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■大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話「願いの鐘」―願いよ叶え。そうなるように生きていけ

えりたです。

大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話が放送されました。私はリアタイはせず、別日に録画で拝見しましたが、やはりおもしろいですね。知っているようで、明確な輪郭を以て想像はしていなかった、戦国の世の在り様。今の世相だからこそ、目をそらさず見ておきたいなと思うのです。うん、天正十年までがんばる。

そんなこんなで、第2話の感想です。今回も小栗信長さまを中心に書いていきますよぉ。あ、そんな方向性を全力で醸した第1話の感想はコチラです。

ではでは、第2話の感想へレッツゴー。


■今週のとの

今週のとのは、岩倉城の戦いに邁進しておられました。が、この戦いは史実では永禄元(1558)年に行われています。つまり、先週描かれたとのの上洛(永禄2(1559)年)より前のお話なのです。おそらく、第2話で「物語の今」がいつなのかを示すテロップが出なかったのは、それが理由なのでしょう。

■そもそものお話なのですが

今回の岩倉城のお話で、とのの敵となったのは「織田伊勢守家」でした。とのご自身は「織田弾正忠家」でいらっしゃいます。このあたり、めちゃ「織田織田」していて分かりづらいですよね。…全部「織田」やんっていう…💦以前受検した「織田信長(さま)検定」で、私が最も苦戦したのが「あなたはどの『織田さま』…??」でした(笑)

それはともかくとして。この「織田織田」現象、そもそものお話は応仁・文明の乱まで遡ります。

当時、尾張国の守護は斯波氏が務めていました。斯波氏は室町幕府において「管領」の職務を担う家柄ですから、在京が基本になります。つまり、尾張には守護さまが(物理的に)いらっしゃらないのです。そこで、置かれたのが「守護代」であり、尾張国でその「守護代」を担ったのが織田家でした。

それが、応仁・文明の乱で斯波氏が東西両軍に分裂したことに伴い、守護代であった織田氏も二つに分かれます。そこから派生したのが、岩倉城を拠点とする「織田伊勢守」家であり、清須城を拠点する「織田大和守」家でした。

ちなみな話、信長さまへとつながる「織田弾正忠家」は、「織田大和守」家の庶流です。つまり、守護代の家臣であり、守護の斯波氏から見たら「陪臣」という位置づけになります。

で、いろいろありまして(え)

天文23(1554)年に信長公は、織田大和守家を滅ぼし、その後清須城を居城とします。ですから、1559年あたりから始まる大河ドラマ『豊臣兄弟!』でも信長さまは清須城にいらっしゃるのです。

その上で。今回の岩倉城攻め「織田伊勢守」家を滅ぼす戦いであり、そのことにより信長公は尾張一統を成し遂げるのです。もちろん、第1話で書いたように、三河国との境目では今川氏との小競り合いがあるのですが。それでも、第1話の上洛にあったように、幕府に報告ができるレベルの「一統」ではあったのです。

■「まこと」の尾張一統

「見せかけ」ではない「まこと」の尾張一統を果たすために、信長さまはまったく容赦のない攻撃を家臣に命じます。

「城を丸裸にし、あるだけの鉄砲と火矢を用いて、連日連夜攻め立てよ」

降伏を認めず、城下をすべて焼き払う。そうすることで、膨大な数の命を奪うことになるのは誰よりも明確に痛切に理解している。けれど、そうしなければ。皆が平和に笑って、腹いっぱいご飯を食べられる世が訪れることはない。それも痛いほど分かっている。だからこそ、躊躇なく命じる。

このあたりの矛盾―戦いを終わらせるために戦い続けなければならない―が、戦国の世の終わりがけの「しんどさ」だろうなと思ったりします。「戦わなければ生き残れない」のではなく、「戦わなければ終わらない」

戦うのが大好きな(=戦わなければ生きていけない)狂戦士(バーサーカー)ならともかく、そんな生き方の出来る人、あるいは、したい人など、ほとんどいません。誰だって、平和に仲良く笑って過ごしたい。おそらく、信長さまもそうだと思うのです。ですが、それでは平穏さは訪れないし、下手をすれば、今回の小一郎たちのように奪われるだけの日常になってしまう。

そして、何より信長さまは、自らのもつ才覚や地位をあますところなく用いて、人々を巻き込んで行けば、その平和は得られるかも知れない立場にいらっしゃいます。だからこそ、今を必死に戦い続けていると思うのです。

また、信長さまの、勝ったあとにこそ「誰も抗えぬ、ゆるがぬ力を示す」必要がある、そのためにも「わずかでも不安の種を残せない」という信念も、目指すのが「まこと」の尾張一統だからこそ。

「見せかけ」だったり、自分だけが得をしたり、なものであれば、ここまで悲壮な決意とか信念とか、もっと言えば、こんな非情な攻撃は必要ないんですよね。それこそ、岩倉城の織田伊勢守家が見せたような、小賢しい手法を採ればよいわけです。でも、信長さまはそうではなかった。

命令自体はとても苛烈で、家臣の皆々さまも命じられた瞬間、どよどよしていらっしゃいましたが。私は拝見しながら、そんな「しんどさ」を勝手に想像して、(´;ω;`)ウッ…ってなっていたのでした。

■俺を分かってくれたのは、君だけだったよ

今回の大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、女性陣がとても強いです。主にメンタルあたりが。

たとえば、藤吉郎・小一郎兄弟の母であるなかさんや姉のともさん、妹のあさひちゃん。彼女たちの、その後の波乱万丈さを思うと、今から胃がきりきりしちゃいますが💦 それでも、どんな状況であろうと、彼女たちは大らかに笑って歩いていくであろう明るい強さを感じます。

また、もう一人、今回お目見えになった「市さま」。…うん、めちゃくちゃかわいいし、可憐だし…瞳に誰よりも強い意志を宿しているし。女性であることの悲しみも全力で理解してはるし。これがあの、武骨一辺倒な山口勝家さまのもとへ…はまだ先のお話ですね。

ともあれ、市さまはだれよりも信長さまの考えや感情を理解していらっしゃいます。そして、自身が女性であるからこそ、兄が口にしない言葉をするりと現出させることができる。また、それは家臣たちが誰一人、そして、一切合財理解できなかった兄の考えであり、信念だったわけです。

「分かりたくなくても分かってしまう」

これは兄からすれば救いだけれど、女性である市さまからすれば悲劇になってしまうんですよね。だって、分かったところで、この時代に女性である自分にできることなど何もありませんもの。でも、そこまですべて見通せてしまう。だからこそ、「分かってしまう」という言い方になるんですよね。

ここから彼女の歩む道が、悲劇的なものであることを私たちは知っています。そして、山口勝家さまと市さまが並んだ姿を想像してはニヤニヤしてしまいます(え)

ですが、今回の市さまは藤吉郎と当初から気安く話をする方であり、それが少しでも彼女の救いの時間にならんことを願ってやみません。


■まとめ

そんなこんなで、大河ドラマ『豊臣兄弟!』第2話の感想でした。『豊臣兄弟』だと言っているのに、なぜか『織田兄妹!』になっている不思議…まぁいつものことと言えば、いつものことですね(笑)

・ ・ ・

今回の大河ドラマでは「身分差」というものが、かなりくっきりと描かれます。小一郎たち一家の服装と直ちゃんたち一家の服装の違いだったり。農民として生きていくことと、地侍として生きていくことの存外に大きな隔たりだったり。視覚的にも、思索的にも明確に伝わる描き方がなされています。

一方で、豊臣秀吉という人物は、日本史上でただ一人農民の身分から、天下人の身分まで駆け上がりました。それは「身分差」を乗り越えるなどという生易しいものではなく、「身分差をぶっ壊し、ぶっ潰す(ただし、自分の周りに限る)」みたいな所業だったわけです。

ですが、それは、言い方を変えれば、「身分差」が明確にあって、それを力で乗り越えられる可能性を(ほんのりとでも)持つ時代であったからこそ成功したわけで。秀吉公―藤吉郎自身は「身分差」を乗り越える、などとは考えておらず、ただひたすら「藤吉郎、ありがとう。藤吉郎、すごいね」って「みんな」に言われたかっただけかもしれない。

そのあたりは、これからの描かれ方を見なければ分かりませんが。幸せの基準が農民のまま変わらなかった藤吉郎と、もう少し先を見ることができた―信長さまが目指した「幸せ」の基準を持てた小一郎、みたいな未来をちょっとだけ想像した、第2話でした。

・ ・ ・

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
第3話もご一緒に楽しめたら、嬉しいです。

んじゃ、また。


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