動物新聞㉜:オオカミ宅配「フーフー運送」、コンクリート家突破できず全て置き配に
「吹き飛ばして玄関まで」謳うも藁・木造のみ対応、苦情殺到で廃業危機
森林地帯住宅街 ―
「息で吹き飛ばして玄関先までお届け」を売りに今月開業したオオカミ族の宅配業者「フーフー運送」が、コンクリート住宅を突破できず、全ての荷物を玄関前に置き配する事態となっている。
創業者のビッグバッド・ウルフ氏(6歳)は「藁の家と木の家専門とは書いてなかった」と弁明するが、現代の住宅は9割以上がコンクリート造。
「吹いても吹いても扉が動かない」として、ほぼ全件で配達不能となり、
顧客から返金要求が殺到している。
ウルフ氏の試みは、「3匹の子豚」の故事で有名な「息で家を吹き飛ばす技術」を物流に応用する野心的なビジネスモデルだ。
「扉だけを吹き飛ばして玄関先に直接配達。不在でも問題なし」として、
早速2日から営業を開始した。
初日、最初の配達先はイノシシ一家の住宅。
しかしそこは鉄筋コンクリート3階建てだった。
ウルフ氏は玄関前で深呼吸し、「フーーーーッ!」と全力で吹いた。
何も起きなかった。
「あれ?」ともう一度。「フーーーーーーッ!!」壁は微動だにしない。
10分間吹き続けたが、コンクリートにヒビすら入らなかった。
「おかしい...藁の家なら一発なのに」
結局、玄関前に荷物を置いて退散。
「置き配完了しました」と通知したが、顧客のイノシシ氏は激怒。
「吹き飛ばして中まで届けるって言ったろ! これただの置き配じゃねえか!」
2件目はウサギ宅。ここも鉄筋コンクリート。
「今度こそ」と気合を入れ、30分間吹き続けたが、壁は全く動かない。
過呼吸で倒れかけた。
「無理だ...現代の建築技術は進化しすぎている」
3件目でようやくトタン壁の住宅を発見。
「これなら!」と吹いたところ、壁ごと吹き飛んでしまった。
しかも勢いが強すぎて、荷物も家の向こう側まで吹き飛び、川に転落。
「やりすぎた...」と反省したが、住人のリス氏は「家が壊れた! 」と激怒。
修理費に加えて荷物と一部家財の弁償で、100万ドングリを請求された。
その後、配達先50件のうち、木造は3件のみ。うち2件は吹き飛ばしすぎて破損、1件は成功したが「壁に穴が空いた」として修理費を請求された。
残る47件は全てコンクリート造。
ウルフ氏は「吹いても無駄」と悟り、全て玄関前に置き配した。
顧客からは苦情が殺到。
「差別化ポイントが全くない」
「普通の宅配業者より悪い。扉壊されるし」
「息臭かった」
不憫なのは、未だに藁の家に住むヒツジ族だ。
「うちには来ないでほしい」と配達拒否を申し出たが、ウルフ氏は
「藁の家こそ我々の本領発揮」と張り切って出向。
ヒツジ側は「家を壊されたくない」と恐怖し、警察犬が出動する事態に。
建築士協会所属のビーバーさんは、「オオカミの息程度で倒れる家自体が
珍しくなってきている」とコメント。
つまりウルフ氏のビジネスモデルは、精々数世代前の家が限界なのだ。
ウルフ氏は「需要を読み違えた」と肩を落とす。
「昔は藁と木の家ばかりだったのに...時代が変わりすぎた」
起死回生として「木造住宅限定プラン」を発表したが、申込はゼロ。
「壁を壊されたくない」というのがやはり住民の意見のようだ。
イノシシ一家の末っ子は、ウルフ氏の窮状を嘲笑する。
「結局、コンクリートが最強ってことだな。
親戚の爺さんの教えは正しかった」
ウルフ氏は廃業を検討中。「次は何か別の仕事を...」と言いかけて、
「でも俺、息吹くことしかできないんだよな」と途方に暮れている。
