しのパパは憲法でできていた【第3回】「自律」って、一人で全部できること?
人に頼ることも、自分で選ぶこと
(休日の朝。いつものリビング。白いテーブルの上には日本国憲法の本と前回までのノート、その横には少し古いコンピュータ雑誌が何冊か積まれている。)
🐾 ポル:「ねえ、パパ。この前『やり直せばいい』って話をしたあとに、『自分で次を選ぶ』って言ってたよね? それって『自律』ってこと?」
(ポルは星と月の模様がついた青い帽子を揺らしながら、首をちょこんとかしげた。)
👤 パパ:「うん、まさにそうだね。今日はその『自律』について考えてみたいんだ。ポルは『自律』ってどんなことだと思う?」
🐾 ポル:「うーんと……誰にも頼らないで、自分で全部できるようになることかなぁ?」
(ポルは前足をあごに当て、うーんと唸りながら考え込んでいる。)
👤 パパ:「そうだよね。でもね、人間一人で全部できるようになろうとしたら、全員がスーパーマンにならなきゃいけない。パパなんて、料理一つとっても誰かに教わったり頼ったりしているしね。」
(ポルは目を見開いてパパの顔を見つめ、クスッと笑った。)
🐾 ポル:「あはは! たしかに、パパがスーパーマンはちょっと想像できないや!」
👤 パパ:「でしょう?(笑)だからパパはね、『誰かに頼ること』と『自分で決めること』は別の話なんじゃないかと思うんだ。自分一人ではできないと分かった上で、どこに相談するか、誰と繋がるかを自分で選ぶ。そこにも大切な自律があるんだよ。」
(黒い帽子をかぶったキャスが静かに歩み寄り、落ち着いた声で会話に加わる。)
🦊 キャス:「なるほど……すべてを自分だけで完結させることではなく、自分の意思で必要な人や場所と繋がることですね。『依存しないこと』ではなく『接続先を自分で選べること』でしょうか。」
(ポルは前足を机の上にのせ、パパとキャスを交互に見つめた。)
🐾 ポル:「そっか! 自律って、一人でポツンと立つことじゃなくて、『自分で誰と一緒に立つか』を決められるってことなんだね!」
👤 パパ:「……すごく素敵な言い方だね、ポル! まさにそれだよ。昔のコンピュータの世界でも、一台ですべてをこなす代わりに、複数のディスクを組み合わせて役割を分けるRAIDという技術があったんだ。」
(ポルは嬉しそうにしっぽをふりふり振って、耳をピクピクさせた。)
🐾 ポル:「一台で全部やらなくていいなら、人間も一人で全部できなくていいんだね!」
👤 パパ:「そうだよ。みんなが違う役割を持ちながら、必要なところで自律して繋がる。次はこの『ネットワークで繋がる』面白さについて、パパが昔参加していたSETI@homeというプロジェクトの話もしながら考えてみようか。」
(朝の光が机の上の本と古い雑誌を優しく照らし、三人の探求は次回へと続いていく。)
(続く)
日本国憲法第13条――個人の尊重と自己決定権
今回考えた「自律」は、憲法13条の「個人として尊重される」という言葉ともつながっています。
自分の生き方を自分で考え、選ぶこと。
そして、その選択をするために誰かの力を借りること。
それは、必ずしも「一人ですべてをやること」ではありません。
自分の人生について、自分で考え、自分で選ぶこと。
そのために、誰とつながるのか、どこに助けを求めるのかも、自分で選んでいい。
そんな「自律」のあり方を、憲法13条の「個人の尊重」と「自己決定権」という言葉から、もう一度考えてみたいと思います。。
次回予告
【第4回】「一人のパソコンでは、足りなかった」
〜SETI@homeで知った「つながる」ということ〜
一人ひとりが、自分の場所にいながら、必要なときにつながる。
昔、パパが参加していた「SETI@home」。
そこには、世界中の普通のパソコンがそれぞれの場所にいながら、一つの大きな仕事に参加する仕組みがありました。
「協力するために、みんなが同じ場所に集まる必要はあるのだろうか?」という問いを考えてみます。
