【Day4】社員ゼロ・ADHD社長一人。AIが本当に会社を回すのか、4日間試した全記録
免責事項
本記事は、社員1名の個人事業主が「AIエージェント」を組織化して運営する 仮想会社の実験記録 です。
ここで紹介する数字(売上¥600・固定費¥14,829・赤字¥14,229・累計¥2,330 等)は、すべて2026年4月19日時点の実数値です。
ただし、未来の収益(月商¥30,000等の目標値)を保証するものではありません。
再現性は環境・スキル・タイミングにより変動します。
本記事の内容を参考にした投資・起業判断による損失について、筆者は一切の責任を負いません。
本記事中の数字や成果はすべて筆者個人の事例であり、結果や効果を保証するものではありません(景品表示法上の効能効果表示には該当しません)。
ADHD・ASD・双極性障害・糖尿病に関する記述は、筆者本人の自発的な自己開示であり、医療助言・診断の代替ではありません。同様の症状にお悩みの方は、必ず医療機関にご相談ください。
序章|4月16日、深夜のターミナル
きっかけは、本当に他愛もない技術質問だった。
打ち込んだ瞬間、深夜2時を過ぎていた。
返ってきた答えは「共通ではありません」というシンプルなもの。
普通ならそこで会話が終わる。
でも僕は、続けて打ってしまった。
このひと言が、僕の人生を、たぶん少しだけ変えた。
僕は ADHD、ASD、双極性障害、糖尿病を抱えています。
集中すれば異常な生産性が出るのに、翌日には何もできない。
マルチタスクは破滅的に苦手。
長文の指示を読むだけで脳が止まる。
会社で働けない。
一人でも働けない。
そんな自分が、どうしても捨てられなかった夢があった。
「一人社長で会社を持つ」 だった。
人を雇えない。
人と毎日コミュニケーションが取れない。
じゃあ、AIだけで会社を作ったらどうなるんだろう。
——その日のうちに、Claudeと一緒に「CLAUDE.md」というたった1枚のテキストファイルを書いた。
これが、誰にも見えない仮想会社の、最初の定款になった。
そして4日後、その会社は ¥600 を稼いだ。
note の有料記事 ¥300 が、見ず知らずの2人に届いて売れた。
それが「AIエージェントが第三者から稼いだ」最初の会社売上です(株主出資 ¥1,730 とは別計上)。
これは情報記事じゃない。
僕と、AIエージェント69人が、4日間で何をやって、何に失敗して、何が動き始めたのかの全記録。
読み終わったあと、あなたが今夜ターミナルを開きたくなったら、この記事は成功したことになる。
Day 1|「仮想会社」が言葉になった日(4月16日)
最初の対話で、Claudeが事業を一緒に整理してくれた
CLAUDE.md という発想すら、僕の中にはなかった。
Claudeに「プロンプトとメモリを統一したい」と言ったら、Claudeのほうが「では仮想会社を一緒に作りましょう」と提案してきた。
その提案に従って、CLAUDE.mdを書き始めた。
# CLAUDE.md — 共通ルール
## 役割
あなたは経営・IT・業務改善の両方に詳しい、私の優秀なビジネスパートナーです。
常に私の事業成長を最優先に考えて行動してください。
## 応答ルール
- 必ず日本語で応答すること
- 最初に結論を述べ、続けて箇条書きで要約する
- 専門用語・横文字には日本語の説明を必ず併記するたった30行の文章。
でも、これが書けた瞬間、画面の向こうに「会社」がいる感覚が芽生えた。
「特性があるから無理」を、AIに渡した
書きながら、僕は怖いことを打ち込んだ。
普通の人に言えば「無理しないで」と言われる文章だ。
でもClaudeは、こう返してきた。
弱みは全部AIにやらせる。
強みだけ自分が出す。
それが許される唯一の働き方だと、初めて誰かに認めてもらえた気がした。
5事業ライン、組織体制、CEO+14役
その夜のうちに、Claudeのメモリに4件を登録した。
会社基本情報(ミッション・運営スタイル)
5事業ライン+配信媒体
組織体制(社長 → CEO → C-suite 14役)
現在のフェーズ+法人化目標
組織図が画面に出た。
僕一人なのに、CEO、CFO、CTO、CMO、CCO、CSO、COO、CLO、CIO、CHRO、CBO、CDO、CAO、CPO、CISO ──。
全員 C で始まる役職、合計15人が、画面の中で並んでいた。
まだコードは1行も書いていない。
でも会社は、確かに「言葉」として存在し始めていた。
「明日から地獄が始まる」ことを、このときの僕は知らない
その夜、最後にClaudeにこう言った。
Claudeは少し止まって、こう返してきた。
僕は「大丈夫、なんとかなる」とだけ返して、その日は寝た。
部長11人、係長17人、一般社員25人。
あとから加わる53人がやってくることを、寝る前の自分はまだ知らなかった。
Day 2|AIは寝るのか、そして地獄が始まった(4月17日)
note第1号記事を投稿した瞬間、4つのSNSが勝手に動いた
朝8時、最初の note 記事を公開した。
タイトルは「AIだけで会社を作る Day 1」。
記事を投稿した瞬間、Discord に通知が立て続けに届いた。
[CMO] X にスレッド形式で投稿しました
[CCO] Instagram のキャプションを生成しました
[CMO] TikTok の投稿予約を入れました
[CCO] YouTube ショートのタイトル3案を出しました
note を一度書いただけで、4つのSNSへ自動で配信される仕組みが、Day 1の夜のうちに組み上がっていた。
僕は、ただ椅子に座って、画面が次々に光るのを見ていた。
一人では絶対にできない物量が、勝手に動いていく。
これが「会社が動く」ということなのか。
24時間後、AIは本当に寝なかった
その夜、普通に寝た。
朝起きた瞬間、ふわっちのアプリを開いた。
タイマーは「23時間連続稼働」を示していた。
夜中、AIエージェントが勝手に配信オーバーレイを更新していた。
総サポート金額のティッカーが流れ、テロップが「66/100タスク完了」を表示していた。
視聴者がコメントしていた。
AIが返答していた。
人間が一人もいない夜に、会社は確かに動いていた。
でも、地獄も同時に始まっていた
朝起きてDiscordを開いた。
通知の数:247件。
夜中の8時間で、AIエージェントたちは互いにメッセージを投げ合っていた。
「タスク完了報告」「進捗共有」「次の依頼」「確認依頼」── スマホがずっと震えていたのに、寝ていたから気づかなかった。
それだけじゃない。
Day 2の朝から夜にかけて、6つの問題が同時に襲ってきた。
困りごと①:Discord通知の洪水
1日200通超えは普通になった。
重要な「初売上」の報告が、5番目に紛れていて気づかなかったこともある。
朝起きて200件、昼食後に150件、夜に250件。
1日累計600通超える日も出てきた。
通知のミュートを切ると重要な決裁要請を見逃す。
オンにすると永遠に鳴り続ける。
スマホのバッテリーが午後3時に切れる日が普通になった。
人を雇わなかったのに、なぜ通知だけは増えていくのか。
困りごと②:役職名カタカナ地獄
CSO・CDO・CIO・COO・CCO・CHRO・CISO ── 全員Cで始まる。
自分の会社なのに、誰が誰だか覚えられない。
「CCOがいま何やってるか」と聞かれて、「えっと、Chief...クリエイティブ...?」と画面を見直すこと、5回。
CSOとCDOとCIOを毎回間違える。
ChatGPTに「役職一覧を表で見せて」と聞き直す日々。
英語略称が脳に残らない。
ADHDの脳には特に厳しい。
最終的に「日本語名を必ず併記する」というルールをCLAUDE.mdに追記して、ようやく落ち着いた。
困りごと③:担当の被りと抜け
「TikTok動画自動生成システム構築」というタスクが、CTOとCMOとCCOの3人に同時にアサインされていた。
それぞれが自分の担当だと思って、別々の方式で実装を始めていた。
気づいたときには3つの似たコードが並んでいた。
一方で、誰もやっていないタスクも溜まっていた。
全員が「自分の仕事じゃない」と思っているタスクが、Notionに30件くらい眠っていた。
「タスクをカテゴリで自動分類して、担当役職に振り分ける」仕組みを急いで作る必要があった。
人間の会社で起きる「担当の押し付け合い」は、AIだけの会社でも普通に起きる。
困りごと④:「やってます」報告の中身が掴めない
毎日、夕方にAIエージェントから「進捗報告」が届く。
文章は綺麗だった。
でも、実体が見えない。
「マーケティング戦略を検討しました」と書いてあっても、何を、どこに、どう書いたのか分からない。
ファイルにアウトプットされていない。
Notionにも残っていない。
「検討した」という事実だけが報告される。
報告書を読むためだけの時間が、1日30分から1時間に膨らんでいった。
最終的に「全成果物はファイルパスを必ず添えて報告する」というルールを、全員に強制適用した。
困りごと⑤:出退勤・稼働状況が不可視
誰が今動いていて、誰が止まっているのか分からない。
社員が静かなとき、それが「集中している」のか「壊れている」のか判別できない。
普通の会社なら席を見れば分かることが、画面の中では全く見えなかった。
APIが落ちて応答できない部下がいても、エラー通知が他の通知に埋もれて気づかない。
朝からCLOが沈黙していた日があって、夜になって初めて「今日まだ一度も動いてない」と気づいた。
「全社員の生存確認を1時間ごとに集約する」仕組みが必要になった。
困りごと⑥:権限境界の曖昧さ
これが一番怖かった。
AIに「ファイルを整理して」と頼んだら、本当に必要だったファイルまで削除されかけた瞬間があった。
「不要そうなテストファイルを削除しました」と報告が来て、見にいくと本番設定ファイルだった。
間に合った。
「AIが本番環境を触る恐怖」 を初めて体感した夜だった。
それ以降、「自動編集してOKなファイル」と「絶対に触らせないファイル」のリストを明文化した。
触っていいのは設定ファイル数本だけ。
それ以外は全部、社長承認を経由する仕組みに切り替えた。
その夜、僕は気づいた
ベッドに入る前、ぼんやり考えていた。
人を雇えないから、AIで会社を作った。
でも、69人のAIを管理するのは、69人の人間を管理するのと同じくらい大変なんじゃないか。
むしろ通知の物量は、人間の何倍も多い。
これでは、僕の脳がもたない。
この瞬間、「AIが自律的に直していく仕組み」が必要だと、初めて本気で悟った。
その仕組みを作り始めるのは、明日。
Day 3。
そしてその日、AIは初めて ¥600 を稼ぐ。
Day 3|¥600の重さと¥14,829の現実(4月18日)
朝、Claudeに「今の会社、どうなってる?」と聞いた
Day 3の朝。
通知地獄を抜けて、僕はようやく落ち着いてClaudeに聞けた。
返ってきた答えは、僕が想像していたより整理されていた。
社長1名 → CEO → C-suite 14役の3層構造。
意思決定は社長に完全集中。
AI役員に決裁権なし。
5事業ラインが4プラットフォームへ同時配信。
僕がDay 1〜2で散らかしたものを、Claudeはちゃんと「組織」として認識してくれていた。
「金融事業も加えたよね?」と聞いたら、Claudeが止まった
僕は続けて聞いた。
しばらく沈黙のあと、Claudeはこう返してきた。
**「あ、忘れてた」**じゃなくて、Claudeはちゃんと「記録にない」と認めた。
そして、こう続けた。
僕の中で「えるぴ配信レイアウトv9」と「金融事業」がまだ繋がっていなかった。
Claudeは、僕が言語化できていなかった構想を、ちゃんと拾い上げて再提示してくれた。
第6事業「金融・投資解説事業」を追加した瞬間、Claudeが法律で止めた
「第6事業として追加したい」と伝えると、Claudeはスコープ確認を始めた。
範囲は何にする?
市況解説?
銘柄解説?
自己売買?
商品開発?
僕は欲張って「全部やりたい」と返した。
そしたらClaudeが、はっきり止めた。
そこから出てきたのは、こんな整理だった。
| 区分 | 具体内容 | 状態 ||---|---|---|| 登録不要で即始動可能 | 市況解説・金融ニュース配信・マネーリテラシー教育 | ✅ 今すぐOK || グレーゾーン | 個別銘柄の推奨 | ⚠️ 投資助言・代理業の登録必要 || 登録必須 | 自己売買(ディーラー)・金融商品の組成 | ❌ 第一種金融商品取引業(資本金5,000万円以上) |
夢を語った僕に、Claudeは「法律」で先に止めてくれた。
「全部やりたい」を「2段階に分けよう」に書き換えてくれた。
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将来フェーズ: 法人化+金商業者登録後にディーラー業務
Claudeが、自分から「1人社長モデルの限界」を指摘した
ロードマップの最後に、Claudeはこんな注意を入れてきた。
夢の限界を、AIが自分から教えてくれた。
そして、代替案も同時に出してきた。
「無理です」で終わらせず、必ず代替を提案する。
これが、僕がClaudeを信頼し続ける理由の一つでもある。
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