逗子で育む「半農半X」と自給力。3歳・0歳と楽しむ、3拠点の小さな菜園レポート
「どう生きたいか?」
10年ちょっと前、東京で模索していた20代のころ、私の背中を押してくれたのは『半農半Xという生き方』『ナリワイをつくる』『ダウンシフターズ』といった数冊の本でした。

その後、宮崎への移住を機に「パーマカルチャー」に出会い、北海道、タイを経て、現在は神奈川県の逗子・葉山エリアにたどり着きました。仕事の再構築や出産を経て、今改めて「自給力(暮らしを自分で創る力)」を高めることへの想いが強くなっています。
今の住まいは賃貸のテラスハウスですが、「できることから始めよう!」と、昨年は3つの拠点で小さな畑をやってみました。新しいシーズンを前に、昨年の振り返りと今年の計画をまとめてみたいと思います。

2025年のテーマは「収穫する楽しみ」と「土壌作り」
理想は種取りから自然農で……ですが、まずは「収穫する喜び」を家族で味わうことを第一にしました。実は前年、あまり育たずに畑から足が遠のいてしまった苦い経験があったからです。
「半農半X」の提唱者、塩見直紀さんは「半農の規模は自由」と仰っています。たとえプランター一つでも、暮らしの一部を農に充てていれば、それは立派な半農。その言葉に励まされ、今の身の丈に合ったサイズでスタートしました。

暮らしに点在する「3つの拠点」
広い古民家への憧れはありつつも、現在は便利な賃貸暮らし。以下の3カ所を「点」で結んで活用しました。
家の前の空き地&プランター:一番近く、毎日観察できる場所。
もりのわシェア畑:娘が通う「森のようちえん」にある、仲間との交流の場。
市民農園:家から徒歩20分。少し腰を据えて向き合う場所。
特に家の前の空き地は、かつて田んぼやシェア畑だった場所。現在は地主さんが手を離されていますが、草刈りをして少し拝借することで、子どもや猫が自然に触れられる貴重な空間になりました。




【春】仕込みと保存食、そして種まき
2月後半、まずは「もりのわ」で分けてもらったジャガイモの種芋を植えるところからスタート。4月には家族で土を耕し、畝(うね)を作りました。 支柱には近所に生えている竹を活用。土の状態を観察しながら、「土を豊かにする」エダマメや、初心者でも「収穫の喜び」を味わいやすいトマト、ナス、キュウリ、サツマイモなどを中心に植えました。


畑が落ち着いている間は、裏山で摘んだフキで「ふきのとう味噌」を作ったり、梅仕事や味噌仕込みをしたり。手仕事を通じて自給力が高まっていく実感が、日々の自信に繋がります。




【夏】汗だくの畑仕事と、最高の朝ごはん
6月〜8月は、夏野菜の収穫ラッシュ! 日中は暑いため、週に2日は朝6時に起きて家族で畑へ向かいます。おにぎりとぬか漬け、保冷バッグに冷やしたスイカを詰めて出発。 当時、9月上旬に第二子の出産を控えていた私は、夏の妊婦としてさらに汗だく(!)でしたが、畑で娘がミニトマトをパクパク食べる姿や、やり遂げた達成感は、何にも代えがたい充実感でした。

特に「家の前」の畑は、朝起きてすぐ様子を見に行ける近さが大きなメリットでした。収穫量もここが一番多く、トマトやキュウリ、シソは夏の間、買わずに自給できるほどでした。





失敗も糧に、一歩ずつ進む2026年
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。トウモロコシは水・栄養不足で枯れてしまい、エダマメは実が小さく、ほとんど「土への栄養」になりました。でも、その失敗も含めて「食べ物を育てる」リアルを家族で体感できたことが大きな収穫です。
2026年は、味噌の仕込み量を昨年の倍(12キロ!)に増やし、野草茶やおやつ作りも楽しんでいます。さらに今年は、2カ所の田んぼにも年間通して関わる予定です。
3歳と0歳の子どもたちと一緒に、土にまみれ、季節を味わいながら。「自給力」のある暮らしを目指して、今年も一歩ずつ、楽しみながら歩んでいきたいと思います。
