サン)と友人西田さんの「ワン・ラヴ」「ワン・ハート」の輝き~音楽のもとにひとつのネーション
【Bluey Of Incognito/Citrus Sun Send Message To One Love-One Heart-Friend Mr. Nishida on Final Day of Stage】
■次世代へのメッセージ
ストレスの多い現代社会。音楽やスポーツは、ストレスを解放する作用があることが、科学的に証明されているらしい。ということは、音楽を趣味にしているということは、ストレス軽減にも大いに役立っているということになる。その中でも、自分が好きになったアーティストを追いかけ、世界中を旅して、そのライヴを浴びるということは、まさに最高のストレス解消になり、生きる上でのエネルギーになりそうだ。
インコグニート、シトラス・サンのリーダーでもあるブルーイ・モニックが、来日していたシトラス・サンの4日間(2025/5/2-5/5)の最後のショー。そこで、友人でもある西田徹さんを指さしステージ上から語りかけた。
これが西田さんだけでなく、観客全員、あるいは、音楽ファン全員に向けても意味のあるとても普遍的なメッセージだったので、西田さんの許可をもらい、ここに転載する。
西田さんは来日公演はほぼ全公演足を運び、過去15年は、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、フィラデルフィア、ベルリン、レバークーゼン、ドイツの他都市、シンガポール、オランダ、ベオグラードなどにもライヴを見に行く根っからの「インコグニート・マニア」である。ブルーイからは、「モースト・トラベルド・ファン」(もっとも旅するファン)と呼ばれるほど長く親交を持っている。
彼は定年後、世界見聞を広げるためマクドナルドで仕事を始めており、食事をしたときにその話をブルーイにしたという。
■マクドナルドのつながり
(以下、西田さんのSNSより)
最終日の2nd showの最後の曲の前、Blueyがステージからいきなり僕を指差し、こう語り始めた。
「貴方はこれまでに多くのことを成し遂げ、そしてマクドナルドで働き始めた。そうしなければならなかったのではなく、色々な形で人々と仕事をする経験を積みたかったからだろう」
「一方、かつての私は音楽活動の合間に仕事をせざるを得なかった。そして70年代にはロンドンのマクドナルドで働き、トイレ掃除までした」
この時点では、英語がわかる人たちも、一体何を話し始めたのだろうと思ったに違いない。そしてBlueyは続ける。
「でも気にならなかった。それが永遠に続くわけではなく、いつの日か音楽を演奏しながら世界中を旅したいと思っていたから」
「そして音楽を作る機会を与えられ、皆さんにサポートされて夢を叶えてもらい、お互いがとても大切な存在となっている」と話す。
そして、終演にあたって最後の挨拶の中では、
「この美しい国に貧困などないように見えますが、実際には助けを必要としている人々がいます」
「彼らを気遣い、高齢者を気遣い面倒をみてください。でも何より大切なのは、あなた方の子ども、孫、ひ孫の世代です。そこには未来があるからです」
「今の時代、世界は混乱しており私たちには変化が必要です。若者たちに明るく輝いていて欲しいから、携帯電話に夢中にさせることなく、彼らの人生に寄り添ってください」
「彼らに美しいものを見せ、様々なことを経験させてあげてください。人生の素晴らしさ、愛の素晴らしさを感じさせてください。そうすれば、彼らは人生においてより明るく輝いていくでしょう」
彼の語りには近年特に重みがあり、場内でその意味を理解する人たちの中には、涙する人が数多くいる。
音楽のみならず、彼の思いが人々の心を惹きつける。そんな点でも素晴らしい4日間のショーだった。
そしてこの前日の公演3日目には、久しぶりにBlueyとペアルックでツーショット写真を撮った。
ずっと変えずに使っているFacebookのプロフィール写真を撮った頃から、10年以上経過したと思うと、感慨深いものがある。
(ここまで西田さんのSNS[Facebook]から)

(ツーショット写真)
~~~~~
■日本のオーディエンス
ブルーイがミュージシャンとしてはまだまだ売れなかった頃にマクドナルドでアルバイトをしていたとは知らなかった。
また西田さんによると、ブルーイはとくに日本のオーディエンスを特に大切に感じていると語っていたという。
日本のオーディエンスは、なにより自分たちの音楽をしっかり真剣に聴き、体を揺らし、きちんと評価してくれる。これは他の国ではあまりないという。イギリスのジャズ・クラブでも静かな曲になると音楽が会話のバックグラウンドになってしまうことさえある。それが日本ではどんなスローの曲でもみんなしっかり聞いている、というわけだ。
確かに、コンサート・ホールではない、レストラン・ライヴハウスでのライヴだと海外ではそうかもしれない。
~~~~~
■おじいちゃんの教え
ブルーイには僕も何度かインタヴューしている。その中で、一番好きな話は2002年に聞いたこれだ。
ちょうどそのときの最新作についての話だった。ブルーイは、10歳頃まで、インド洋の小さな島モーリシャスに生まれ、育っていた。その後、ロンドンに行くがそのモーリシャスにいた頃、おじいちゃんから得た教訓を話してくれた。
「おじいちゃんは僕にこう言ったんだ。いいか、太陽が朝昇るだろう。 そして、太陽に真正面に向かう。太陽はさんさんと輝く。太陽の日を あびれば気持ちいい。だが、後ろを見てみるがいい。後ろには、黒い影がある。それは、人生と一緒なんだ。真正面を見れば、とてもいいことがあっても、後ろにはなんらかの黒いトラブルがある。いいことと悪いことはいつも一体になっているんだ。気をつけなきゃ、いかん。 それでもな、嫌なことがあって落ち込んだとしてもだ。夜が終わり、 また朝になれば昨日と同じように必ず太陽は上がってくる。昨日のトラブルなんかも、今日、朝、太陽が上がってくれば、どこかに飛んで いってしまう。そう教えてくれた。そんなメッセージを託したのが、 『モーニング・サン』という曲なんだ」
~~~~~
■ファン歴30年
西田さんがインコグニートのCDを買ったのは1992年頃、初来日こそ行けなかったが、渋谷クアトロ、1990年代後半以降のブルーノート東京でのライヴから通うようになったという。
そして、今では世界までおっかけだ。一人のアーティストを徹底して追っかけ、その音楽を楽しみ、ときにそのアーティストと食事のテーブルを囲むほどの仲になるなどというのは、なかなかできることではない。彼は、「ブルーイのおかげで、世界の普通だったら行かないような街を訪ねることができた。感謝している」と言う。
まさにブルーイがライヴ最後にかけるボブ・マーリーの「ワン・ラヴ」「ワン・ハート」のような小さなつながりが、ブルーイと西田さんの間にはさんぜんと輝いているようにみえる。
~~~~~
■インコグニート関連の記事 (一部)
上記のインタヴューを含め、ブルーイ関連の記事がまとめてでているフル・ブログ。いずれ、ブルーイ関連記事を大々的にまとめてみたいと思う。
モーリシャス出身といえば、インコグニートのブルーイ そのモーリシャスの海岸が今重大な危機に
Soul Searcher
2020年8月14日
シトラス・サン前回のライヴレポート
シトラス・サン~ブルーイの音楽性を拡張しているユニット
2023年7月27日
インコグニート/ブルーイ40年超のキャリアを集大成した8枚組CDボックスセットを2021年11月19日発売
Soul Searcher
2021年10月9日
インコグニート・ライヴ:イタリア人シンガー、ロベルタをお披露目
2017年12月26日(火)
インコグニート・ライヴ、安定の超満員と熱狂
2016年10月14日(金)
(ここに過去関連記事一覧、さらに、過去記事一覧も)
シトラス・サン~パート3~ブルーイとチャット
2016年04月20日(水)
(ブルーイがジェームス・ブラウンと共演したときの話。これはおもしろい)
ENT>ARTIST>Bluey
ENT>ARTIST>INCOGNITO
ENT>ARTIST>Nishida, Toru
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
