スピリチュアル界隈の歩き方
〜10月7日 10:00
── ハマりすぎず、バカにもせず
1. 「全部は信じないけど、全部は否定もできない」あなたへ
この章でわかること この記事が誰に向けたものか。読み終わったときに何が変わるのか。そして、わたし自身がスピリチュアルとどう付き合ってきたか。3つをお伝えします。
1-1. あなたのモヤモヤを、先に言葉にします
引き寄せの本を読んだことがある。瞑想アプリを開いたこともある。神社に行くと、少し気持ちが整う気がする。
でも、SNSで「波動が低い人とは離れましょう」と書いている人を見ると、すっと引く。友だちが高いお茶会やサロンに通い始めると、心配になる。
かといって「スピリチュアルなんて全部インチキ」と言い切るのも、なんだか違う気がする。
この「どっちつかず」の感じ。放っておくと、いざ勧誘されたときに断りづらくなります。「否定はできないし……」という気持ちが、足を止めさせるからです。
1-2. わたしの体験:1年以上、界隈の話を聞き続けた
わたしは、小林正観(こばやし せいかん)さんという著述家の本と話に興味を持ちました。そこからYouTubeで、1年以上その教えを聞き続けました。
小林正観さんは、「ありがとう」を口にすることや、身のまわりをよく観察することを大切にした人です。目に見えない世界の話と、現実的な物の見方を、地続きで語ります。
あわせて、いくつかの物語にも触れました。時間泥棒の話が出てくる『モモ』。宇宙人アミが少年に語りかける『アミ 小さな宇宙人』。ロシアで書かれた『アナスタシア』。
昔はただのSFだと思っていた映画『マトリックス』も、AIが急速に進化した今は、他人事に感じられなくなりました。
長く付き合ってみて、思ったことがあります。スピリチュアルは、非科学のかたまりではありません。心理学や哲学の、少し先にあるものです。これからの現実の生活で、けっこう使える考え方だと感じています。
1-3. だから、この記事は「否定本」ではありません
先に立場をはっきりさせます。
わたしはスピリチュアルの専門家ではありません。教える立場でもありません。
「スピリチュアルは嘘だ」と切り捨てて、かわりに別の何かを持ち上げることはしません。
同時に、「信じれば幸せになれる」とも言いません。効果も収入も保証しません。
やりたいのは1つです。スピリチュアル界隈という場所の地図を作って、視界を明るくすることです。
1-4. 読み終わったときに手に入るもの
この記事を最後まで読むと、次のものが手に入ります。
スピリチュアル界隈を3つのゾーンに分けた地図(2章)
人が界隈に足を踏み入れる理由。責める話ではありません(3章)
「ハマりすぎ」の一線を見分ける3つの目印(4章)
高額サロンや勧誘を、その場で見抜いて断る方法(5章)
「バカにする側」も落ちやすい、脱スピの落とし穴(6章)
界隈と長く付き合ってきたわたしが、実際にやっている距離の取り方(7章)
ゴールは、「信じる」か「信じない」かの二択をやめることです。地図を持てば、入り口を楽しみながら、危ない場所には近づかずにすみます。ハマりすぎず、バカにもせず。ほどよい距離で付き合えるようになります。
2. スピリチュアル界隈を1枚の地図にする
この章でわかること 「スピリチュアル界隈」がどんな場所か。3つのゾーンに分けて、あなたが今どこにいるかを確かめます。

2-1. そもそも「スピリチュアル界隈」とは
簡単に言うと、目に見えない世界の話を大事にする人たちの集まりです。
占い、ヒーリング、引き寄せの法則などを話題にします。ヒーリングとは、簡単に言うと、手をかざしたりしてエネルギーを整える、とされる行為のことです。SNSやブログに、たくさんのコミュニティがあります。
界隈の中には、いろいろな系統があります。神社系、龍神系、天使系、宇宙人系、引き寄せ系、エネルギーワーク系。分け方の一例では、9つの系統に分かれます。
系統は違っても、共通するテーマがあります。「浄化・解放・調和」の3つです。ざっくり言うと、「よけいなものを手放して、整えて、まわりと調和する」という方向を向いています。
2-2. ゾーン1:入り口ゾーン
いちばん外側が、入り口ゾーンです。
神社やパワースポット巡り、お守り、おみくじ、占いアプリ
引き寄せの本、瞑想アプリ、「ありがとう」を口にする習慣
特徴は、数百円から数千円で終わることです。そして、深入りしない前提で楽しみます。
若い世代の「スピ活」という言葉は、民間の調査「JC・JK流行語大賞2025」のコトバ部門で3位に入りました。神社でゆっくり呼吸を整えるのは、マインドフルネスに近い行為です。マインドフルネスとは、簡単に言うと、今この瞬間に意識を向ける練習のことです。
入り口ゾーンは、正直なところ、あまり害がありません。
2-3. ゾーン2:グレーゾーン
一歩内側に入ると、グレーゾーンです。
まず、「波動が高い」「波動が低い」という言い方が出てきます。波動は、もともと物理の言葉です。界隈では、人や物の格付けに使われます。有機野菜と瞑想は「波動が高い」、繁華街とジャンクフードは「波動が低い」、といった具合です。
やがて「低い波動の人とは距離を置きましょう」と、人を選別する道具になります。
もう1つの特徴が、「自己責任の圧」です。うまくいかないのは「あなたの波動が低いから」「思いが足りないから」と言われます。
グレーゾーンは、居心地が悪くなってくる場所です。
2-4. ゾーン3:危険ゾーン
いちばん内側が、危険ゾーンです。
高額なサロン、セミナー、講座。数十万円から数百万円
「まず出費しないと豊かさは来ない」と、ローンを組ませる
医療の否定。「病院ではなく、感謝のエネルギーで治る」
家族や友だちより、先生やコミュニティを優先するようになる
この段階になると、新興宗教のような雰囲気が出てきます。先生の言葉が絶対になり、外からの意見が届かなくなります。
危険ゾーンに入ると、お金と人間関係と健康を、同時に失うことがあります。
2-5. 地図の使い方
入り口ゾーンは、楽しんでいい
グレーゾーンは、「今ここにいるな」と気づければいい
危険ゾーンは、目印を覚えて近づかない
ただ、目印を見る前に、確かめておきたいことがあります。そもそも、なぜ人はこの地図の中に足を踏み入れるのか。責めずに見ておきます。
3. なぜ人は界隈に片足を入れるのか
この章でわかること 界隈に入るのは、弱さのせいではないこと。ハマりやすくなる条件を3つ挙げます。
3-1. 行き詰まったときに、人はここへ来る
占いやスピリチュアルに行くのは、たいてい何かに行き詰まっているときです。
お金の悩み。人間関係の悩み。健康の悩み。3つのどれも抱えていない人は、めったにいません。
つまり、界隈の入り口は、誰にとっても近い場所にあります。
3-2. 不安なとき、判断力は自然に落ちる
強いストレスがかかると、頭の働きが一時的に落ちます。
お金の心配をしている人は、そうでないときより、知能テストのスコアが下がる。貧困と判断力の関係を調べたプリンストン大学などの研究として、そう紹介されています。
簡単に言うと、追い詰められているときほど、複雑なことを考える余裕がなくなります。
そういうときに「この石を持てば全部整う」という単純な答えを出されると、ほっとします。でも、冷静なときに考えれば、石ひとつで片づく問題は多くありません。
3-3. 「相談できる人がいない」は黄色信号
ハマりやすい人には、共通点があります。ちょっとした悩みを相談できる相手が、いないことです。
相談相手がいれば、「それ、おかしくない?」と言ってもらえます。相手がいないと、界隈の「あなたをわかってあげられるのは、わたしだけ」という言葉に、ぐっと引き寄せられます。
脱スピリチュアルをテーマにした本を出した浜田ブリトニーさんは、経営の悩みを相談できる人がおらず、占いに通ううちに、勧誘へ総額およそ1,500万円を使った、と自身の著書で語っています。
3-4. だから、あなたが弱いからではない
界隈に足を踏み入れるのは、まじめで、責任感が強く、1人で抱え込む人ほど多いです。
責める話ではありません。ただ、「今ちょっと危ういな」と自分で気づけるように、目印を持っておくと安心です。
3-5. ここまでが、無料で読める範囲です
2章で、スピリチュアル界隈を3つのゾーンに分けました。3章で、人が界隈に入る理由を整理しました。
ここから先は、「では、どう線を引けばいいのか」を、具体的な手順にします。
「ハマりすぎ」を見分ける3つの目印(4章)
高額サロンや勧誘を、その場で見抜いて断る方法(5章)
「バカにする側」も落ちやすい、脱スピの落とし穴(6章)
わたしが実際にやっている、ほどよい距離の作り方(7章)
地図と目印を、持ち歩ける形にまとめたもの(8章)
「否定はできないから、断れない」という状態から、「これは入り口、これは危険ゾーン」と自分で判断できる状態に変えるための内容です。
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