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しのパパは憲法でできていた【第6回】「一人ひとりが、ちゃんと『一人』であること」

「個人として尊重される」という言葉

(休日の朝。いつものリビング。白いテーブルの上には日本国憲法の本とこれまでのノートが並んでいる。パパは憲法13条のページを開いたまま、しばらく静かに眺めている。)

🐾 ポル:「ねえパパ、今日はまた13条に戻ってきたんだね?」

(ポルは星と月の模様がついた青い帽子をゆらゆら揺らしながら、パパの隣にちょこんと座り、首をかしげた。)

👤 パパ:「うん。第1回で『個人として尊重される』という言葉を見つけたとき『あれ? これってずっと自分が大切にしてきたことじゃないか』って思ったんだよ。」

(ポルは耳をピクッと動かし、不思議そうな表情を浮かべる。)

🐾 ポル:「でも、そのあと『やり直せばいい』とか『自分で選ぶ』とか『余白』とか、いろんな話をしてきたよね?」

👤 パパ:「そうなんだ。だから今日はもう一度13条に戻って『個人として尊重される』ってどういうことなのかを考えてみたいんだ。人には年齢や職業、成績みたいないろんな属性があるよね。」

🐾 ポル:「ボクなら犬、とか?」

👤 パパ:「そうそう(笑)。でもね、『犬だから』『先生だから』『不登校だったから』って属性だけで決めつけてしまったら、その人自身が見えなくなってしまうんだよ。」

(ポルは前足をあごに当てて、うーんと唸りながら考え込んだ。)

🐾 ポル:「じゃあ、『不登校の子』じゃなくて、その前に『その子』を見るってこと?」

👤 パパ:「まさにね。パパも昔学校に行けない時期があったけれど、カテゴリーだけで説明されたら苦しかったと思う。相手を属性で決めつけずに『あなたはあなたなんだね』と見ることが、個人として尊重することなんだ。」

(黒い帽子をかぶったキャスが静かに歩み寄り、落ち着いた声で対話に加わる。)

🦊 キャス:「昨日までの枠組みに閉じ込めず、相手を捉え直し続ける……第2回の『考え直すこと』は、他者を見るときにも必要なわけですね。」

👤 パパ:「そうだね。やり直していい、自分で選んでいい、誰かに頼っていい、余白があっていい。それらはすべて『その人にはその人の人生がある』という尊重から始まっているんだよ。」

(ポルはしっぽを嬉しそうにふりふりと振った。)

🐾 ポル:「そっか! パパの中に最初からあった大切な感覚を、憲法が言葉にして教えてくれたんだね!」

👤 パパ:「うん。だから『しのパパは憲法でできていた』なんだと思う。でも、まだ全部分かったわけじゃないから、これから先もずっと考え直していこうね。」

(朝の柔らかな光がテーブルの上の13条を静かに照らし出し、三人の温かな対話は次回へと続いていく。)

(続く)


今回の「憲法の言葉」

日本国憲法第13条――「個人として尊重される」

日本国憲法第13条には、すべて国民が「個人として尊重される」とあります。
人には年齢、職業、性別、成績など様々な属性がありますが、そのどれか一つだけでその人自身を説明することはできません。

個人として尊重するということは、「あなたは私が決めたカテゴリーだけではない」と認めること。
昨日の自分と今日の自分が違っていい。失敗してもやり直していい。自分の中にあった「その人にはその人の人生がある」という感覚を、憲法が「個人として尊重される」と言葉にしてくれていたのです。


次回予告

【第7回】「遊びがあるから、壊れない」

〜二輪車のギヤに教えてもらった「余白」の意味〜

昔、二輪車のメカニック経験の中で知った機械の「遊び(クリアランス)」。
あえて作られた「遊び」には、それぞれ深い設計思想がありました。
次回は機械のギヤを入口に、「余白は何のためにあるのか」をもう一度掘り下げます!

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