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ジョン・ウィックが脇に回った番外編 『バレリーナ:The World of John Wick』

家族を暗殺教団に奪われた少女イヴ・マカロが、復讐のために殺し屋の世界へ足を踏み入れる──。アナ・デ・アルマス主演の『ジョン・ウィック』番外編は、『パラベラム』と『コンセクエンス』の間を描くスピンオフ。序盤のテンポの悪さにやや難があるものの、中盤以降は雪景色を舞台にした「火炎放射器VS火炎放射器」の白熱アクションなど、唯一無二の見せ場が炸裂する。シリーズファンなら必見の一作だ。

2025年8月22日(金)公開 全国ロードショー

■あらすじ

 家族を謎の殺し屋集団に殺され、たった一人になった少女イヴ・マカロ。彼女の父はヨーロッパ某国に拠点を置く暗殺教団の幹部メンバーだったが、娘や家族と共に教団を脱出しようとして妻を殺されている。だが身を潜めてひっそりと守られていた父と娘の平和な暮らしは、暗殺教団によって奪われた。

 生き延びたイヴは、かつて母が所属していた暗殺組織ルスカ・ロマに引き取られる。だがそれは、イヴもまた暗殺者への道を歩むことを意味していた。イヴは組織の中でめきめきと頭角を現す。そしてかつて自分と父を襲った暗殺教団の手掛かりを見つける。

 ルスカ・ロマと暗殺教団は共に長い歴史を持つ暗殺組織であり、衝突を避けるために相互不干渉の協定を結んでいる。イヴが復讐のために動けば、全面戦争になりかねない。イヴはニューヨーク・コンチネンタルの支配人から情報提供を受け、教団本拠地に近いプラハへ。衝突までの時間は、刻一刻と近づいていく……。

■感想・レビュー

 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2001)で素晴らしいガンアクションを見せた、アナ・デ・アルマス主演の『ジョン・ウィック』シリーズ番外編。物語の時系列としては、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)と『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)の間に起きた出来事という設定で、キアヌ・リーブス扮するジョン・ウィック本人も登場するから、シリーズのファンは観ておくべきだ。

 アクションシーンの見せ場は多いが、映画導入部から中盤まではテンポの悪さが気になった。中盤以降でこれがあまり気にならなくなるのは、「この映画はこういうものだ」と諦めて割り切るようになったからで、テンポが良くなるわけではない。

 映画序盤については、アバンタイトルがだらだら長く続いているような雰囲気だ。病院のシーンからはじまって、そこから回想で襲撃シーンになる段取りは悪くないが、ここからが長く感じる。主人公イヴが殺し屋になることは最初からわかっているのだから、そこはもっとテキパキ片付けても良かった。

 物語が加速するのはイヴが暗殺教団の村に入って以降。村の住民全員が暗殺教団の信徒で殺し屋というアイデアは面白く、逃げても逃げても逃げ場がないというノンストップアクションは手に汗握ることになる。中でも「火炎放射器 VS 火炎放射器」というアクションは、これまで他の映画でも観たことがない。どこまでがスタントでどこからVFXなのかわからないが、村全体の雪景色と炎熱のコントラストも効果的で、本作最大の見せ場になっていると思う。

 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のアナ・デ・アルマスに大喜びした映画ファンにとっては、待ちに待っていた映画だ。だが彼女がイヴ・マカロというキャラクターを演じるのは、おそらく今回これ限りのはず。物語は続きが作れそうな終わり方だったが、これは『ジョン・ウィック』シリーズのお約束なのだろう。

(原題:Ballerina)

ユナイテッド・シネマ豊洲(11スクリーン)にて 
配給:キノフィルムズ 
2025年|2時間5分|アメリカ|カラー 
公式HP:https://ballerina-jwmovie.jp/
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt7181546/

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