「その設定、縛りプレイかも?」─ダメとは言いたくないけどRP難易度が高いキャラ造形について
突然ですが、あなたはゲームを始める時、まずどんなキャラを選択するでしょうか?
ほとんどの人は、ありふれたつまらない選択肢であったとしても、初心者向けで無難なキャラを選択するのではないでしょうか。
でも中には、いきなり上級者向けのキャラをそれと分かった上で選択する物好きもいます。
もどかしさや苦労などを楽しむ…それだって、遊び方の一つ。
自分と周りが楽しめるならそれでいいんです。
ただし、「難しくて扱いきれないキャラ(PC)を選んで動かして、思い通りにいかないからといって、他人や舞台そのものに尻ぬぐいを求めない。自分で、きちんと折り合いをつける」
これが筆者が大切だと思っていることであり、
「じゃあ、どんなキャラの難易度が高いの?どうして高いの?」を考えていこう、というのがこの記事の目的です。
その1:コミュニケーションがむずかしいPC
極端に無口、天の邪鬼、特定の人としか話さない、など。
自らにハンデを課している、もっともよくいるパターンです。
喋れないのでスケッチブックで筆談する、身振り手振りを地の文で描写する…というようなキャラを縛りプレイの如く楽しみ、うまく動かしている人は存在しますし、とても良いと思います。
一方で慣れないうちは言いたいことが言えず苦しむことも多々あるでしょう。
しかし自分で選んでプレイしている以上は、描写や(プレイヤー、PLとしての)フォローを十分にしないまま、察することばかりを他人に求めないことが大切です。
自分から話しかけず周囲の誘いにも応じないだとか、
相方以外はどうでもいい、といったPCは、かなり印象が悪いですし、
どう関わればいいか周囲が困ってしまいます。
他人は自分の鏡ですから、感じの悪い人には感じの悪い反応が返ってきてしまいます。これはリアルでもなんら変わらない事実だと思います。
……というわけで、💡初対面のPCとでも難なく、最低限のコミュニケーションが取れる。できれば喋りやすい。
やっぱりこういったPCがおすすめですね。
相手PCと仲良くなる、自分のPCを好きになってもらう…といったことに対するハードルが下がる、ということですから。
もし思い通りにいかなくて、拗ねたり病んだりして周りに当たりそうになったら、ゲームやSNSから少し離れてみましょう。
やってしまうと、余計に人が離れていってしまいます。
その2:世の中の大半の人ができることが、できないPC
突然ですが隻腕って格好いいですよね。歴戦の戦士キャラ、良いですよね。
でもRPの場面だと、手を差し出されても握手できない!とか、意外に困るシーンもあったりしそうじゃないですか?(※隻腕がダメというわけじゃないですよ!)
それと同じで、PCを作るとき、殆どの人ができることができないPCは、それが一般的なことであればあるほど、描写上制限がかかるシーンが多くなるかもしれない、ということを、ちょっと頭の隅に置いてみてほしいんです。
食事をとることができない、睡眠をとることができないなども、和気あいあいと食卓を囲むPCたちの近くで寂しげに佇まなければならなかったり、
「なんかごめんね。私たちだけご飯食べちゃって」と気まずそうにされたりするかもしれません。
睡眠をとれないPCであれば、一人で夜の見張りをしなければならないシーンもあるかもしれません。生活感のあるRPをする場では周囲と同じ楽しみを共有できず、もどかしい思いをする人もいるでしょう。
あるいは、常に体調や精神が限界で頻繁に苦しみだしたり、幼児など肉体・精神的な問題で自分の意思で動けない。
こういったことを「PCの乗り越えるべき問題」として設定に導入するのは味ではありますが、一方でなかなか大変なことも多いです。
こういったPCを設定合わせ等でやる人も多いとは思いますが、そうすると「相方がいないときどうするの?」という問題が立ちはだかります。
そういう時、周囲のPCがあなたのPCを喜んで手伝い、ケアしてくれるかどうかは、あなたがRPで周囲を尊重するように動けているか次第で決まります。
1でも述べた通り、あまりにも非情な現実が突き付けられる可能性もあるため、💡大半の人ができることができないPCをあえて動かす場合、動かす場面や条件を限定したり、「他のPCの出番や時間を、奪いすぎていないかな?」と、普通のPCよりも動かし方に気をつけてみることをおすすめします。
その3:自分のスタンス・適正に合っていないPC
RPでは、自分と全く違う性格のPCを演じるのも醍醐味の一つです。
現実の自分とPCが、瓜二つの人格である必要はありません。
むしろあまりに自分や自分の理想とPCに投影・感情移入しすぎると、知らず知らずのうちに哀しき化け物になってしまう可能性があるので、むしろ「基本的には、自分とは違う少し遠い存在」くらいにとどめておいた方がいいです。
でも、「PLとしての自分は喧嘩やピリピリした雰囲気がすごく苦手なのに、
PCは他のPCが相いれない行動やその場にそぐわない行動をとって、対立を呼んでしまう」
……こういうPCはどうでしょうか?
これは、後になってかなりツラくなる可能性が高そうだと思いませんか?
平和な舞台で血を求め、自己中心的にどこでも人に襲い掛かるだとか、
殺伐とした舞台で非戦平和主義を掲げるだとか……
そういうことも議論や対立を呼びますから、「プレイヤーの適正に合っていないPC」にあたります。
「でもそれじゃ無難で丸いPCになっちゃうよ!」と思うでしょうか?
確かに「みんながやっている=つまらない」と嫌がる人はいますが、実は多数派は、ものすごくいいんですよ。あなたのPCの立場や行動を理解し、仲良くしてくれる可能性のあるPCが多いってことですから。
協調しにくい異端は辛いですよ。
ということで、ここは💡動かす機会が多いPCであればあるほど、自分の適性やスタンスに合ったPCをおすすめしておきたいところです。
もちろん中には、人見知りなのに社交的なPCを演じられる降霊術師のようなプレイヤーも存在はするようなのですが、
たいていの場合はPCが引き起こす展開に現実の自分が耐えることのできる、あまり無理をしなくていいPCの方が、動かしやすいですよ。
その4:世界(システム・世界観そのもの)に、挑戦しすぎているPC
世界の理と戦う…響きだけでいえばカッコイイですが、これはとてつもないジレンマを生み出す爆弾といえます。要は辻褄の合わないものを、あえてキャラの設定として選んでいるということです。
たとえば、
システム的にはステータスが均一なのに、設定上は"最強の存在"。
好きになるかどうかは相手の自由なのに、"誰からも好かれる"と言い切る。
強大な存在を自称しても、ゲームシステム上ではその辺の他人や雑魚モンスターにアッサリ倒されてしまうことだってあるわけですから、この大きな矛盾は自分でなんとかしなければなりません。
でも、「確定RP描写を押し付けて他人を自分の思い通りに動かそうとする」、あるいは「負ける可能性があるなら戦わない」選択をしてしまう人も多いのではないでしょうか。
前者が嫌がられるのは周知のとおりだと思いますが、後者にしても、
もし戦いもしない人が腕組みをして高い所から「俺は本来の力を出していないから」とか、「小さなことで争って、バカみたいなやつらだ…」とか言いながら見下されたらどうでしょうか?
当然、良い気はしませんよね。
カッコイイ描写をした!と思っていい気分になっているのは本人だけですから、本当に「カッコイイ!」と思われたい、あるいは周りに慕われたいのであれば、この行動は逆効果だと言えます。
もちろん、「強さ」「人を惹きつける魅力」を表現するためにまずPLとして上手くなる!という心意気があるならそれはそれで良いと思いますが、
世界とはなるべくあまり戦わず、💡周りのPCと対等な関係で楽しく遊べるようなPCをつくることをおすすめします。
その5:RPに落としどころがないPC
PCを魅力的にしようとするあまり、「特殊で強力な能力」をたくさん詰め込んだり、「絶対に譲れない目的」を完璧に固めすぎる……
そんなこと、ありますよね。
一見かっこよく見えるんですが、実は隙や落としどころのないPCは他のプレイヤーから関わるきっかけを奪ってしまい、結果的に自分が一番損をしてしまうことになります。
たとえば「私のPCは切実に世界の破壊を望んでいるから、世界を崩壊させてください」「私のPCは絶対にあなたのPCを抹殺することを望んでいるので、そうさせてください」といった、絶対に譲れない(落としどころのない)目的のために他のPCや世界観の事を考えないPCは、思い通りにならなかった時にプレイヤー自身がすごく苦しくなってしまう上、周囲も追い詰められてしまいます。
他の例を挙げましょう。
「他人のどんな傷や呪いも治す・死んだ他人をよみがえらせることができる」といったPCやRPが良くないと言われるのはもうご存じかと思いますが、
死んでも自分が生き返ることができる、あるいは不死であればどうでしょう?一時間も寝れば重傷が治ってしまうとしたらどうでしょう?
これなら、他人に迷惑を掛けないので良さそうには見えますね。
でも、こういった設定や行いによって「命の価値」が下がり、その結果あなたが損してしまうかもしれない、ということを、頭の隅に置いておいてほしいのです。
「死なないなら、盾になってよ」「すぐ治るから大丈夫だよね」と仲間から雑に扱われてしまったら…寂しいですよね。
また、敵として立ちはだかっても「何をしても無駄だからスルーしよう」と諦められ、誰からも相手にされなくなる(災害扱いされる)という最も悲しい状態にだって、なってしまうかもしれません。
こういったことも設定が原因でそうなってしまうものですから、対処法がない・落としどころが無いと言えます。
簡単に死んでしまうかもしれない存在だからこそ、周囲も心配する。
傷が致命傷になるかもしれないからこそ、周囲も手当てをしたり看病しようとする。
…なんだか、強キャラにしないほうがおいしいシーンが多くなる感じがしませんか?
実は、そうなんです。美味しいシーンは、PCの「隙」から生まれるんですよ!
ですから、💡隙や落としどころを、ちゃんと持っているPCをおすすめしておきたいところですね。
おわりに
とかなんとか書いていますが、私はあまりにも問題の起きやすいPC設定やRP上の行為については、自分のパブボでは禁止しています。
だから、その外にまで自分の価値観を押し付けるつもりはありません。
でもこの記事は、かつての自分や同じようなことをしていた人に対して、
「ちょっと立ち止まって考えてみて!」と声をかけるような気持ちで書いています。
自分のキャラクターを特別な存在にしたくて、ついつい特殊な能力や重い過去といったトッピングを盛り盛りにしたくなってしまうこと、誰にだってあると思います。
「豪華な盛り盛りのパンケーキ」を作るのもそれはそれで楽しいけれど、時にはそれが胸やけを起こしてしまうこともありますよね?
実は、多くの人が求めているのは、おうちで食べるような「シンプルで素朴なホットケーキ」のようなキャラクターだったりするんです。
この記事を読んで、「自分が作ろうとしているPCは、少し平凡で地味すぎるかな?」と感じたとしても、どうか安心してください。
素直で協調性があり、一生懸命に世界を生きようとするあなたのPCには、その良さを見出してくれる仲間が、必ず現れます。
