見出し画像

『新しい陽転思考 人生がなぜかうまくいく人の凄い考え方』和田裕美・著。

「いや、それくらい自分でやってくれよ……」

兄貴から保険の請求手続きを頼まれたとき、正直そう思った。

兄貴は先月、腹部大動脈瘤の大きな手術を受け、人工血管に置き換えた。約3週間の入院生活を経て、無事に退院。

大変な手術だったから、もちろん、できることは手伝おうと思っている。

ただ、入院中からあれこれ手伝っているうちに、いつの間にか「弟がやるのが当たり前」みたいになってきた。

何かあるたびに頼ってくる。

最初のうちは「しょうがないな」とやっていたのだが、それが続くと、こっちもだんだんむっとしてくる。

そして今回頼まれたのが、入院や手術でかかった医療費の保険請求だった。

「いや、これは自分でできるだろ」
「なんで俺がここまでやらなきゃいけないんだ」

そんな気持ちになっていた。

そのとき、ふと思い出したのが、和田裕美さんの『新しい陽転思考 人生がなぜかうまくいく人の凄い考え方』で読んだ「陽転思考」だった。

やり方は、とてもシンプルだ。

嫌なことや腹が立つことが起きたとき、

「この出来事の中で、よかったことは?」

と自分に問いかけてみる。

「ほんとかよ」

と思いつつ、やってみた。

今回の保険手続きで、よかったことは何だ?

…………。

すると、ひとつ出てきた。

「あれ? 待てよ。この保険の手続きって、いつか自分にも必要になるんじゃないか?」

そう考えた瞬間、ちょっと見え方が変わった。

それまで私は、兄貴のために面倒な手続きを「やらされている」と思っていた。

でも、これは自分のための予行演習だと考えることもできる。

しかも私の場合、いざというとき、誰かが代わりにやってくれるとは限らない。

だったら今、兄貴の手続きを通して一度経験しておいたほうがいい。

そう思ったら、不思議なことに気持ちが変わった。

あれほど、

「なんで俺がやらなきゃいけないんだ」

と腹を立てていた保険の手続きに、前向きな気持ちで取り組めるようになったのだ。

そして、無事に手続き完了。

しかも珍しく、兄貴から感謝の言葉までもらえた。

おお、これは一挙両得じゃないか。

もちろん、嫌な出来事そのものが消えたわけではない。

兄貴が急に何でも自分でやるようになったわけでもない(笑)。

変わったのは、私の「見方」だけだ。

「兄貴にやらされる面倒な手続き」が、

「将来の自分のための予行演習」

に変わった。

出来事はまったく同じなのに、見方が変わると気持ちが変わる。

気持ちが変わると、行動まで変わる。

これが実際にやってみると、なかなか面白かった。

「前向きに考えよう」

なんて無理をしなくてもいい。

嫌なことがあったら、とりあえずひとつだけ探してみる。

「この出来事の中で、よかったことは?」

本で読んで、すぐ実生活で試してみたら、本当に自分の気持ちまで変わってしまった。

和田裕美さんの「陽転思考」。

これは、なかなか使えるぞ。

いいなと思ったら応援しよう!