大画面でスター・ウォーズの新作が観られる幸せ 『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』
配信ドラマ「マンダロリアン」から生まれた、久々のスター・ウォーズ劇場映画。舞台は『ジェダイの帰還』後、帝国が崩壊した銀河だ。マンダロリアンとグローグーは新共和国軍に協力し、帝国残党を追うことになる。
本作が描くのは、正史九部作のような壮大な悲劇ではない。銀河の片隅で繰り広げられる、肩の力を抜いて楽しめる活劇である。大画面にXウィングが飛ぶだけで、映画館に戻ってきた喜びがある。

■あらすじ
新共和国軍に協力して帝国軍の残党狩りをしている、賞金稼ぎのマンダロリアンとグローグーのコンビ。彼らはアデルファイ・レンジャーズのウォード大佐から、旧帝国の大物コマンダー・コインの捕獲を依頼される。コインの居場所についての情報は、亡くなったシャバ・ザ・ハットの商売を引き継いだ双子の従兄妹、ハット・ツインズが知っているらしい。
だがハット・ツインズはマンダロリアンへの情報と情報と引き替えに、ジャバの遺児ロッタ・ザ・ハットを救出して欲しいと依頼する。ロッタ救出のためシャカリ星系に向かったマンダロリアンたちは、現地の闘技場で戦うロッタを発見。だが彼は救出されることを拒む。
ツインズはジャバの犯罪シンジゲートを完全に支配するため、ロッタを殺そうとしているのだ。ロッタは共和国軍が探しているコインの居場所をマンダロリアンに教え、逮捕に協力するのと引き替えに自分を保護してくれるように依頼するのだが……。
■感想・レビュー
『スター・ウォーズ』シリーズの最新映画だが、内容は正史の番外編であるテレビシリーズ「マンダロリアン」に繋がる物語だ。僕はテレビ版を見ていないが、それでも単発映画として楽しめた。
物語の時系列としては、映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)と『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の間にはさまれた時代が舞台だ。帝国は滅びたが、その残党たちは銀河のあちこちで帝国再興目論んで暗躍し、新共和国軍と争っている。この映画のマンダロリアンとグローグーは、この戦いの周辺にいるのだ。
『スター・ウォーズ』シリーズは劇場映画としてエピソード1〜9(1977〜2019)、番外編の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)が作られているが、これらはすべて正史と密接に繋がる「大きな物語」の一部だった。
しかし今回の『マンダロリアン・アンド・グローグー』は、それらに直接は繋がらない「小さな物語」になっている。正史が『スター・ウォーズ』の世界という大樹の太い幹だとしたら、この映画が取り上げているのは枝葉の部分だ。
だがこの映画はそれがいい。『スター・ウォーズ』の劇場版は、これまでどれも「悲劇的」なドラマになっていた。それは「フォースの暗黒面」が正史九部作の中心モチーフであることも関係するが、家族同士の骨肉の争いは物語に深みを出す一方で、見ていてツライものでもあったのだ。しかし今回の映画にそれはない。勧善懲悪の純粋な活劇映画だ。
登場するメカがエピソード4〜6のオリジナル三部作を継承しているのも、オールドファンには嬉しい限り。Xウィングの編隊飛行を見ただけで涙が出そうになる。映画としての弱点が多いのは確かだし、物足りなさもある。だが僕は、大画面で『スター・ウォーズ』が観られただけで大満足なのだ。
(原題:The Mandalorian and Grogu)
ユナイテッド・シネマ豊洲(1スクリーン)にて
配給:ディズニー
2026年|2時間12分|アメリカ|カラー
公式HP:https://starwars.disney.co.jp/movie/mandalorian-grogu
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt30825738/
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