多様性を問う現代の寓話 『ズートピア2(字幕版)』
あのニックとジュディが警察官コンビとして帰ってきた! 待望の続編『ズートピア2』では、街の誕生に隠された巨大な陰謀に二人が挑みます。お馴染みのキャラに加え、個性的な新キャラも次々に登場。本作が描くのは、多様性を受け入れた社会に潜む「単一化への欲望」という現代的な闇です。単なるアニメーションの枠を超え、今の社会に鋭く切り込む「寓話」としての魅力を、あらすじと感想を交えて深掘りします。

■あらすじ
キツネのニックは警察学校を卒業してズートピア警察署の警官になり、ウサギのジュディと正式にコンビを組むことになった。だが体格に劣る新人コンビを、屈強な他の警官たちは冷ややかな目で見るばかり。
「何か手柄を立てて皆に一目置かれるようにならなければ!」という焦りもあり、ジュディたちは税関職員の不正を暴くための覆面捜査を独断で行おうとする。だがこれが大失敗。二人はテレビカメラの目の前で、市制100周年記念式典を台無しにしてしまった。
だがこの時、ジュディは乗り捨てられた車の中で、ズートピアにはいないはずの爬虫類の皮を見つける。なぜここにそんなものが? どうやら市内に、不法に爬虫類が入り込んでいるらしい。
ジュディとニックはこの謎を解くため、多くのセレブが集まるズーテニアル・ガラに潜入。だがそこに現れた青いヘビが、二人の目の前で展示品の古い日誌を盗み出す。それはズートピア誕生の秘密を暴く鍵だった。
■感想・レビュー
2016年に公開されたディズニーの長編アニメーション映画『ズートピア』の続編。アナウサギのジュディ・ホップスとアカギツネのニック・ワイルドの主人公コンビに加え、警察のボゴ署長、歌手のガゼル、街の裏事情に通じるMr.ビッグなど、前作のメンバーが次々と再登場。
今回はそれに加えて、毒ヘビのゲイリー、資産家の息子のパウバート、ビーバーのニブルズなど、個性豊かな新キャラクターが次々に登場する。こうしたキャラの一部は、次作以降のシリーズにも登場してレギュラー化していくのだろう。
世界観はすっかり飲み込めているので、前作のような新鮮さはないが、その分だけ物語は練り込まれているようにも思う。冒頭の小さなエピソードから、事件が息継ぎする間もなく連鎖していく筋立ては良くできている。シリアスな展開とコミカルなシーン、アクションと会話劇の組み立てなども、バランスよくできている。
映画のテーマは「社会の多様性を尊重しよう」とか「偏った知識で差別するのはよそう」というようなことで、これは前作から一貫した『ズートピア』の基本線だと思う。多様性を実現するために必要なのが、市内の環境を制御するウェザーウォールという壁。これが住環境の異なる住人たちを隔離して、住民たちの棲み分けを実現しているのだ。
だがこのズートピアの世界には、そうした多様性を好まない者もいる。自分に取っての心地いい環境を他の住民にも強制し、平和な棲み分けを破壊して世界を単一の環境に塗りつぶしてしまおうとする者たちだ。
このあたりは本作が「現代社会の寓話」として良くできている部分。またこうした「反多様性」が悪いことだと知りながら、仲間欲しさに悪事に荷担する卑屈卑劣なキャラクターも登場する。似たような振る舞いをする人たちは、インターネットの中にも山のようにいる。たぶん本人たちは、この映画を観ても自分に向けられた批判には気付かないのだろうが。
(原題:Zootopia 2)
TOHOシネマズ日比谷(スクリーン9)にて
配給:ディズニー
2025年|1時間48分|アメリカ|カラー
公式HP:https://www.disney.co.jp/movie/zootopia2
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt26443597/
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