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どこか懐かしい台湾の青春映画 『ひとつの机、ふたつの制服』

1997年、台湾・台北の高校を舞台に、ほろ苦さとときめきが詰まった青春群像劇が幕を開けます。名門校の夜間部に通う小愛(シャオアイ)は、同じ机を共有する全日制の生徒との「机友(きゆう)」の伝統を通して、敏敏(ミンミン)と運命的な友情を育みます。制服を交換し、学校を抜け出して、世界が広がる日々。恋の予感も芽生え、彼女たちの物語は思わぬ方向へ……。懐かしくも切ない、あの頃の記憶を呼び覚ます感動作です。

2025年10月31日(金)公開 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

■あらすじ

 1997年の台湾台北。母と妹の三人暮らしをしている小愛(シャオアイ)は高校受験に失敗して名門「第一女子高校」の夜間部に進学することになった。

 第一女子の全日制は誰もが知る名門校だが、夜間部はそれより成績が一段劣ることを同じく誰もが知っている。高校入学早々、これが小愛にとっての大きなコンプレックスになった。

 高校では全日制と夜間部の生徒が、時間を分けて同じ教室で学ぶ。そこでは同じ机を共有する全日制と夜間部の生徒が、「机友(きゆう)」という特別な関係になってプレゼントや手紙を交換し合う伝統があった。小愛の机友になったのは、敏敏(ミンミン)という生徒だった。

 彼女と親しくなったことで、小愛の学校生活は毎日が楽しいものへと様変わり。二人は制服を交換して学校を抜け出すなど、共に行動するようになる。

 そんな中、小愛はバイト先の卓球場に現れた路克(ルーク)という男子高校生が気になりはじめるのだが……。

■感想・レビュー

 脚本家のシュー・フイファンが自らの体験をもとに書いた脚本を(共同脚本はワン・リーウェン)、ジュアン・ジンシェン監督がチェン・イェンフェイとシャン・ジエルー主演で映画化した青春学園ドラマ。

 主人公たちが通う第一女子高校(省⽴第⼀⼥⼦⾼級中学)は実在する高校があり、劇中の制服や胸の刺繍の色などもこの高校のものをモデルにしたという。

 映画は1997年から始まるが、僕が高校に通っていた1980年代の日本に似かよった部分もあり、いろいろと懐かしい気持ちになった。ハート型に折った手紙のやり取りは僕も見かけたことがあるし、女子生徒がスカートを巻きあげて短くするのもどこかで見知っていたように思う。

 劇中には他にもさまざまな時代描写が織り込まれて、この時代を過ごした人たちの記憶を掘り起こしていく。日本人にもわかりやすいのは、主人公がニコール・キッドマンの大ファンだというエピソード。当時の彼女はまだトム・クルーズと結婚していたのだ。

 おそらく台湾人の観客にとって決定的な時代描写は、劇中に1999年の「921大地震」が再現されていることだと思う。台湾中部を震源とするマグニチュード7.6の地震は2,400人を超える犠牲者を出し、台北でもビルが倒壊するなどの大きな被害が発生した。地震についてよく知らない僕でもこの場面はヒヤリとするので、映画を観ていた台湾の観客はゾッとしたと思う。

 この地震の場面に限らず、昼夜二部制の高校や、大学入試制度の仕組みがよくわからないなど、本作には日本人観客に直感的にわかりにくい部分も多い。また主人公と同じクラスで隣の席になる年上の生徒など、物語に絡んできそうで放置されているキャラクターもいてもったいない気がした。手紙の代筆をするビデオ屋の店員との関係も、ちょっとわかりにくい。

 全体としては、決して悪い映画ではないと思う。よい映画だ。だが僕にはあと少しの物足りなさが残る。

(原題:夜校女生 The Uniform)

新宿武蔵野館(スクリーン1)にて 
配給:ムヴィオラ、マクザム 
2024年|1時間49分|台湾|カラー 
公式HP:https://www.maxam.jp/hitofuta/
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt33708235/


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