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青山学院大学2009:三角形の重心の軌跡

問題

原点をOとする座標平面上に定点A(1, 0)があり,原点を中心とする単位円周上に2点P$${(\cos s,\ \sin s)}$$,Q$${(\cos t,\ \sin t)}$$ をとる。$${s}$$ と $${t}$$ が $${s-t=\dfrac{\pi}{2}}$$ , $${0 < t < \dfrac{3}{2}\pi}$$ を満たしながら動くとき,△APQの重心をGの軌跡を求め,図示せよ。

 2009年,青山学院大学の問題である。(問題表現は異なります)計算はさほど難しくありません。重心Gの座標を$${s,\ t}$$ で表すと,$${s,\ t}$$ の媒介変数表示となります。

    $${x=\dfrac{1}{3}(1+\cos s + \cos t)}$$
    $${y=\dfrac{1}{3}(\sin s + \sin t)}$$

 三角関数の和積公式を用いてそれぞれ変形し,$${(3x-1)^2+(3y)^2}$$ を作れば円の方程式が得られます。しかし,「入試問題を解く」ということだと,計算をして結果を求めて終わりということになりかねません。実際にP,Q,Gはどのように動くのかまでイメージしているかどうかが怪しいのです。青山学院大学の元の問題では,P,Qの座標は与えられていますが,これが単位円周上にある,とは書かれていません。ですから,「単位円周上にある」ということを考えずに結果だけ求めてよしとすることをありえます。実際,上のように計算だけすると,点P,Qがどこにあるのかを考えなくても答は出るわけです。しかし,P$${(\cos s,\ \sin s)}$$ を見たら,Pは円周上にあると思いつきたいところ。

 こういったことを,作図ソフトで「鑑賞」しましょう。

リンク先を開くと,次の画面になります。

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 $${s-t=\dfrac{\pi}{2}}$$ なので,Qを動かせばPの位置が決まります。緑の点はドラッグできるので動かしてみると,それに応じて重心Gも動くので,円を描くことがわかるはずです。
 「軌跡」ボタンを押すと,軌跡が表示されます。

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右の方が欠けているのは,そこは除外されるからです。これは,問題文に $${0 < t < \dfrac{3}{2}\pi}$$ という条件がついていることによります。$${t=0}$$ すなわちQがAに一致するときは三角形はできません。Aをこえると三角形ができますが,それは $${0 < t < \dfrac{3}{2}\pi}$$ を満たしません。ぐるっと回ってQがOの真下にきたときもそうです。

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ところで,問題を解いているときには気がつかないかもしれませんが,このように動かしてみるとGを「三角形の重心」とするかわりに「PQの中点をMとし,AMを2 : 1 に内分する点」といってもよいことがわかります。もちろんそれは重心の性質であるわけだが,このように表現すると図は次のように変わります。

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さらに,∠POQは常に直角なので,弦PQの長さは一定であり,中点Mは原点を中心とする円周上を動きます。したがって,次のような図ができます。

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点Aを少し横に移動すると,次のような,教科書の例題にある軌跡の問題になります。

点Mが円周上を動くとき,AMを 2 : 1 に内分する点の軌跡を求めよ。

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これをベースとして,青山学院大学の問題は,次のような表現に変えることもできます。

 原点をOとする座標平面上に定点A(1, 0)があり,原点を中心とする半径1 の円周上に2点P, Q がある。∠POQ=90° のとき,三角形APQの重心Gの軌跡を求めよ。

 解法はいくつか考えられるでしょう。前述のような性質を考えてPQの中点Mをとるのもよし,P,Qの座標を青山学院大学の問題のように cos と sin でおいてもよし。角についての制限 $${0 < t < \dfrac{3}{2}\pi}$$ がなければ右の方が欠けない円になりますが,2つだけ除外点が発生します。APQが三角形にならない場合です。円周上の点がcos と sin で表せること,三角関数の和積公式や合成が使えることを試すなら,青山学院大学のもとの問題のような表現になるでしょう。

 「別解がある」問題は面白い。授業で扱う題材としても面白い問題でしょう。

※図はCinderella(CindyJS)で作成しました。

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