SNS時代に復活した新たなスーパーマン 『スーパーマン』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督が手がけた、新しい『スーパーマン』の登場。主演はデヴィッド・コレンスウェット。恋人ロイスを演じるのはレイチェル・ブロズナハン。ニコラス・ホルトが主人公の宿敵レックス・ルーサーを演じている。

■あらすじ
メトロポリスに現れたメタヒューマン「ボラビアのハンマー」との戦いに敗れたスーパーマンは、南極の孤独の要塞で体力を回復すると、再びメトロポリスに戻ってくる。だが背後でハンマーを操っていたのは、スーパーマンを倒すことに執念を燃やす億万長者のレックス・ルーサーだ。
ルーサーはスーパーマンの留守中に配下のハンマーやエンジニアと共に孤独の要塞に侵入し、保存されていたスーパーマンの両親のメッセージを見つけ出す。メッセージの後半は破損していたが、最新技術で修復した後半には衝撃的な内容が含まれていた。
クリプトン星が破壊される前にスーパーマンことカル=エルを地球に送り出した両親は、地球人の利用と奴隷化を期待していたのだという。ルーサーはこのメッセージをメディアに流し、世間はスーパーマンを地球への侵略者だと見なすようになる。
メッセージの後半はスーパーマンにとって寝耳に水。だがそれは紛れもない本物だった。
■感想・レビュー
スーパーマンが登場する映画としては、2017年の『ジャスティス・リーグ』(あるいは2021年に公開されたそのディレクターズカット版)に次ぐスーパーマン映画。スーパーマン単体の映画としては『マン・オブ・スティール』(2013)以来だ。
今回の映画の特徴は、物語を最初からは描かないことだ。この映画の世界では、すでにスーパーマンの存在が広く知られているし、これまでにも数々の活躍をしてきている。スーパーマンは普段は新聞記者のクラーク・ケントとして日常生活を送っているが、同僚のロイス・レーンとは恋人同士。レックス・ルーサーは登場した時からスーパーマンに敵愾心むき出し。この映画は、観客がある程度スーパーマンの世界観に慣れ親しんでいることを前提にしているのだ。
劇中にジャスティス・ギャングと呼ばれるスーパーヒーローチームが登場して、最初から「多数のスーパーヒーローがいる世界」になっているのも、今回の映画のユニークな点だと思う。今回の映画でスーパーマンは社会から拒絶され、非難の的になる。だが彼は孤独ではない。彼を信じる仲間たちがいるからだ。(忠実な愛犬クリプトだっている!)
劇中に登場する国際紛争がパレスチナ問題のメタファーぽいと評価されている映画でもあるが、僕はその部分にはあまり感心しなかった。億万長者のレックス・ルーサーがこの紛争に介入して利権を得ようとするあたりは、ルーサーをトランプやイーロン・マスクに重ねているのかもしれないが、僕はこうした点もあまり興味を持てない。
結局のところ、この映画はいろいろな要素を詰め込みすぎて、まとまりに欠けている気がする。それが「今の映画」なのかもしれないが、主役のスーパーマンすら詰め込まれた素材のひとつになって、物語全体を支える芯になりきれていないのではないだろうか。映画のクライマックスで活躍するのは、スーパーマンではなくミスター・テリフィックだ。
(原題:Superman)
TOHOシネマズ日本橋(スクリーン8)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
2025年|2時間9分|アメリカ|カラー
公式HP:https://wwws.warnerbros.co.jp/superman/
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt5950044/
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは映画代や書籍代に使わせていただきます!