内見できない部屋を契約した話
先日、人生で初めて「内見なし契約」をした。
正直、不安だった。
契約する部屋の中を見ていない。
本当に大丈夫なのか。住んでから後悔しないのか。
契約までの約2週間、仕事中も頭の6割くらいは物件のことを考えていたと思う。
はじまりは「おすすめですよ」の一言
ある日、不動産会社Bから、
「この物件おすすめですよ」
と連絡がきた。
写真を見る限りかなり好みだった。
ひとまず見積をお願いした。
ちょうどその日は別の不動産会社Aへ行く予定だったので、
「この物件見られますか?」
と聞いてみたところ、
「居住中なので内見はできませんが、外観なら見られます」
とのこと。
まあ外観だけでも見てみるか。
そんな軽い気持ちだった。
この時の本命は別の物件だった
その日見た物件は3件。
1件目。
これがのちに契約することになる物件だった。
ただ、この時の感想は
「駅徒歩20分かぁ……惜しいな」
だった。
部屋の雰囲気は好き。
でも駅が遠い。
正直、それしか頭になかった。
2件目は別駅だったけど駅近で、マンションの雰囲気もなんとなく好きだった。
「ここいいかも!」
と思ったのはこっちだった。
3件目は部屋がかなり広かったけど、契約前内見ができないと言われて早々に候補から外れた。
今思うと笑う。
結局契約した物件も契約前内見できなかったんだから。
第一候補、消える
2件目に申し込みたい気持ちになっていた。
ところが帰りの車の中で担当者さんに電話が入った。
担当者さんが
「まじすか~~」
と言っている。
なんだなんだと思っていたら、
「さっきの物件、申し込み入ったみたいです……」
とのこと。
がーん。
完全に出遅れた。
A社に戻り、
「別部屋が出たら申し込みたいです」
と伝えた。
ついでに、あまり期待していなかった1件目の見積も受け取って帰った。
なぜか気になる
帰宅後。
なんとなく1件目の物件を見返した。
駅徒歩20分。
でもバス便がめちゃくちゃ多い。
これなら意外と何とかなるんじゃないか。
RC造。
部屋も広い。
設備も悪くない。
調べれば調べるほど、
「あれ……結構いいのでは?」
と思い始めた。
そしてここで、B社とA社の見積を見比べる。
B社は約8万円。
A社は約8万6千円。
月額の話だ。
え?
同じ物件なのに?
家賃って会社で違うの?
衝撃だった。
(A社は独自のサポート料がついていた)
もう少し他社も見てみようと思い、何社か問い合わせをしてその日は寝た。
朝起きても気になっていた
翌朝。
起きてもやっぱり気になるのはその物件だった。
11時まで待って、追加で問い合わせた会社から見積が来なかったらB社へ連絡しよう。
そう決めて待った。
結果。
メールは来る。
でも肝心の見積が来ない。
なんでだよ。
もういいや。
そう思ってB社へ連絡した。
申し込み。そして最大の問題
申し込みたいことを伝えた。
ただ、一つだけ会社に確認したいことがあった。
週明けまで待ちたいと伝えたところ、
「確認事項は後でも大丈夫なので、先に申し込みした方がいいと思います」
とのこと。
もし確認後に契約できなくなってもキャンセルして大丈夫だと言われた。
なるほど。
じゃあ申し込もう。
そう思った。
そしてここで改めて言われる。
「契約前の内見はできません」
まじか。
この物件もか。
ちょっと笑った。
でも確認事項次第では契約自体できないかもしれないし、とりあえず申し込むことにした。
審査はありがたいことにすんなり通過。
あとは会社への確認結果待ちになった。
不安との戦い
週明け。
確認事項は問題なし。
よかった。
でも今度は別の不安が大きくなった。
内見ができない。
やっぱりそこだった。
だから担当者さんに質問しまくった。
天井の高さ。
水圧。
日当たり。
騒音。
気になることを全部聞いた。
正直、
「めんどくさい客だと思われてるかな」
とも思った。
でも、私にとっては大きなお金だ。
毎日暮らす場所だ。
内見できないなら、その分聞けることは全部聞こう。
そう決めた。
たぶん人生で一番質問した。
契約前日にホテルに泊まった
それでも不安は残った。
今回の立地は今まで住んだことがないエリアだった。
夜の雰囲気を知りたかった。
だから契約前日、その駅のホテルに泊まった。
夜道は怖くないか。
人通りはどうか。
交通量はどうか。
実際に歩いて確認した。
今振り返ると結構本気である。
でも、そこまでやった頃には
「もうここまで確認したんだから大丈夫でしょ」
と思えるようになっていた。
契約の日
契約当日。
担当者さんと初めて物件前で待ち合わせをした。
相変わらず部屋の中は見られない。
でも外観を見ながら説明を受けて、また質問して。
不思議なことに、その日を境に不安がふっとんだ。
そしてそのまま契約へ。
ここまで、たった2週間。
でも体感は2か月くらいあった。
毎日物件を調べて、
Googleマップを見て、
口コミを読んで。
不安になって、
また調べて。
そんなことを繰り返していた。
今思うと、部屋探しをしていたというより、自分で決断する練習をしていたのかもしれない。
誰かの正解を探すんじゃなくて、
自分で調べて、
自分で考えて、
自分で決める。
今回の引っ越しで一番大きかったのは、部屋が決まったことじゃなくて、その感覚を少し掴めたことだった気がする。
もちろん入居してみたら想定外のこともあると思う。
でも、あれだけ調べて、考えて、質問して決めた部屋だ。
もし何かあっても、
「自分で決めたんだから仕方ない」
と思える気がしている。
よく頑張ったわ、私。
……とはいえ。
実はまだ住んでいない。
なので、この決断が正しかったのかどうかは、まだ誰にも分からない。
果たして、内見せずに契約した部屋は当たりだったのか。
それとも盛大にやらかしたのか。
結果が分かるのは入居後。
水圧は大丈夫なのか。
通り沿いの車の音は気になるのか。
そして私は駅徒歩20分に耐えられるのか。
未来の私に答え合わせをしてもらおうと思う。
入居したら、ちゃんと続編を書く予定だ。
その時に、
「意外とよかったじゃん」
なのか、
「だから内見できる物件にすればよかったのに~」
なのか。
半分楽しみで、
半分怖い。
次回は、内見できなかった私が実際に不動産会社へぶつけた質問をまとめる予定。
あのとき聞いてよかったことを、忘れないうちに残しておこうと思う。
