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量子力学は融合しました。何と融合?

皆さん、お久しぶりです。近々、量子力学についての本を出させていただくことになりました。事前の宣伝を兼ねて、各章の内容を簡単に紹介させていただいております。今日は第2章です。

『量子力学の〈新常識〉-意識・実在・情報が再定義する物理学-』2026年6月25日発売

第1章 波動関数の誤解
第2章 20世紀末に起きたこと ← 今日はここ!
第3章 意識と量子
第4章 不確定性関係の新常識
第5章 奇妙な遠隔作用か、量子もつれか?
第6章 デコヒーレンスと多世界解釈
第7章 量子的な線形重ね合わせの現代的理解
第8章 古典的に見える現実をどう捉えるか
第9章 量子コンピュータ

近年になって量子力学に大きな変革が起こったと言われております。しかしご安心ください。従来の量子力学の応用的な面にはほとんど影響はありません。計算テクニックなどはそのまま使えますし、古臭くはなっていません。

新しくなったのは量子力学の土台部分です。パソコンに喩えるならこんな感じ。「OSの設計が大きく改善されましたが、従来のアプリの多くはそのまま使えます!」といった状況に似ています。

何か重大なひとつの事件がきっかけになって大変革が起きたわけではありません。20世紀末になって色んなことが重なって、結果として変化が静かに進んでいきました。静かな変化だったのでその時代にはあまり気付く人はいませんでした。まだ気付いていない人も多いくらいです。振り返ってみれば、変化が見え始めたのが20世紀末だったと考えられるのです。

何が起きたのかを発売日まで隠す必要はありません。量子力学は情報理論と融合しました。最近では「量子情報」という言葉を含む教科書が多く出版されるようになってきています。

「量子情報」という分野が新たに生まれただけだというわけではありません。量子力学が情報概念と結びつくことで、量子力学とは何なのかという考え方にも影響を及ぼしました。従来、謎だとされていた概念、誤解されて広まっていた概念に答えが与えられました。量子力学の不思議の象徴であった「シュレーディンガーの猫」の話のあれこれにも明確に答えられるようになりました。

今では物理学の色んな分野が、情報という概念と結びつけて語られるようになってきています。21世紀のキーワードは「情報」です。

第2章ではそのような変化が起きた背景や、その時代をはるかに遡った真のきっかけである「ベルの不等式」、物理量はなぜ演算子なのか測定値が実数であるのはなぜなのか波動関数が複素数であるのはなぜなのか、といった話題を扱っています。

本書では全体を通してエルミート行列やユニタリ行列といった用語が何度も出てきますので、初学者の皆さんにも配慮して、そのような数学の説明も第2章に入れてあります。物理学の学生さんでもまだこの辺りの概念に不慣れなことが多いのではないかと考えてそうしました。短く分かりやすく書いたつもりなので、物理学科ではない皆さんも恐れずチャレンジしてみてください。たまに数式を使った説明が入りますが、この辺りはまだほとんど読み物のように読めるのではないかと思います。

他にも色々と語り続けたくなりますが、今回はこれくらいで終わることにします。ではまた次回お会いしましょう!


これまでの紹介記事のまとめのページを用意しました。


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