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タルトは「おかずカップ」で作る



1、おばあちゃんに教わった「適量」の魔法

幼少期の私は、当時は珍しい鍵っ子でした。
孫たちの面倒を見るために、
電車で2時間かけておばあちゃんが来てくれる日は、
私にとって特別な日。
父から初めて買ってもらったお菓子の本に夢中だった私は、
おばあちゃんが来てくれるタイミングで、
やっとお菓子作りができました。

それはもう、ワクワクに気合を入れて!きっちり計量し、
何度も読み見返したレシピを頼りに、初めての挑戦✨
ボールの中の生地はドボっと重たく、なっかなかフライパンに広がらず悪戦苦闘の半泣き状態、
な、なんて難しいんだぁぁぁっっ!!!

それを見たおばあちゃんが
「あーこりゃいかんよ」と言いながら、
ドバドバと牛乳を注ぎ入れたのです。

((((;゚Д゚)))))))

それまで一生懸命きっちり計った分量が
おばあちゃんの「適量」に変わった瞬間でした。
子供心に、それは衝撃的な出来事でした。
『きっちりじゃなくてもいいんだ。』

重たい生地は嘘のように伸び、
薄いクレープ生地を何枚も焼くことができました。
予定よりたくさん出来た生地に、クリームが足りなくなるほど。
生地だけでも最高に美味しかったんです。

頬張る、妹の嬉しそうな顔を見て、
まだまだ!!たくさん食べられる幸せを感じました。

「お菓子ってこんなに刺激的で美味しいんだ!なんて幸せなんだ!!喜びも分かち合える!!」

そこから、私はどっぷりお菓子の魅力に沼っていきました。

レシピ【もちふわクレープロール】

2、常識を覆す「おかずカップ」の革命

嘘だと思われるかもしれませんが、
私は20年以上、タルトストーンはおろか、タルト型すら持たずに
「なんちゃってタルト」を焼いてきました。

・タルトが作りたいけど型がない。
・型はあるが数が足りない。
・型を買っても使わなくなるかも(置き場問題)。
・作ってみたけれど、洗い物が増えて大変。
・この物価高で、ケーキなんていくつも買えない。

そんな思いが頭の中をわちゃわちゃし、

職場でお菓子に触れていても
家庭に戻れば話は別。

面倒臭いのは嫌。
何かないかなぁ。。。

と周りを見渡したとき、
ふと目に飛び込んできたのが「おかずカップ」でした。

「もしや? これを使えば全ての懸念材料がなくなるのでは?」

型がないとタルトは焼けないという呪縛を解くべく
「おかずカップタルト」に挑戦することにしました。

お弁当の中の秩序を保つ
「おかずカップ」は少し大きめの。肉じゃがなんかに最適サイズを用意し、

そこに時短でできる、「魔法のサクザクタルト生地」を
やさしい気持ちで敷き込みます。
小麦粉のみで作ると、1日寝せることで安定した歪みの少ない生地に。そこを、ギュギュと縮めた生地を作りました。

そして、
今晩の夕飯ではない、
お米を注いでみると。(タルトストーンのかわり)

常識を覆した
「おかずカップタルト」が簡単にできたのです!!

型の力を抜いて✨
お家でも楽しく作れる。そんなタルトが誕生しました🎵

レシピ【魔法のサクザク生地でバナナタルト】

3、「味落ち」に恐怖

なぜ、そんなに「手軽さ」にこだわるのか?
その背景にあるのは、昨今の物価高による、
お店の原材料のコストダウンです。
本来の『味』が楽しめなくなるという痛烈な思いがあります。

私たち、消費者にとってケーキは特別なもの。
お祝い事や自分へのご褒美、「あの時美味しかったから、また買って帰ろう!」と思い描くシーンの先には、いつも笑顔があります。

「消費者は、記憶とワクワクを買っている。」
それなのに、いとも簡単に
「味が変わった?」「こんなのだったっけ?」と、裏切られ。
信頼が不信感に変わってしまう。
その事態が、
自分ごとのように辛いのです。

さもすれば、
「え?こんなもんじゃないの?」と、
コストダウンされた味がスタンダードになっていく恐怖。

「もっと、美味しくできるのに。。。」
お家で作れば、材料から自分で選ぶことができます。

常に心の奥に、「お家だったらもっと美味しくできるはず」と
想いがあるからこそ
手軽さと素材の力にこだわっているのかもしれません。

4、素材の素直な力から生まれる旨味とは?

現場で働いている頃、
シェフに「なぜヨーロッパの牛乳は美味しいのか?」と
問いかけたことがあります。

シェフはその時、「そもそも牛の育つ環境が放牧であり、餌が違う。」と、その時の私は、そんなものか。と留めるだけでした。

ある日、たまたまグリーンコープ生協さんの試飲会があり
その時に飲んだ牛乳に
衝撃を受けたのです。

飲んだ瞬間、あの、イギリスでの朝食に出てきた
コンフレークが出てきました!!

日本ではコーンフレークに魅力を感じたことがなかったのですが
なぜか、イギリスではお代わりをするほど美味しかった。

グリーンコープ生協の乳牛の餌はnon-GMOa(遺伝子組み換え分別流通済み)の飼料を使っていました。

その時初めて「餌が違うと味が変わる。」と身をもって知ったのです。

この日本で出会ったグリーンコープの牛乳でエッグタルトを作ると格別でした。
素材の素直な力から生まれる旨味だと確信しました。

レシピ【エッグタルト】

5、だから私は、

おばあちゃんがドボドボ足した牛乳、
あの日のクレープは理屈を超えた「おいしさ」の記憶です。
型がなくても、特別な道具がなくても、良い材料と温かな心があればお菓子はいつでも日常彩る魔法になります。

おふれる情報やコストの波に流され、
「美味しい」の本質を見失わないように。

私はこれからも、安心できる材料を選び、お菓子の向こう側にある本当の美味しさを!!!伝えていきたいと願っています。

皆さんにも、「あれ、美味しいよね」の記憶が生まれますように!!

私は今日もオーブンに向かいますね✨



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