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「相談しただけ」で評価が下がる職場|“聞けと言うのに聞くと詰める”構造の正体

「わからなかったら聞いてね。」

そう言われたのに、実際に質問すると空気が変わってしまう。

・「なんでそこがわからないの?」
・「ちゃんと考えた?」
・「それくらい自分で判断できるでしょ」

すると人は、だんだん相談しなくなります。

そして最終的に、 "黙って抱え込む"ようになります。

でも、これは本人のコミュニケーション能力の問題ではないこともあります。

👉 "質問したときに削られる構造"が存在しているからです。


質問したときに削られる構造

その構造とは、「質問歓迎」と言いながら、実際は評価する構造です。

表向きは、

・相談してください。
・確認していいかね。

と言います。

しかし、実際には、"質問の内容"で能力評価が始まってしまうことがあります。

すると人は、こう学習していきます。

・聞くと面倒になる
・責められる
・無能と思われる
・また詰められる

その結果、 "確認するためのコスト"が異常に高くなってしまう構造が出来上がります。


以前、複雑なシステムを扱う職場で働いていたときのことです。

そのシステムは、30近いアプリが連携していて、似た名前も多く、しかも詳細な仕様を確認できるドキュメントがありませんでした。

ある日、顧客ごとのカスタマイズ項目を確認しながら、システム更新をする作業を任されました。

ただ、

・どれがカスタマイズ項目なのか一覧がない
・見た目では判断できない
・仕様共有も不十分

そんな状態でした。

私はかなり悩みました。

でも、質問すると、

「何を聞いてるのかわからない」
「考えればわかる」

という空気で返されました。

文言を相手の立場に立って一生懸命考えて確認したにも関わらず、ただ「意味がわからない」とだけ回答されました。

私がどんなことを聞きたそうなのかを上司がどこまで理解しているのか、何がわからないのかを全く教えてくれませんでした。

そのため、確認したい内容は全く得られないまま、
もう一度どうやって聞いたらいいのかを考えなければいけない地獄のスパイラルにはまりました。


こうやって、質問すること自体が怖くなるわけです。

勇気を出して、以下のように質問しました。

-----------------------------
▼ 確認したい内容:
カスタマイズ項目が何かを判断できるドキュメントはサーバー上にあるでしょうか?もしあるようであればご教示ください。

▼ 背景:
カスタマイズ項目は見た目では区別がつかず、判断ができないため
-----------------------------
と相談した結果、

突然Teams通話で、

「なんでそんなに時間がかかってるの?」
「私はそんなためにあなたを雇っているんじゃない」

と言われました。

その瞬間、 「もうこの人には相談できない」と思いました。


構造上の問題を個人の能力でカバーする仕組み

この問題は、単に「厳しい上司」の話だけではありません。

奥底にある問題は、“前提共有不足”を、個人の能力でカバーさせていること”です。

・設計思想を共有しない
・判断基準を言語化しない
・全体像を説明しない
・途中確認を歓迎しない

でも結果だけは求めるという構造になっています。

さらに厄介になるのは、上司側には悪気がないケースです。

自分は理解している。

だから、

「見ればわかる」
「考えればわかる」

と思い込んで進めてしまいます。

でも実際には、“知っている人の脳内地図”が共有されていないため、現場では、

・推測
・空気読み
・自己防衛

ばかりが増えていき、混乱します。


実際、こうした環境では離職率が高くなりやすいです。

実際、私がいた会社でも、13か月で新規採用8人中6人が退職していました。

しかも、その在籍期間は、

・1か月
・2か月
・5か月

と短期離職が集中していました。

もちろん、離職理由は1つではありません。

しかし、

・聞けと言うのに聞くと詰める
・途中相談で評価される
・質問コストが高い
・心理的安全性が低い

こうした状態では、
人が安心して学び続けることは難しいです。


問題は、"質問したこと"ではありません。
 "安心して質問できないこと"です。

本来、質問とは、

・認識合わせ
・事故防止
・品質向上

のためにあります。

でも、質問した瞬間に

・能力評価
・人格評価
・圧
・詰問

がセットになってくると、人は相談ではなく、 "防御"を始めます。


どうすればいいか

重要なのは、「質問内容」ではなく、「質問後の空気」です。

例えば、

❌「なんでわからないの?」
✅「どこまで整理できていますか?」

❌「考えればわかる」
✅「今どこで止まっていますか?」

これだけで、人はかなり話しやすくなります。

"質問しづらい職場"は、まだ軽症です。

本当に危険なのは、 "質問すると削られる職場"です。

人は、怒られたから黙るのではありません。
「相談すると危険だ」と学習して黙ります。

その結果、

・離職
・事故
・思考停止

につながっていきます。

そして、

その沈黙を繰り返すと、心理的負荷が蓄積され、かつて私が経験したように、身体的な反応ができてきたり、メンタルの不調を経験しても全くおかしくありません。


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