奇跡の演劇レッスン!不登校経験者が6割の生徒達のエンゲージメントを爆上げした先生の演劇ワークショップ!
こんにちは!Engagement Run!Academy講師兼コミュニティマネージャーの三浦です!
普段は、講師として、クラスやワークショップを実施することが多いですが、参加者としてワークショップに参加することも大好きです。
先日、講師仲間の神吉さんにご案内いただき、 組織開発による実践と学習のコミュニティ「ODNJ OD研究会・中部支部共催」の組織開発実践者のための Use of selfスキルを磨く「演劇ワークショップ」に参加してきました!

演劇ワークショップの概要
まずは、今回の演劇ワークショップの概要を募集ページからご紹介します!
「演劇表現」というワークを開発し、対人能力を高める実践で文部科学大臣賞や中日教育賞など数々の賞を受賞されている兵藤友彦氏を講師としてお招きします。
【ワークショップ概要】
兵藤友彦先生による1日の体験型「演劇ワークショップ」です。
五感を使う「演劇ワークショップ」での体験から、自身の変化を丁寧にふりかえり、他者からのフィードバックを得ることで、自分や他者が知らない自分を探求します。OD(組織開発)実践の場では、自分をフルに使って場のプロセスに気づき、必要な働きかけを瞬時に判断し実行することの繰り返しです。そのためのプロセスに気づく力、瞬発力も鍛えます。
▼講師プロフィール
兵藤友彦氏
現職は生徒の半数が不登校を経験し、何らかの課題を抱えていると言われる刈谷東高校の教諭。「演劇表現」という授業を開発し、他人とのコミュニケーション力を高めるワークショップを実践、生徒たちの対人関係能力を高めることに尽力している。今ここにあなたといる、生きるための力を養う、コニュニケーション能力を支援することで数々の賞を受賞し、学外からも注目を集めている。
兵藤先生のプロフィールに魅力を感じて、参加することにしました!
今回は、この特に印象に残っている点を、ワークショップの様子をグラフィックレコーディングしてくださっていた りんどうまき さんの絵と共にレポートさせていただきます!
兵藤先生の第一印象
下記の写真は、実際にワークショップをしてくださった日の先生ですが、ご覧の通り、アングラ演劇の演出家、または映画監督のようなただならぬ雰囲気で、背筋が伸びるような緊張感を感じつつ、ワークショップは始まりました。

割り箸ワーク
アイスブレイクの後に行われたのは、割り箸を使ったワークです。
①ペアになり、目を閉じた状態で座り、
②映画のETのようなポーズで、お互いの人差し指の間で割り箸を支え、
③その状態で2人で立ち上がり、ペアの一人が、社交ダンスのように一回転してから2人で座るというものです。
下の絵を見ていただいて想像していただけると思うのですが、難しくて全くできませんでした。
一回転する時にどうしても割り箸が落ちてしまいます。参加者は20名弱いたので、10組くらいペアがいましたが、何度やっても誰もできません。

先生曰く、
「割り箸ワークがなぜできないか、それは肘が伸びているからです。皆さん、(ワークショップ慣れしているから)チェックインの時は、初めての人同士でも良い雰囲気で話をしていましたけど、実は身体は距離をとりたがっていて、その心理的な距離が肘に出ています。割り箸を外してみると、(肘の伸びている皆さんのポーズは)「こっちに来ないで!」というポーズとよく似ていますよ。」
痛いところをつかれた!と思いました!
その上で、先生は別のワークを提案してくださいました。
新聞紙に穴を開ける挑戦
今度は、同じペアで、
①まずは、個々で新聞紙にパンチで穴を開ける練習をして、
②ペアのどちらかが成功したら、もう1人にコツを教え、2人同時に穴を開けることを目指します。
③2人同時に穴を開けられるようになったら、先生の前でペアで同時に穴を開けるというものです。
実際にやってみると、これも難しく、全くできません。割り箸ワークから、失敗続きですが、皆さん同じ状況なので、ワークショップ当初にあった「失敗してはいけない。」「大人らしく振る舞わなくてはいけない。」というような思い込みが取れていき、皆さんの表情が、徐々に活き活きとしてきます。
最初は遠慮しながらやっていた人たちも徐々に本気になっていき、30分ほど経つと、床には失敗した新聞紙が山のように積もっています。

ここで、先生がアドバイスをくださいます。
・パンチを打つ時の下半身を意識すること。
・新聞紙めがけてパンチするのではなく、新聞紙のさらに奥に手のひらがあることをイメージして、新聞紙を突き破って手のひらにパンチするイメージをもつこと。
先生のアドバイスを受け、さらに練習を繰り返すうちに、ついに先生の前で成功したペアがあらわれました!(先生の前で挑戦するときは、他の人たちも観衆となってみるというルールだったので、成功者があらわれた時は、歓声が起きました!)

今度は、先生からのアドバイスで、成功したペアが、他の人にコツを教えて回ってくれます。すると徐々にできる人が増えていきました。面白いことにできる人は、決して「力の強い人」や「運動神経のいい人」だけではありません。コツがわかると、女性の力でも十分に穴が開きます。ワークショップが始まった当初は、何度も参加している人と、初めて参加した人で目に見えない境界線のようなものを感じていましたが、このワークを通じて「初心者」「ベテラン」のパワーバランスが良い意味で崩れていき、境界線がなくなっていきました。
僕も他のグループの人に教えてもらい、ついに穴が開きました!そして、ペアの方もコツを掴み、2人同時にに穴が開いた時は、思わず2人でハイタッチをしていました。残念ながら、先生の前でのチャレンジは失敗しましたが、この教え合い、成功を喜び合う輪が広がっていくことで、部屋の雰囲気が一気に変わっていくことを感じました。
「失敗が気にならなくなってくる」→「自分に向いていた羞恥心などの意識がだんだん薄れていき、本気になり始める」「本気になると力が出る!」→「できるって楽しい!」→「2人同時にきるってもっと楽しい!」→「人の力になれるって嬉しい!」→「みんなでできるようになるって最高!」
単純化すると、このような流れを感じました。

割り箸ワークに再挑戦
このタイミングで再び割り箸を使ったワークに戻ります。特に先生からの新しいアドバイスはありませんでしたが、今度は、成功者が続出します。
新聞紙のワークを通じて、皆さんの心理的な距離は明らかに近づいていました。その効果が無意識のうちに肘や身体の使い方、相手の動きを感じる力に反映されて、目をつぶっていてもペアのお相手の動きを以前よりも感じられるようになったことを割り箸のワークを通じて体感することができました。

先生の意外な一面
当初感じていた先生のただならぬ雰囲気は、外見だけではなく、主に内面から出ているもので、ワークショップ中も感じられ、それは情熱、とか本気度、みたいな言葉と近いかな、と思っていたのですが、その情熱がどこからくるのか?という背景を感じられる瞬間がありました。
昼休みに入り、皆グループになってお弁当を食べていましたが、先生は隅っこの方で一人でお弁当を食べています。主催の方が気をきかせて「先生は、実はとてもシャイな方なので名刺交換など、皆さんから先生に話しかけにきてくださいね。」と声掛けをしてくれます。
それまでの情熱的な指導の背後には、先生ご自身が「繋がり」への強い思いがあったのだと気づかされた瞬間でした。
以下は、先生の言葉です。ご自身の体験から発せられた言葉なのだと想像することができます。
レッスンを通して、自分ってこんな人間なんだと気づきます。引っ込み思案で人との間に壁を作ってしまう人も、人を受け入れ人に受け入れられる経験をします。おしゃべりが苦手な人が、人に真に話しかけられるようになります。
兵藤先生のワークショップは、その緻密な設計力や繊細な観察力もさることながら、一貫した先生ご自身の在り方が、その真髄だと感じました。
先生の情熱的な在り方の奥には、「ワークショップを成功させたい」というより、もっと切実な何かを感じました。それは、先生ご自身がこのワークショップを通じて参加者と「繋がりたい」という思い。そして、「繋がることができる」ということを信じているスタンスなのかもしれない、と思いました。
今回、ご紹介したワークは、以下の兵藤先生の著書で学ぶことができます。
(以下のリンクから試し読みすることもできます!)
終わりに
不登校というのは、学校側からみた捉え方であって、生徒からみた場合、生徒と学校や生徒間の関係性(エンゲージメント)が低い状態、と捉えることができると思います。兵藤先生は、演劇表現という手法を使って、生徒が、主体性と共同体感覚を育み、繋がりを取り戻す土壌をつくっているのだということをワークショップを通じて体感しました。
Engagement Run!Academyメンバーも募集中ですので、ご興味のある方はこちらのページをご参照ください!
