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社会との繋がりを取り戻す/不登校⑦

通信制高校は、オンライン対応が多めのコースに在籍していた。
スクーリングは時間割を見ながら調整できたので、フリースクールでのボランティアにも参加できたし。
なにより当日の朝まで体調が読めないふーさんには合っていた。

1日の過ごし方は、勉強時間こそ長くなったものの大きく変わらず。
中学校卒業とともに「不登校」という看板だけが外れていたので、なんとも不思議な感じだった。

不登校って、結局ただのラベリングだと改めて思った。


─────ほんの少し話は変わるけど。

卒業式直前、みーさんが大きく体調を崩して入院を余儀なくされた。


半年ほど前から兆候はあって学校も休みがちだったので、2人は一緒に過ごす時間が長くなっていた。

その生活が一変した。
毎日みーさんの面会に通う私と、家で独りぼっちのふーさん。
ストレスで体調の波が大きくなったことを、思春期外来の主治医も気にかけてくれていた。


高校生活に慣れてきた頃のこと。
このままではよくないと、一念発起したふーさんはアルバイトを決めて新たな一歩を踏み出した。

稼ぐことの嬉しさ。
年上の人たちに優しく受け入れてもらえたことでの安堵。
挑戦から生まれる達成感。

ポジティブな感情がふーさんの背中を押してくれた。


不登校の子は集団生活で揉まれていないので、ストレス耐性が低く、社会に適合できない。
「逃げた人間は使えない」ことにしたい世間の声は、正直まだまだ大きい。
通信制高校への偏見もある。

もちろん一理あるかもしれない。
だからといって、そんなものは「人による」としか言えない。

ふーさんは社会生活に戻れた。
周囲には不登校だったことを話していないけれど、そんなことを気にする人もいない。
学校という狭い箱よりずっと、社会は広くて寛容だ。


なんとかバランスを取りながら、長期入院を終えて。

そこから1ヶ月と少し経った頃。
フリースクールの校長から、「卒業生としてローカル番組の取材を受けてもらえないか」との連絡が入ったので快諾した。

校長、ディレクター、ふーさんの3人で事前にオンライン取材があって。
数日後の収録には私も入ることになった。

学校の勉強をしている姿。
始めたばかりのアルバイトに出掛けていく姿。
フリースクールでボランティアをしている姿。

家でのふーさんの様子は私が撮影したものだった。


ネット上で公開されてすぐ、ふーさんは思春期外来の主治医へとお手紙を書いた。
不登校を知っている人たちに見てほしかった。

主治医は「みんなの励みになりますね」と言ってくれて。
その言葉が、誰よりふーさんの励みになった。

目が輝いてるのが印象的だったと言ってくれた人もいた。
フリースクールの面談で「人に会うのが好きじゃない」と言っていたふーさんは、目に力がなかった。
持って生まれた魅力が戻って来つつあることを嬉しく思った。


こういった経験をさせてもらえるのは、言うまでもなくふーさんの頑張りあってこそ。
素敵な出会いや経験を運んできてくれた。

「フリースクールでエネルギーをもらって、そのエネルギーでチャレンジしてる」

少しずつ少しずつ積み上げてきたものが、形になり、自信になり。
ふーさんの生きる力になっていた。


───高校1年生8月の日記より

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