だから、条件を決める前に時間を話す
物件サイトには、
価格
駅からの距離
広さ
間取り
築年数
を入力する欄があります。
でも、
家族で夕食を食べる時間を増やしたい。
朝、子どもを急かさず送り出したい。
夫婦で一緒に料理をしたい。
ひとりで静かに過ごす時間もほしい。
そんな希望を入力する欄はありません。
けれど、本当に家族が欲しいものは、
部屋や間取りそのものではなく、
その家で過ごす時間なのではないでしょうか。
「広いLDKが欲しい」の奥にあるもの
たとえば、
「広いLDKが欲しい」
という希望があったとします。
広いLDKで、何をしたいのでしょう。
家族みんなで食卓を囲みたい。
子どもが遊んでいる姿を見ながら料理をしたい。
友人を呼んで、にぎやかに過ごしたい。
ソファでくつろぎながら、同じテレビを見たい。
同じ「広いLDKが欲しい」でも、
叶えたい時間は家族によって違います。
叶えたい時間が違えば、
本当に必要な広さも、間取りも、立地も変わります。
条件は、願いを叶えるための手段
駅から徒歩10分以内。
それは、駅に近いこと自体が目的ではなく、
通勤時間を短くして、
家族と過ごす時間を増やしたいからかもしれません。
個室が欲しい。
それは部屋数を増やしたいのではなく、
仕事と家庭を切り替えたい。
集中して勉強できる場所をつくりたい。
ひとりになる時間も大切にしたい。
そんな願いがあるのかもしれません。
収納が多い家が欲しい。
その奥には、
片づけに追われる時間を減らしたい。
探し物をする朝を終わらせたい。
すっきりした部屋で、機嫌よく暮らしたい。
という願いがあるかもしれません。
条件は、最初から存在する正解ではありません。
家族が叶えたい毎日を知ったあとに、
その暮らしを実現するために生まれるものです。
家族会議で話してほしい3つのこと
家族の地図をつくるときは、
いきなり希望条件を決めなくて大丈夫です。
まず、家族それぞれに聞いてみてください。
今の暮らしで、残したい時間は?
家族で食卓を囲む時間。
子どもと一緒にお風呂に入る時間。
休日に近所を散歩する時間。
今すでにある幸せも、
新しい家に持っていきたい大切な条件です。
新しい家で、増やしたい時間は?
ゆっくり朝食を食べる時間。
夫婦で話す時間。
趣味を楽しむ時間。
子どもが友達を呼べる時間。
まだ形になっていない願いを、
自由に話してみます。
できれば、減らしたい負担は?
長い通勤時間。
片づけに追われる時間。
子どもの足音を気にすること。
家族が一つの洗面所に並ぶ朝。
「嫌なこと」を並べるためではなく、
これから大切にしたい時間を守るために考えます。
この段階では、否定しない
もし家族の誰かが、
「ゲーム部屋が欲しい」
と言ったとき。
そんな部屋は必要ない。
予算的に無理。
どうせ数年しか使わない。
と、すぐに結論を出さないでください。
まずは、
そこで、どんな時間を過ごしたいの?
と聞いてみる。
一生必要な部屋ではなくても、
今の家族に必要な時間があるかもしれません。
実際に、以前担当したご夫婦は、
「ゲーム部屋」を大切な希望として家を選びました。
一生必要かどうかではなく、
これからの7年間をどう過ごしたいか。
そのご夫婦にとっては、
それが今の暮らしを豊かにする選択でした。
条件が決まっていなくても、相談していい
不動産会社に相談するなら、
予算も、エリアも、間取りも、
決めておかなければならない。
そう思っている方も多いかもしれません。
でも、本当は逆です。
条件が決まる前に、
何を大切にしたいのかを整理する。
そのあとで、
願いを間取りや立地、予算に翻訳していく。
私は、物件を紹介する前に、
そんなお話を聞かせていただきたいと思っています。
条件になっていない言葉の中にこそ、
その家族に合う家を見つけるヒントがあるからです。
家探しは、
どこかにある正解を探すことではありません。
家族に合う正解を、
家族でつくっていくこと。
だから、条件を決める前に。
まずは、
これから増やしたい時間を話してみてください。
まだ家を買うと決めていなくても、条件がまとまっていなくても大丈夫です。
条件になる前の家族の想いを、一緒に整理するところからお話を伺っています。
