事業家を目指すために、なぜkubellを選択したのか
初めまして!2024年4月に株式会社kubell(当時Chatwork株式会社)に新卒入社しました、石川(いしかわ)です。慶應義塾大学在学中にヨーロッパとアジアを中心に30カ国ほどをバックパッカーとして旅をし、様々な経験を積んできました。今回は、自身のキャリア観や価値観、そしてkubellとの出会いから現在に至るまでのお話をさせていただきます。皆さんの就職活動やキャリア選択に少しでも参考になれば嬉しいです!
1.生きる意味を探した学生時代
大学時代、私はずっと「生きる意味」について考えていました。
きっかけは高校の頃。周りの友人が音楽やサッカーを本気でやっていて、それが仕事になっていくのを間近で見ていました。その姿を見て、「すごいな」と思うと同時に、「自分も何か夢中になれることを見つけて、それで生きていきたい」と強く思うようになりました。
友人たちを見ていて気づいたのは、彼らは自分の欲求に忠実に人生を切り開いている―つまり「能動的に生きている」ということでした。私も、そうやって自分が楽しいと思うことを追求すれば、人生は充実するはずだと考えました。
それが旅でした。バイトでお金が貯まったら旅に出かけ、30カ国をバックパッカーとして巡りました。ホステルでは10〜20人で共同生活を送り、コロナ禍でアジア人差別を受けたり、特にオランダでの差別体験は自身のアイデンティティについて深く考えるきっかけになりました。
海外では、Workaway(旅人とホストをつなぐプラットフォーム)を使って東南アジアのマッサージ屋さんや宿泊施設で英語圏向けの集客や顧客対応をし、その代わりに泊まる場所や食事を提供してもらっていました。
国内でも、農家さんの家に泊まり込みで農作業をして、10人分の夜ご飯を作るなどしていました。都会では味わえない、土に触れる生活や地域コミュニティの温かさを体験できました。
大学の交換留学制度を利用して、ポーランドのワルシャワ大学に1年間留学もしました。ウクライナ侵攻の真っ只中で、国立の学生寮ではウクライナ難民の方々と共に暮らしていました。ワルシャワの街中には、ウクライナ軍が破壊したロシア軍の戦車が展示されており、難民のウクライナ市民が集まっていました。留学の楽しさだけでなく、世界の現実を突きつけられる貴重な経験でした。
やりたいこと、楽しいことを存分に満喫していました。でも、ふと気づいたんです。自分が楽しいと思うことを追求しているはずなのに、これで本当に満足なのか?と。
アフリカのサン民族には「リトルハンガー(食への飢え)」と「グレートハンガー(生きる意味への飢え)」という考え方があるそうです。物質的に豊かではなくても、生きる意味を求める人がいる。この話を知ったとき、「あ、自分もこれだ」と思いました。旅を楽しんでいても、どこか満たされない。私が抱えていたのは「グレートハンガー」だったんです。
そんな時、内村鑑三の『後世への最大遺物』という本に出会いました。
この本には、人が後世に残せるものとして、金、事業、思想、そして高尚なる生涯があると書かれていました。読みながら「全部残したい」と思いました。その中でも特に心に響いたのは「事業」でした。
私なりの解釈では、事業とは「後世の人たちが当たり前のように享受できるような付加価値を、先んじて作りにいくこと」。つまり、「自分がいた世界といなかった世界で、明確な違いを作る」ということ。その差分こそが、自分の存在意義の証明になると確信しました。
個人の好奇心を追求して豊かに生きるだけでは、自分は満たされない。もっと客観的に、自分が生きた意味を証明したい。それができるのが、事業を創ることだと思いました。
後世に残るようなインフラを創って、人々の生活を変える。それが私の生きる意味への答えでした。
2. kubell入社のきっかけ
そのため、就職活動でも「事業家」への道を探していました。
いわゆる人材輩出企業のスイートスポット―その時期にたまたま入社した人たちが、後に起業家やCxOとして活躍するような環境を探していました。
様々な企業を見ていく中で、kubellのサマーインターンに参加しました。そこで出会ったのが、私の就活を決定づける3つの発見でした。
第1に、第二創業期という絶好のタイミングでした。
「Chatwork」というビジネスインフラが775万ユーザー(2025年6月末現在)に到達し、SMB市場で稀有なポジションを獲得。そして今、第二創業期として複数の新規事業を展開していく戦略を掲げている。
これから新規事業をたくさん作っていくフェーズで、しかも新規事業は1〜2名という少人数で運営するため、事業の起承転結すべてを担える。さらに、想定される新規事業の数に対して事業開発人材が不足しているため、若手にも抜擢機会が多い。これこそ、私が探していた環境でした。
第2に、中小企業市場という巨大なフロンティアに気づかされました。
日本の法人の99.7%、労働人口の約7割(中小企業庁「中小企業・小規模事業者の現状と課題」より)を占める中小企業市場。インターンで実際の現場を知って驚きました。労働生産性の伸び悩みが課題となっており、サービス提供側も獲得効率が合わずに手をつけられていない。一社一社は小さくても、ロングテールとして見れば巨大なマーケットがまだ手つかずで残されている。「ここは本当にフロンティアだ」と確信しました。
第3に、BPaaS戦略の美しさに感動しました。
当時、kubellが打ち出したBPaaS戦略を見て、正直震えました。SaaSの会社が、ツールによるDXだけでは不十分だと認め、業務オペレーションごと巻き取る決断をした。
中小企業にDX人材がいなくても、費用をかけられなくても、kubellが業務を巻き取ってセントラル化し、圧倒的に効率化されたサービスとして提供する。この戦略なら、本当に日本の中小企業を変えられる。
そして何より、桐谷さんとの出会いが決定的でした。
サマーインターンのメンターだった桐谷さん。20代後半で圧倒的な事業開発経験を持ち、会話するたびに自分の知らない視点をくれる。考えていたことを構造化された概念で教えてくれる。就活を通して出会った中で、一番ベンチマークにしたいと思った存在でした。
(その後、最年少執行役員に抜擢され、現在はkubellのCSOに就任されています。桐谷さんのことを知りたい方はぜひnoteをご覧ください)
こんな人の近くで、新規事業の立ち上げからグロースまで経験できる。しかも、第二創業期の熱量の中で、中小企業市場というフロンティアに挑戦できる。
左脳で考え抜いた選定軸すべてを満たし、右脳でも「ここしかない」と確信できた。それがkubellでした。
インターン後、周りから「なぜkubell?」と聞かれるたびに、この感動を語り続けました。そうしているうちに、自分の中でも確信が深まっていきました。
今振り返っても、この選択は間違っていなかった。むしろ、想像以上でした。
3. kubell入社〜現在まで
3-1. 1年目
2024年4月1日にkubellに新卒入社しました。
1年目はインキュベーション本部 DXソリューション推進部(当時の名称)で、「Chatwork」ユーザーに対して50種類以上のDXツールを紹介しているDX相談窓口事業にて、マーケティング、セールス、アライアンス業務に従事しました。
この事業に取り組む際、私は「仮に自分が他のSaaS企業に行ったとしても、そこでDX相談窓口事業を作れる状態になろう」と考えていました。事業の構造や立ち上げプロセスを完全に理解し、再現性を持って創出できるレベルまで自分を高めたかったのです。だからこそ、与えられた業務だけでなく、自らアライアンスなどにも領域を拡張。個人目標を達成しながら、事業部の連続的な成長のためにアライアンスの拡大を進めていきました。まさに「多変数」に触れられる環境で、事業の全体像を掴むことができました。
DX相談窓口事業で同期たちと切磋琢磨できたことは、特に刺激的でした。
事業部目標が渡されますが、登り方は自由。同期はそれぞれ全く個性が異なっており、皆違う成果の出し方をしていました。圧倒的な行動量でクリアしていくタイプ、仕組みをハックしていくタイプ、帰省中に地元のネットワークから大量に成果創出するタイプ、独自にウェビナーを立ち上げて成果創出するタイプ。
同じ目標を渡されて、優秀な同期たちがそれぞれ全く異なる方法で成果を創出してくる様子は非常に刺激的でした。「あいつなら、こういう時どうするかな」という尺度を複数獲得できたのは、今でも大きな財産です。
毎月、先月の自分では到底達成できないような目標を渡されるため、正直めちゃくちゃ大変でした。でも、多くの会社が非連続なビジョンを描き、目標を宣言して、達成することで経営資源を手に入れています。同様のプロセスを必死に回し続けたからこそ、急角度の成長曲線を描けたと振り返っています。
また、4Q(四半期)ではDX相談窓口の周辺事業である広告販売事業にもチャレンジする機会を得ることができました。これは、中小企業の経営者にリーチしたいマーケティング担当者向けに、「Chatwork」の広告枠を販売する事業です。2名体制のチームで、広告代理店出身の方と営業経験豊富な方から多くを吸収。リード獲得から新規営業、デリバリーまでの一気通貫の営業オペレーションを経験し、1カ月半で四半期目標を達成しました。
この1年間で最も心に刻まれたのは、半期の報告会で社長の正喜さん(kubellには社長を名前で呼ぶ文化があります)からいただいた言葉でした。
「石川さんは、もっとバカになるか、もっと賢くなるかしないと勿体無いよ」
この言葉が、ことあるごとに頭の中に響き続けていました。
実務では、とにかくエグゼキューション(実行)能力を高めることに集中。数字を追いかけ、泥臭く顧客と向き合い、達成するまで諦めない。一方で、月一の報告会では全く違う頭の使い方を求められました。
「事業部の売上を10倍にできないか?」
「今の事業部に100人入れたら、その分グロースすることは可能か?」
こんなお題を渡されては、思考を巡らせて検証し、壁打ちしに行く。これを繰り返すうちに、目の前のことでいっぱいになっても、どこかでコンセプチュアルな戦略を描き続ける習慣が身につきました。
入社時点では「事業を作りたい」という想いだけだった自分が、1年目を終える頃には、少しずつ事業の見方が変わってきた。まだまだ道半ばですが、確実に成長を感じられた1年でした。
3-2. 2年目〜現在
2年目からは新規事業開発部に異動し、福利厚生領域の新規事業に挑戦しています。現在は「Chatwork 福利厚生」というサービスを、ほぼゼロの状態から立ち上げています。
これは、kubellが出資する株式会社miiveさんとのアライアンスでスタートした、プリペイド式VISAカードを活用した福利厚生サービスです。全国200万店舗以上のVISA加盟店で利用できるため、従業員にとっては“自由度の高い福利厚生”、企業にとっては“賃上げ以外の人材課題の解決策”となることを目指しています。
最初に任されたときは、「どんな顧客に、どんな課題解決のために、どのように価値を届けられるのか」がまったく見えていませんでした。顧客基盤へのマーケティング活動やセールス活動を地道に繰り返す中で、ようやく少しずつ輪郭が見え始めました。ある業界や規模の企業で課題感が強いこと。経営者が抱える悩みと従業員が感じる不満にズレがあること。そして、その間をどう埋めれば経営の意思決定が前に進むのか──。検証を重ねるごとに、「このサービスなら、中小企業の経営判断を後押しできる」という確信が深まっていきました。
プロジェクトは最初ほぼ私ひとりで始まりましたが、今では4人のチームへと拡大。仮説を立てては顧客に当て、失敗すればやり直す。その繰り返しです。顧客基盤に対する親和性の検証、顧客基盤外からの獲得効率の検証、商品設計や価格の妥当性の検証、マーケティングやセールスの仕組みづくり。ときには請求オペレーションを自分で設計したり、WordPressを契約してサービスサイトを立ち上げたり、会食を重ねて紹介をいただいたり。戦略的な検討から雑務まで、事業を前に進めるために必要なことは何でもやる。その泥臭さも含めて、今は大きなやりがいを感じています。
上期の検証では、既存の顧客基盤に向けたマーケティングやセールスの中で、一定の勝ち筋が見え始めました。「誰に」「どんな課題に」「どう訴求すれば響くのか」が少しずつ明らかになり、数字としても手応えを感じられるようになってきています。もちろん課題はまだ山積みですが、「0から1が立ち上がる瞬間」を味わえるのは、事業家を志す自分にとってこの上ない経験です。
ありがたいのは、壁打ちを通じて多くの学びを得られることです。福田さんをはじめ上長や先輩方とのディスカッションを通じて、自分が立案した戦略を磨き込み、示唆を得ながら、現場ではひたすら実行に没頭する。この往復運動こそが、自分を確実に事業家へと近づけていると感じます。
一般的に新規事業は9割方失敗すると言われます。その時、「何が原因だったのか?」を突き詰めて考えて、自分のケイパビリティの不足や実行力の低さに起因していると気づいてしまうことほど恐ろしいものはありません。だからこそ、事業運営に関わるひとつひとつの全てにオーナーシップを持ち、真正面から向き合うことを決めています。
kubellは本気で「やりたい」と手を挙げれば、任せてもらえる環境です。
僕自身、入社2年目から新規事業の立ち上げを任され、覚悟を持って挑戦する日々を送っています。
事業家を目指す人にとって、これほど濃い経験ができる場は多くありません。
もし少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度お話ししましょう。
一緒に未来を創っていける仲間に出会えることを楽しみにしています。
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