『ウズラカメムシ』 イネ科植物に取り憑くカメムシ、そのちょっと間抜けな擬体術
鶉亀虫
(ウズラカメムシ)
カメムシ目、カメムシ科、ウズラカメムシ属の中型に分類されるカメムシである。
その名が示す通り、背中にある褐色と淡黄色が入り混じった細かな斑紋が、鳥類の鶉(ウズラ)の羽毛を思わせる柄である事から『ウズラカメムシ』の名が付いたもの。
一般的なカメムシが、やや平べったい五角形なのに対し、このカメムシは頭部が三角形にすぼんで前方へと尖っている事から、全体的にスマートな流線型をしているもの。
この体色と形は、彼らが取り憑く植物の種類となる『イネ科』に特化したものとなっており、これら植物に紛れ込むと、何処にいるのかすら分からなくなるほどの擬態術を見せつけるものとなる。
このカメムシの主食は、イネ科の植物の中でも特にエノコログサ、ススキ、イネ、などの植物に集まりその汁を吸うものである。
その生息範囲は、北海道から九州までの日本全国の河川敷、堤防、草地、農耕地の周辺など、イネ科の雑草が茂っている場所なら、どこにでもごく普通に見られるものである。
その活動時期は、主に5〜10月頃に活発に活動し冬には成虫の姿のままで、草の根元や落ち葉の下で冬を越すカメムシ特有の越冬昆虫の生態をもつ。
米に取り憑くと、『斑点米』(ハンテンマイ)の原因になる、いわゆる『イネ斑点米カメムシ類』の一種でもあり、お米の穂(イネの汁)を吸うと、その部分が黒く変色し、お米の品質を下げてしまう事から、農業の世界では警戒される害虫の一面も持っている。
ただし、このウズラカメムシの発生は散発的であり収量に大きな影響を与えるほどの多発リスクは比較的低いものとされている為、ウズラカメムシ単独での防除の必要性は低いとされるが、イネの品質低下が懸念される場合にのみ、適切な防除体制を敷く対象とされる。
このウズラカメムシの体に見られる特徴、流線型やウズラ模様は秋の実りの時期のイネ、ススキと完全な形の擬態となる。だが、緑が溢れる季節には逆に目立つという秋特化型、夏は役に立たない少し間抜けな擬態である。






和名 鶉亀虫
(ウズラカメムシ)
洋名 ビショップス ミトル シールドバグ
(BISHOP'S MITRE SHIELDBUG)
学名 アエリア フィエベリ
(AELIA FIEBERI)
分類 カメムシ目、カメムシ亜目、カメムシ科、
カメムシ亜科、ウズラカメムシ族、
ウズラカメムシ属、ウズラカメムシ種
種類 カメムシ類
体長 9mm
出現 イネ科の植物全般
イネ、ムギ、アワ、ススキ、エノコログサ、
ヒメシバ、チガヤ、カニツリグサ、
時期 5〜10月
分布 日本、(北海道、本州、四国、九州)
中国、朝鮮、ロシア
撮影 木津川河川敷
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